余計者パベル・ドゥーロフ
スティーブン・カルガノビッチ
2024年9月29日
Strategic Culture Foundation
彼のプライバシーと自由の尊重は主に言葉による一時的なもので、深刻な圧力や犠牲の可能性が最初に現れると妥協する傾向がある。
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一か月以上前にテレグラムのオーナー、パベル・ドゥーロフがパリで拘束されたことは、大きな注目を集め、活発な意見が寄せられた。しかし、その後すぐ、この事件は不思議なことにレーダー画面から消えた。当初プライバシーと表現の自由への影響で大きな関心を集めたこの注目の事件は、フランス当局がドゥーロフに対する長い重大犯罪容疑のリストを公表し、500万ユーロの保釈金で暫定的に釈放したことで突然冷めてしまった。ドゥーロフが事件の解決を待つ間滞在していたと思われるパリでは、パパラッチですら彼を捕まえることに余り関心を示さなかった。
先日異例の沈黙がついに破られ、賢明な観察者たちがずっと疑っていたことを裏付ける発表があった。舞台裏でテレグラム所有者と検察の間で激しい交渉が行われ、ついに合意に達した。当初プラットフォームのユーザーの信頼を裏切ったり、表現の自由への約束を破ったりすることは決してないとドゥロフが約束していたのに反し、事実上、当局の重要な要求に彼は屈し、ユーザーに関するデータを一つ以上の政府と共有することが明らかになった。
これは異例ではあるが全く予想外というわけではない。テレグラムは世界中に10億人近いユーザーを抱えているため、通信のプライバシーに重大な影響を与えるだろう。だが、これを個人的逸脱としてでなく、ロシア文学の典型である「余計者」 лишний человекの現代的表現として理解すれば全く不思議ではない。
この典型の主な特徴は一体何で、それはパベル・ドゥーロフが自ら明らかにした内容とどう一致するのだろう。それはドゥーロフが代表するロシア社会の一部、つまりソ連崩壊後に出現した架空の概念「西側」を模倣すべきモデルとして見なす野心的な若者たちと、どのように関係しているのだろう。
余計者を、社会規範をあまり気にせず、自分の思い通りに行動する才能と能力のある人物だと文芸評論家は定義している。まさにパベル・ドゥーロフだ。余計者は、社会の価値観を無視するだけでなく、皮肉や実存的退屈などの特性に悩まされているのかも知れない。おそらくそうだろうが、それが事実かどうか判断できるほどドゥーロフをよく知らない。余計者は、一般的に、周囲の社会の懸念に無関心または無共感で、それらを嘲笑することさえある。また自分の快適さと安全を促進するため、自由に使える資源を利用することもよくある。非常に知的で有能で、魅力的でさえあるが、根底では自己中心的でナルシストで、慈善活動を行うことや、より大きな利益のために自分の立場を利用することにほとんど関心を示さない。ここで、ドゥーロフの片鱗を再び見ることができる。彼が行った最も利他的行為として知られているのは、自分のような遺伝的に優れた小さな天才が生まれることを期待して、匿名で自分の精液を約100人の女性に提供したことだ。
余計者の特徴は、彼を定義する特定の特性以外にも、際立った精神的状態、つまり、より高い理想という形での人生における目的の欠如だ。
彼について私たちが調べているところによると、ドゥーロフ個人や社会現象として彼が出身する主に若い裕福で教育を受けたロシア人階級は、注目すべき程度まで、ここに挙げた特徴の多くを示している。
彼らは明らかに現代ロシアの核となる価値観を気にかけておらず、その価値観に定義される独自の文明の一部となることや、その保存に貢献するのに熱心ではない。彼らは自分の文明に誇りを持たず、他の場所で模範を探している。彼らは自分たちを養育し、育て、才能を育み、彼らが知っていること全てを教えてくれた国家や社会に特に恩義を感じていない。彼らはその技術や才能を世界市場で最高額を示す人に提供するのだ。
自己を超越する何かしっかりとした基盤を持っていないため、彼らの回復力は脆弱で、彼らの背骨は非常に軟弱だ。崇高な原則(デュロフの場合、プライバシーの尊重と表現の自由)の遵守は主に言葉による一時的なもので、深刻な圧力や犠牲の可能性が最初に現れると妥協しがちだ。
公に述べられている原則は、彼らが自らを宣伝する道徳劇の中で口にする単なるセリフで、その原則のため彼らが大切にしているものを手放す必要がない限り、彼らは喜んで劇の中で演じている。
