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はてなキーワード: 読了とは

2025-05-08

太宰治斜陽を読んでみた話

芸術分からんって人を見かけた際に太宰治斜陽が取り上げられていた。

思えば、太宰治作品って走れメロスしか読んだことないなって気付いたから、太宰治全集を買って斜陽を読んでみた。

なお、ネタバレも含まれから注意してください。

純文学作品なんて読まないか理解できるか不安になりつつ読んでみた感想

しかったけど、面白かった。

ある程度の歴史的背景を知っていればもっと楽しめたんだろうな。

それに教養がないと楽しめないのが純文学なんだなって思う。

しかったっていうのは内容の密度が濃すぎて、全てを理解できないまま読み終えてしまったっていうところ。

蛇に関連するところも漠然ふわふわした感じでしか理解できてない。

それと、知らない名詞が予想以上にたくさん出てきた。

知らない単語が出てきては調べてって読み進めるから読了まで時間がかかってしまった。

リバノールっていう薬を知らなかったし、ヨイトマケって単語も知らなかった。

椅子とかは調べてみて、あぁこういう椅子あったなって理解できたけど随所に知らない単語が出てきて、自分教養のなさを思い知らされた。

他に難しかったところは、文体のところ。

現代WEB小説とかエンタメ小説は読みやす文章意識して書かれているから、あの文体に慣れるのに数ページかかった。

かず子の人となりが分かり始めて、かず子の第一人称視点の話だと理解してからは、すらすらと読めるようになったし、音のリズムが良いからか読み進めるのが苦じゃなかった。

文豪の書く文章って凄えってなった。

二のところで、外人みたいだからスパイと疑われた描写があったけど、かず子ってハーフだったりしたのだろうか?

トロイカという文庫本を渡してかず子を休ませた将校さんとのやりとりは、あれはどういう描写だったのかいまいち理解できていない。

分かる人がいたら教えてください。

面白かったところは、十万文字にも満たない文字数で、かず子や直治、お母さまの人生を味わえるような濃密な文章だったこと。

読み終えた時は、なんとも言えない行き場のない気持ちが生まれていた。

直治の夕顔日誌に書かれていた

けれども、僕が本当に苦しくて、思わず呻いた時、人々は僕を、苦しい振りを装っていると噂した。

どうも、くいちがう。

という所は直治の苦悩を表していて良かった。

直治の遺書に書かれていた

姉さん。

僕は、貴族です。

ってところはグッときしまった。

夕顔日誌と遺書に描かれている直治の本心普段外に見せているギャップで、直治という人間人生を読者に訴えるあの文章はエグい。

太宰治滅びの美学を書きたかったのかな? 分からんけど。

タイトル斜陽って沈みゆ太陽から、没落した貴族を表してたのかって読み終えてから気付くぐらいには読解力がない。

個人的に好きだったところは、かず子や直治が心の内を吐露する描写の詩的な表現が好きだった。

それに、それぞれの登場人物哲学的なのが立っていて、よくこんな文章が書けるな、太宰治普段どんなこと考えて生きてたんだろうって小学生並みな感想しか出てこない自分が悲しい。

こんな感想しか書けない自分の語彙力、文章力の無さが悲しくなるね。

どうやら、私も芸術が分からない人間らしい。

2025-04-13

“何もしなかった休日”の正体、ちゃんと暴いたことある

今日休み

でも、なんかこう……“休んだ感”がない。

朝はゆっくり起きて、スマホをいじってたら昼になって、気づいたら日が傾いていて、

夜になって「あれ、今日何したっけ?」って言ってる。

一応、洗濯はしたし、コップも洗ったし、スーパー牛乳も買った。

でも、それ全部合わせても「今日有意義だった!」とはならない。

この日って、誰のログにも残らない感じがする。

SNSを開くと、

「朝5時から10kmラン」、「休日は本3冊読了」、「手作りグラノーラスムージーで朝食」

…みたいな人生攻略組がズラリ並んでる。

一方こっちは、部屋着のままプリンスプーン直挿しして、

「これが唯一のたんぱく質摂取か…」とか考えてる。

あの人たち、何? 太陽光で動いてんの? AIなの? ベータ版人類

それでも、「今日は何もしてない」って言うと、

「そういう日も大事だよ」って慰められる。

でも、そんな日が連続すると、自分けが人生の待合室”に取り残されてる気分になる。

あえて言うと、

「何もしなかった日」は、本当に“何もしてなかった”のか?

現代人の疲労回復は、もはや“休むこと”ですら戦略的じゃないと得られないのか?

みんな、“何もしない日”って、どうやって意味づけしてる?

罪悪感なく終えるには、どんな魔法が要るんだろう?

