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2013年7月21日 (日)

メッセージを支配する: 標的はPress TV

2013年7月5日、金曜

Stephen Lendman

アメリカ政府とイスラエル・ロピーの圧力に全ての責任がある。問題はあからさまな検閲だ。検閲が、真実と全面開示を抑圧しているのだ。

彼等はメッセージを支配している。彼等は視聴者が重要なニュースや情報や分析を得るのを防いでいる。Press TVはそれを日々行なっている。重要なサービスを提供している。

同局は必見の局だ。視聴者が最も知るべきことを語ってくれる。この局は、正確に、徹底的にありのままに伝えてくれる。失うには余りに重要な局だ。この局は、それが理由で、標的とされている。

そうすることで、同意を作り上げるのだ。それはマインド・コントロールの婉曲表現だ。1917年、ジョージ・クリールが最初にこれを駆使した。これで、平和主義のアメリカ人を、怒り狂うドイツ嫌いへと変容させたのだ。

アレックス・キャレイは、大企業によるプロパガンダを研究した。彼は、他の人々もそうするよう鼓舞した。『民主主義からリスクを排除する 大企業プロパガンダ対自由』(原題“Taking the Risk Out of Democracy: Corporate Propaganda versus Freedom and Liberty”)と題する彼の著書にはこうある。

“20世紀は、三つの政治的に極めて重要なものの発展で特徴づけられる。民主主義の発展、大企業権力の発展、そして、民主主義から、大企業の権力を守る手段としての大企業プロパガンダの発展だ。”

国家がスポンサーのプロパガンダも同様に機能する。アメリカ人は、世界で最も娯楽過剰で、情報不足の人々だ。アメリカ人は、うんざりするほど繰り返されることを、ほとんど何でも信じてしまうのだ。

彼等は容易にだませるいいカモだ。大きな嘘が彼等をたぶらかす。彼等は戦争を始める。マスコミの悪党どもが、これを繰り返す。マスコミは大衆欺瞞兵器だ。マスコミは、間違っていることが正しいことなのだと国民に思い込ませる。主流と異なる意見は隅に追いやられる。

Press TVは最良のものの一つだ。失うには余りに重要だ。イラン・バッシングは長きにわたる。アメリカとイスラエルが全責任を負っている。独立した政府は許容しないのだ。

真実は禁止されている。Press TVは、ずっと長いこと標的だった。同局のメッセージを抑圧することは、最優先課題だ。昨年秋、EUの27ヶ国が19のイラン・テレビ・ラジオ局を妨害した。

ヨーロッパの衛星通信業者ユーテルサットが魂を売ったのだ。同社も同調したのだ。全ヨーロッパで、彼等を沈黙させることに同意したのだ。

声明にはこうある。“我々は契約を終了した。欧州委員会の命令だった。我々は従わねばならない。”

違法な命令に従う義務など誰にもない。そうすることは共謀だ。

ユーテルサット発表前に、何カ月も通信妨害が断続していた。同社の憲章自体、“戦略を規定し、運用を行なうにあたって、無差別と公正な競争の原理を堅持する”義務があるとしている。

同社の社長はミシェル・ド・ローゼンだ。彼がCEOだ。彼は取締役会メンバーだ。1996年から、1999年まで、彼はフランス財務省と国防省の役人だった。

彼はイスラエル国民だ。彼は筋金入りだ。彼は熱烈なシオニストだ。彼はイスラエル最悪の犯罪を支持している。

Press TVは、イランの24時間英語ニュース・サービスだ。この局は世界の大半の国で放送している。放送は、衛星、ケーブルとオンラインで行なわれている。

同社のアメリカにおける存在は、中継する企業によって制限されている。大手ケーブル通信会社コムキャストと、タイム・ワーナーは同局を排除している。メディア・コングロマリットのディズニーや、バイアコムや、フォックスもそうだ。

昨年10月12日、イギリスの情報通信庁(Ofcom)は、同局の放送を禁止した。イギリスの法律に従わなかったためだとされている。

これは恥知らずの検閲だ。極めて重要なニュース、情報や分析を沈黙させることを意味している。英国情報通信庁は、政府と王室の圧力に屈したのだと主張している。そうすることは、イギリスのディア関連法律違反だ。

2011年5月、英国情報通信庁は、Press TVは、“イランの監獄に収容されているイラン生まれのカナダ人ジャーナリスト、マズィアル・バハリのインタビュー抜粋を10秒放送して”規則に違反した、と述べた。