パベル・ドゥーロフの急速な予想外の屈服に失望した人は多いだろう。しかし人生は彼には道徳的範囲が大きすぎる役割をパーベル・ドゥーロフに与えたようだ。彼はそれに備えていなかったか、あるいはそれを引き受けることに全く興味がなかったのかもしれない。道徳的な舞台では、見せかけとは対照的に、信憑性のある演技とは犠牲的な演技を意味し、それはドゥーロフがこれまでの人生で行ったことより遙かに要求が厳しい。それは技術的ノウハウやビジネス感覚以上のものを要求するジャンルだ。それは、かつては人格として知られ賞賛されていたが、益々稀少で貴重な資質を要求している。
過去2年間で、国境の外からやってくる誘惑に負けて、ロシアは数十万人の「パベル・ドゥーロフ」を「失った」。名ばかりのロシア人は、ロシア本土やウクライナの同胞の犠牲や不便を象徴的にも分かち合う準備ができていなかった。しかし量的にも質的にも、その人口減少は、更に多くの立派な新市民の流入によって十分補われている。ロシアの軽薄な若者を虜にしてきた幻想的権益を生涯にわたり経験してきた彼らは、ロシア文化とその価値観に対する熱烈な献身に今や疑いの余地はない。彼らの子供たちはそれら価値観を受け入れ、最終的にはロシア精神を受け継ぎ、体現するだろう。
欧米諸国全体を襲っている人口大変動とは対照的に、これはロシアの繁栄を願う全ての人々が期待し歓迎すべき人口補充計画だ。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/09/29/pavel-durov-the-superfluous-man/
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The Chris Hedges Report
Chris Hedges Q&A on the Middle East — LIVE 59:58東京新聞 こちら特報部
Chris Hedges
Oct 04, 2024
石破さん 本当にまっとうか日刊IWJガイド
総裁就任後 もう不信感
「イスラエルがレバノン南部に地上侵攻を開始! そもそも、ヒズボラはイスラエルの1982年の侵攻に対する抵抗組織として誕生した!」2024.10.4号
■はじめに~10月1日、イスラエル国防軍はレバノン南部に地上侵攻を開始!「ヒズボラの脅威を排除するため」とイスラエルは主張しているものの、そもそも、ヒズボラはイスラエルによる1982年のレバノン侵攻に対する抵抗組織として誕生した! パレスチナ問題を解決しない限り、軍事力ではヒズボラもハマスの消滅しない!
■シーモア・ハーシュ氏が、ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師の殺害を受けて、追悼文を発表! ナスララ師は、「多くの宗教が長きにわたって平和的に共存してきた中東をスンニ派とシーア派の国家に分断する」米国の中東政策を強く非難していた!
■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】
■【第1弾! 北方領土問題解決を目的として、故・安倍晋三元総理が設置した「ロシア経済分野協力担当相」の設置を、石破茂新総理は見送り!】岩屋毅外相は、就任会見で「ウクライナ支援と対露制裁を、引き続き、強力に推進していかねばならない」と、対米追従の姿勢を引き継ぐことを表明! 駐日ロシア大使は、日本政府が「ロシアとの関係を完全に断絶する方向に進んでいる」との認識を表明!(『スプートニク日本』、2024年10月1日)
■【第2弾! 米国に次ぐ第2位のウクライナへの武器供給国・ドイツのショルツ首相が、ロシアのプーチン大統領との電話会談希望を表明!】バイデン米大統領は10月にドイツで50ヶ国によるウクライナ軍事支援サミットの開催を表明! ドイツは2025年度予算でウクライナへの軍事支援50%削減を表明したばかり! プーチン大統領による核ドクトリン変更と、対露制裁が仇となってドイツ自身が経済苦境に陥ったため、ウクライナ紛争の外交的解決を求めるドイツだが、「このプロセス全体を実際に指揮している国」米国は、戦争継続へ! ロシアとともに、同盟国をもつぶしてしまう戦略!(『ディー・ツァイト』、2024年10月1日)
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