2025-04-08

anond:20250408214146

じゃあ読了条件をどうやって判定したんだよ説明しろよお前が言ったことやぞ?早くしろよどう判定したんだよ?逃げんなよお前なあ?

2025-03-26

anond:20250325174234

クズ同士の諍いを読了した俺も、お疲れ様

貴様も姉も、どっちも人としてきちゃないね

追記

この投稿リプライ元が消してしまったのでむだに攻撃的な文言けが残ってしまますが、保存しておきますね。

2025-03-20

すかすかの返事

 先日読んだ朝井リョウさんの「生殖記」に、「会話中、少しの好奇心から返事を『よっこいしょ』に限定してみたが、何も突っ込まれなかった」みたいな記述があった。そして読了後に、何も突っ込まれないわけないだろ、とずっと思っていた。

 そして今日、そのことを母との会話中(進学するにあたり新しい学校までの交通手段確認する、という内容)に思い出したので、少しの好奇心から返事を「パス」限定してみた。

……のだが、めちゃくちゃ何も突っ込まれなかった。びっくり。どこにもひっかかられず、すいすいと会話が進んでいき、

母「じゃあこのバス乗って、あと歩いて到着ってことで。」

私「パス。」

母「よろしくお願いします。」

私「パス。」

というような調子で、無事に締めくくられてしまった。いや、怒られるよりマシではあるけど。途中、「ペス」や「トス」も織り込んでみたのに。

 たぶん相づちとして「パス」を使われることに何の支障もなかったから、母は受け流したのだと思う。究極、「相づちとしての役割」さえ果たせれば、中身の言葉などどうでもいいのだろう。「下痢チョコボンバーマン」など、ひどい言葉でない限りは。

寝る。

2025-02-22

相互フォローアカウントで、数日〜数週間に一回くらい浮上して読了や鑑賞記録と一言感想ツイートするまったり運用だった人がいるんだけど、先月あたりからいきなり特定作品について一日数十ツイートするようになった(笑)

いいな 私も何かハマりたい

2025-02-16

昭和末生まれおっさんだがお勧めのなろう小説教えて

それなりに触れているが、今まで触れた物の傾向からお勧めがあったら教えて欲しい。なおテレビアニメだけ見たはさすがに多すぎるので省略する。面白い小説漫画にも行くしね。あと商業化したあとなろうなどは消去されてるのもあるみたいだけど最近は残すのが多いのかな?

本好きの下剋上

アニメは一応見てたが、後日図書館で「イラスト椎名優か。サクラダリセット好きだったんだよな」と読み始める。3章あたりから面白くてどんどん読み進めて、「予約なんて待ってられるか!」と購入。4章9とかは kindle ではなく bookwalker だとドラマCD付があったので両方買ったり最新のふぁんぶっくは間違えて2重で買ってた。コロナexにも登録して、漫画も既刊全巻、本編33冊、外伝5冊購入済み。

BDはかってないが、ミュージカル配信で見た。小説もう4回くらい周回したが、ついつい読み続けてしまうので年末年始とか長期休暇以外では封印気味。そういえばちょっと聖女の話が話題になったがローゼマインも「エーレンフェストの聖女」だね。ハルムートとアンゲリカが好き。

本編や漫画ドラマCDにはなろうにはなかったSSが追加されるけど、なろう系はこういうの多いね

無職転生

アニメ漫画の既刊は購入して読了ずみ。ルーファスの一代記になるんだろうが、つまらなくはないが、本編や商業小説は追う気にはならないな。なんか入り込めないというかなんというか。

Re:ゼロから始める異世界生活

TVアニメは放映してる分だけ、OVAも2本劇場で見た。商業小説は既刊読了済み。ヴォラキア編が終わってルグニカに帰ってきて塔へ再度いったお話だったかな?外伝は3冊くらい?リリアナはスバルたちと水の都じゃ初見じゃないよね?と分かるくらい。剣鬼恋歌は漫画版読んだ。

そういえば最新刊よむまで「ヴォラキア帝国」ではなく「ヴァラキア帝国」だと思ってた。

オーバーロード

TVアニメ全部劇場新作視聴済み。商業小説は既刊読了済み。劇場特典の冊子上下はまだ読んでないな。漫画などは追ってない。いいところなのに小説の既刊が止まってるのはなんでなんだろ。あ、あと『異世界かるてっと』はTVアニメ劇場版を配信で見た。

この素晴らしい世界に祝福を!