イギリス外務省は、ロンドンのアメリカ大使館に“(Press TVの)活動を制限する方法を検討している…”と語っていた。

2012年1月、ロンドンのガーディアン紙はこういう見出しを載せた。“Press TV差し止めは遺憾だ。英国情報通信庁は今ライセンスを復旧させるべきだ”そしてこう書いた。

“世界のいかなる場所において、いかなるメディアの差し止めも、表現の自由に対する侮辱であり、熟考すべき、とんでもないことだ。”

“イギリスの機関が、そのような抑圧行為に貢献するなど到底信じがたい。同局のイギリス・ライセンスは、即座に復旧されるべきだ。”

反対派弾圧は、アメリカの公式政策だ。異なる見解を隅に追いやるのもそうだ。アメリカ政府は、Press TVを沈黙させたいのだ。

2013年度国防権限法(NDAA)は、同局をアメリカの電波から締め出している。放送局やケーブル運用会社が排除しているのだ。元CIA長官ウイリアム・ケーシーはかつてこう発言した。

“アメリカ国民が信じること全てが嘘となった時が、我々の偽情報計画の完成だ。”

元CIA長官ウイリアム・コルビーは、CIAは“主要マスコミの重要な地位にいる全員我々の手の者にしている。”と語った。問題は、メッセージの支配だ。

オバマの財務省も関与している。2月6日のイラン人幹部制裁は、検閲とされるものとリンクしている。財務省外国資産管理局(OFAC)は、IRIB (イランイスラム共和国放送)を標的にしている。

イランは“反体制派を蹂躙すべく、国営メディア放送”を利用しているのだと外国資産管理局は不当に主張している。彼等は、二枚舌で“歪曲された、あるいは偽りのIRIBニュース報道を指摘している。”外国資産管理局はアメリカ国内でPress TVや他のイラン・メディアを禁止している。

7月1日、Press TVは、衛星Hotbird 13-B、ユーテルサット25-C、ユーテルサット21-B、ユーテルサット8-West-A、インテルサット20、Galaxy 19と、Optus D-2から排除された。

イランのスペイン語放送局Hispan-TVは、ユーテルサット8 West A、ユーテルサット7 West Aと、インテルサット 21から排除された。

同局のアラビア語放送アル-アラムは、ユーテルサット8 West Aから排除された。同局の総合娯楽英語・アラビア語テレビ・ネットワークiFilmは、ユーテルサット21-B、ユーテルサット25-C、Hotbird 13-B、ユーテルサット7 West A、インテルサット20と、Optus D-2から外された。

同局のアル-カウサールは、通信衛星ユーテルサット8 West A、ユーテルサット7 West Aと、Galaxy 19から排除された。

こうした動きの後、国際電気通信衛星機構(ITSO)幹部は、アメリカ政府と、主要衛星運営者インテルサットに、イランの放送局禁止を止めるよう求めた。

インテルサットは、アメリカの圧力に従ったことを認めている。イスラエルは自らの力を行使している。アメリカ国内のイスラエル・ロビーがアメリカ政府を支配している。ヨーロッパの衛星業者は嘘をついている。連中は反イラン制裁に従っていると主張している。制裁は、イラン・メディアには適用されないのだ。

メディア専門家のナデール・タレブザデはこう語っている。

“新たな局が、欧米出身の優れた欧米評論家による異なる見解や、異なる議論を可能にするのが不安で、それが、 彼等が放送をさせたくない理由なのです。”

世界人権宣言の第19条にはこうある。

“すべて人は、意見及び表現の自由を享有する権利を有する。この権利は、干渉を受けることなく自己の意見をもつ自由並びにあらゆる手段により、また、国境を越えると否とにかかわりなく、情報及び思想を求め、受け、及び伝える自由を含む。”

欧州人権条約(人権と基本的自由の保護のための条約)第10条にはこうある。

“すべて人は表現の自由の権利を有する。この権利は、公権力の介入無しに、国境を越えると否とにかかわりなく、自己の意見を持ち、情報および思想を受け、伝える自由を含んでいる。”

メディアを活用する活動家達は、イラン・メディアへの攻撃を、言論の自由に対する攻撃と呼んでいる。アメリカの憲法修正第1項がこれを擁護している。それが無ければ、他の全ての自由が危険にさらされる。余りに重要で、失うことはできないものだ。