TVは爆炎も含めて視聴済み。紅伝説劇場で見た商業小説読了済みだけど、正直まだまだ続けられたけど作者が終わらせたかったので終わらせた感じじゃない?外伝は『この仮面悪魔相談を!』だけ読了ずみ漫画も追ってない。

宋言えばアクアってあるいみ「聖女」のパロディだよね。

幼女戦記

TVアニメ劇場版視聴。うーん。ミリタリーは嫌いではないんだけど、劇場版の内容と特典の冊子が、なんというか0年代2ちゃんのノリで正直キツイっす。あおちゃんの声は大好きなんだけどね!!!

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

5期とソードオラトリアも視聴済み。オリオンの矢も劇場で見た。これもつまらなくはないが追う気になれない感じ。ヘスティアギリシア神話の神が出てくるが他のギリシア神話の神との関わりも薄く「ヘスティアである必要性ある?」とどうも私のなかのギリシア神話マインドが刺激されない。ミノタウロスも現状だたの強い牛モンスターだし。

転生したらスライムだった件

TVアニメは本編と転スラ日記ユリウスの夢、映画館で紅蓮の絆編視聴。商業小説20か21巻まで読了帝国編が終わった後、みんなついていけてる?私はそれなりにSF読んでたのでまあいけるけど。漫画外伝ウサギ娘と三人娘既刊全部、あとクレイマンが主役のやつは一巻か二巻くらいまで読んだ。

薬屋のひとりごと

あおちゃん!あおちゃん!!TVアニメは視聴ずみ。ナーロッパならぬナッ中華なりナッチャイナな、中華後宮舞台にしたお話

後宮と言う事もあってか、私の中の士大夫マインドはあまり刺激されないが、漫画サンデーの方を連載で追ってる。

ティムーン帝国物語

すみぺ!すみぺ!TVアニメは視聴ずみ。ミュージカルは1の方は見たかな。漫画も一応本編とメイド外伝商業小説は12,3巻くらいまで読んだかな。どうも蛇の設定がいまいちしっくりこないので、そういうのなしでミーア姫の国造物語にした方がよかった気もする。

ふつつかな悪女ではございます

アニメ作品。これは漫画だけ追ってる。漫画作画担当目当てで買っている感じ。面白い小説を追うまでにはならない。私の中の士大夫マインドもそれほど刺激されない。そろそろアニメ化しそう。

転生大魔女異世界暮らし

古代ローマ的な異世界転生もの商業小説2巻漫画読了ずみ。商業小説で追加されたのが元ネタからまんまなのは苦笑させられた。けっこう私の中のローマ人魂は刺激された。なろうの方で最後まで読んだが、魔法とはなんなのか?という探求が前半の肝だが、後半は答えを知ってる人から教えてもらう流れなのでちょっといまいち。多分商業出版ならびに漫画は続けられるかどうかという所なのかな?漫画のできもよくて私の中でティト↑↑個人的には続いて欲しいが。

かぶり

うえちゃま!うえちゃま!ってこれはアニメしか見てないというか2話か3話切りしたけど苦手枠で。まずベルンシュタインといういかにもユダヤ系な性で侯爵と言う時点でかなりキツイレナード・バーンスタインとかもユダヤ系だよ。で、それはどうにか我慢してたが作中の地名普通に現代ドイツ都市名で「もう無理!」となった。和風世界異世界作品で、大宮とか、横浜とか千葉とか水戸とかでてくるくらいの違和感かな?私の中のゲルマン魂が拒絶反応を起こして視聴断念。

ペストが明けたら遊びましょう! ~中世ヨーロッパ世界現代文明スローライフ

これはなろうではないが。なんと言えばいいのか歴史日常系漫画現代人がでてこないけど『ローマふたり暮らし』が近いかな?特定時代地域舞台にして歴史に名がのころ偉人やらが主人公だったりせず戦争やら政争主題ではない作品「アルテ」の前半も歴史日常系と言えなくもないかな?

14世紀神聖ローマ帝国フランケン地方舞台にして、ローテンブルク・オプ・デア・タウバから村へやってきたパン焼きの少女現代日本に帰れないが文物は得られる水車小屋の粉ひきのまったり、きゃっきゃうふふな物語肌色分は作者の前作よりは少ないが、ブタとかも現生の白いのじゃないし、都市ではなく農村舞台と言うのもいい。ちゃんと色々調べてて、「暗黒の中世史観」へのアンチテーゼ提供している。作者のXでは打ち切りが濃厚らしいが続いてほしいな。アニメ化までとは言わないが、取材旅行ローテンブルク・オプ・デア・タウバーに行けるくらいには人気になって欲しい。