Press TV視聴者は反撃した。“欧米大国の偽善、不法行為、残虐行為や、連中が世界にそれを知られたくないと思っているあらゆる問題を暴露”していることで標的にされているのだという人もいる。

別の意見は“Press TVは歩調を合わせようとしない。連中は、アメリカは、偉大な神に選ばれた国だと、一体何回言ってきただろう?アメリカの主張に同意しない者は全員、良くて悪者扱いだ。連中は、真実に対して、意図的に目を塞いでいるのだ。”

シオニストの影響を強調する意見もある。連中の“プロパガンダ装置”は嘘が暴露されるのを嫌がっているのだ。“世界でおきるあらゆることが、万一、シオニストの主張にとって不都合だと判断されると、全く報じられない。”

全国ジャーナリスト組合委員長ドミニク・プラダリェはEUの検閲を批判している。

“私が代表を勤める全国ジャーナリスト組合は、表現の自由と情報へのフリー・アクセスを支持しています。”と彼女は語っている。

“検閲は、誰かが人の人権を侵害しようとしている場合にのみ許されるが、今回これはまったくあてはまらない。”

“あらゆる種類の検閲に対して、警戒を怠ってはなりません。国民は外国メディアにアクセスする憲法上の権利があります。それを防ぐことはできません。”

ケヴィン・バレットは、アメリカ・イスラム教徒政治行動委員会の共同設立者だ。彼は作家で、ラジオ番組司会者で、元大学講師である。

彼は言う。“事実を直視しましょう。(財務省)外国資産管理局は、一連の強硬派ネオコン・超シオニスト・リクード派過激イスラエル支持者に引き渡されてしまったのです。”

連中は“金融・イデオロギー総力戦で、イランを攻める全権を委任されているのです。”

連中は“欧米とイランの間で、思想が自由に行き来する流れを閉鎖しようとしているのです。連中に、Press TV、アル-アラムや、他のイラン放送局を恐れることが何もないのあれば、問題にはならなかったでしょう。”

“連中が、言論の自由や民主主義について、果てし無くまくしたてる、とんでもない偽善の例です。”連中は、国内でも、国外でもそういうものは一切許容しないのです。連中は真実を沈黙させたいのです。

“本当の問題は、イランがソフト・パワーを駆使していることです。”イランはテレビや他の通信手段を使って、そうしているのです。イランは、欧米の聴衆に“真実を伝えている”のです。そうすることで、シオニストの嘘や歪曲を“致命的に、脅かしているのです”。その対応が、“悪い知らせを持ってきた人を責める”ことなのだ。

しかし、それは機能していない。益々多くの欧米の視聴者が反対している。Press TVはこう述べている。

“真実は永久に隠しておくことはできず、イラン・メディアの声を聞きたい人々は、必ず自分で選んだ局を見る方法を見つけるだろう。”

“イランの放送局は、視聴者が容易に放送を受けられるようにすべく最善をつくしています。”

オンライン調査では、回答の92%が、イラン・マスコミ追放を言論の自由への攻撃と呼んでいる。アメリカ/EU/イスラエルの行動は無法だ。「力は正義なり」では済まない。国際法が重要なのだ。

情報の自由な流通が基本だ。人は知る権利を持っている。現代の技術がそれを可能にしている。欧米の破壊活動は機能しない。真実は沈黙させられることはない。失うには余りに重要だ。それ無しには、他の全てが失われてしまうのだ。

著者について: Stephen Lendmanはシカゴ在住。[email protected]で連絡できる。彼はMoneyNewsNow.comと、VeteransToday.comに寄稿している。

彼は著名な下記の本の著者でもある。『銀行家による占領: 人類に対してしかけられている戦争』原題“Banker Occupation: Waging Financial War on Humanity”と『ウォール街が、いかにしてアメリカから巻き上げているか:民営化された金融、政府の共謀と階級戦争』原題“How Wall Street Fleeces America: Privatized Banking, Government Collusion and Class War”。(いずれも翻訳は出ていない。)

 

Lendmanは、sjlendman.blogspot.comで自身のブログも書いている。

彼は、プログレッシブ・ラジオ・ネットワークのプログレッシブ・ラジオ・ニューズ・アワーの著名ゲストとの最先端の議論があるラジオ番組司会者である。
金曜のアメリカ中部時間午前10時と、土曜と日曜の正午に放送されている。いつでも聞けるよう、全ての番組がアーカイブされている。

記事原文のurl:www.veteranstoday.com/2013/07/05/controlling-the-message-targeting-press-tv/

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Press TV、そもそもインターネットでしか拝見していないので、そうした弾圧を受けていることは知らなかった。

冒頭にあるジョージ・クリールのクリール委員会で、プロパガンダ推進に活躍したのは、エドワード・バーネイズ。フロイトの甥。彼の著書のうち一冊は日本語で読める。
プロパガンダ[新版]中田安彦訳・解説 成甲書房刊

プロパガンダの歴史、バーネイズの活躍については下記が詳しい。彼の著書も良いが、この批判的研究こそ、広く読まれるべきだろう。
「PR!世論操作の社会史」スチアート・ユーエン(法政大学出版会)

911郵政破壊選挙直前、新聞社説に驚愕したこと何度も繰り返し書いている。郵政破壊プロパガンダ、美しいメロディーの様に聞こえる、という主旨のとんでもないヨイショ記事だった。あまりのひどさに、文言を記録する気力もおきなかった。

今朝の朝刊。一面見出し「経済、憲法、原発問う」

TPPを見事に消去している。TPP隠蔽工作大成功。

日本人は、世界で最も娯楽過剰で、情報不足の人々だ。日本人は、うんざりするほど繰り返されることを、ほとんど何でも信じてしまうのだ。

彼等は容易にだませるいいカモだ。大きな嘘が彼等をたぶらかす。彼等は戦争を始める。マスコミの悪党どもが、これを繰り返す。マスコミは大衆欺瞞兵器だ。マスコミは、間違っていることが正しいことなのだと国民に思い込ませる。主流と異なる意見は隅に追いやられる。

孫崎享氏が再三指摘される通り、とんでもない大本営広報に騙される読者・有権者の責任は重いだろう。

戦争責任者の問題 伊丹万作

後世に、一体何といってお詫びするのだろう。とんでもない政治家に投票する皆様、子孫が深刻な被害をうける頃には、この世にいない自信、おありなのだろうか? 郵政破壊政策で、大変な被害を被ったこの国の人々、こりずに、またもや後継者に票を投じる。

アメリカ先住民イロコイ族、あらゆる判断をする際に、7世代先に対する影響を考慮するのだという。後から侵略した追剥連中とは比較にならない、はるかに優れた哲学。

“In every deliberation, we must consider the impact on the seventh generation…”

壊憲も、TPP推進も、原発推進も、7世代先の事を考えたら、とうてい進められまい。正気ならば。

知人・友人一人として、売国政党でない党、人に投票するよう説得できない小生も責任があるのだろう。何とも気が重い理不尽なことだ。

明日以降、しばらくの間、新聞・テレビつまり、大本営広報部の報道を見る気力、既にない。もちろん、砂嵐の中、砂に頭を埋めるダチョウの逸話同様、見なくとも、世の中良くなるわけではない。毎回の選挙後の重苦しい鬱状態、何とか早く脱出したいものだ。

そのためにも、この政治状況を慶賀する同級生の飲み会、永遠欠席する。

井上ひさしの芝居『頭痛 肩こり 樋口一葉』、わらべ歌様のものが繰り返し流れる。
盆、盆、盆、盆、16日は、地獄の釜の蓋が開く。
それが、
盆、盆、盆、盆、21日は、地獄の釜の蓋が開く。
と聞こえてならなかった。

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コメント

いつも貴重な情報ありがとうございます。
ニュースを受け取る側に責任はないのではと最近思います。
何故なら小学校の頃からルールに従う事が良い事と徹底的に教えられます。
それはそういう人間になるでしょう。

私は少なくともこちらのブログより気づきを頂いている訳ですし、貴殿の努力の恩恵を頂いています。

大勢の市民の無知、不寛容、狭量は悲しいかな、しょうがない事なのかと思います。

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» 「落陽」 ま、敢えて書こうかねぇ・・棄権したほぼ半分の有権者たちは原発推進、TPP・増税、憲法改正、徴兵制も認めるんだなぁと。 [f-kafkappaの日記〜緑と青の風にのって〜]
浅田次郎の「残侠」を昨日から読んでいる。 政治の世界も任侠の世界も同じようなものか? 中身のない空っぽだけが肩で風切って生きている・・・。 〜また振り出しに戻るたびに陽は沈んでいく・・・・ 覚悟は出来ていたがね、それにしても悔しい。 ま、3年間この日本... [続きを読む]

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