私の中のゲルマン人魂が槍を打ち鳴らしてます

2025-02-12

人間AIに優る領域 anond:20250212102648

最近AI実装されたDeepThink機能話題だ。ロジカル領域なら無料版でも相当リッチな回答が返ってくる。

試しに、増田記事本文を丸ごとChatGPT-4o (Deep Think) に投げてみた。

見ての通り、ピントのズレたお間抜け回答である。ここからどう軌道修正しようにも、ブコメ群のような芯を食ったアイデア考察は出力されそうにないように思う。

以下は、ユニークで具体性のある3つの提案です。どれも、待ち時間中の体験を充実させることで、若者だけでなく従来の常連も引き止め、売上の安定化を狙うアイデアです。

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マンガマラソンロイヤルティプログラム

概要:

・待ち時間マンガを「完読」するごとにポイントスタンプ付与し、一定数貯まるとコーヒー軽食の割引、または無料提供クーポンと交換できる仕組みを導入します。

具体例:
狙い:

・単発の新刊リリースでの来店だけでなく、常連マンガをじっくり読み、毎日の来店動機として楽しめる仕組みになる。

お客様同士で「誰が一番早く完読できるか」「どの作品が読まれいるか」など、コミュニティ感も醸成できる。

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インタラクティブマンガラウンジ

概要:

・店内にタブレットや大型タッチパネルを設置し、マンガの裏話、アニメ予告、読者投票SNS連動企画など、デジタルマンガに関する情報リアルタイムで楽しめる環境を整えます

具体例:
狙い:

・単なるマンガの貸し出しに留まらず、デジタル体験を通じてお客様同士の交流話題提供

若い層にとっては、スマホタブレット活用した新しい体験が魅力となり、待ち時間が苦にならない環境を作れる。

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マンガクリエイティブミニイベント

概要:

・定期的(例:毎週または月1回)に、店内でマンガに関連したミニイベントを開催します。内容はマンガクイズキャラクターコスプレコンテスト、または短いマンガ制作ワークショップなど、多様な企画を組み合わせます

具体例:
狙い:

・待ち時間や昼食時に来店客がただマンガを読むだけでなく、参加型のイベントを通じて一体感を感じられる仕組みを作る。

・「イベントの日には特別メニューサービス」があると、リピーターの来店頻度が安定する効果が期待できる。

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これらの提案は、ただマンガを置くだけでなく、お客様の「体験」を豊かにし、店舗自体コミュニティハブとなるような仕組みを目指しています。各アイデアは、既存純喫茶としての魅力を損なわず、むしろ新たな付加価値提供するための独特な工夫となるでしょう。

2025-02-06

anond:20250206121950

2000年ごろ京大に在籍してたけど、浅田彰名前くらいは8割は知ってたと思うぞ

1割くらいは家に『構造と力』を置いてたと思う、ちゃん読了たかどうかは知らん

2025-02-02

理系だけど日本古典文学を割と読んだから語る②

【前】 anond:20250202173933

4~6:源氏物語 角田光代 訳[新訳]

かつて所属していた文学サークルで、先輩が角田光代「菊葉荘の幽霊たち」って作品テーマ読書会を開いた。何事にも投げやりな女性が主役なこの作品が全く好きになれず、その後角田光代という名前を見ても全く手が伸びなかった。今にして思えば、全体的に生きる気力がないというか、適当にその辺の相手何となく交際してしまう感じの、怠惰女性が出てくるのに嫌悪感があったのだろう。理想的な美を探し求めていた大学生の僕には、うまく理解できないキャラクターだった。あるいは、当時女性理想化しすぎていたからかもしれない。理想恋人が、僕と同じように美や最高のクォリティ(なんじゃそりゃ?)を求める存在であると望んでいたのだろう。なんというか、十代の考えそうなことであるしかし、それは後述するように、すべて自己愛だ。それはさておき、「源氏物語」も僕は講談社学術文庫で読んだ。確か、今泉忠義である。再読のときは、角田光代訳でもいいのかも。書き続けられている作家ということは、力があるってことだし。

光源氏恋愛遍歴や、彼を取り巻く女性たちについての思いは昔書いたので省く。僕がこの小説が好きなのは、恋の物語けが理由ではない。もちろん、欲望まみれだった僕は、例えば朧月夜との密通で須磨に流されるというプロット面白く読んだのは事実だ。

けれども、もっと魅力を感じたのは、恋する貴公子光源氏が、だんだん権力を持った嫌なオッサンになっていくのが生々しく表現されていたからだ。己の愛人である女三宮と密通した柏木を睨みつけ、彼を絶望から再起不能に陥れるあたりがリアリティがあって嫌だ(褒めてる)。ふっふっふ、ハーレムを作るイケメンの末路はこんなものよ。

僕が真っ直ぐな目をした青年の目が濁っていく文学を見るのが好きな理由はいくつかあるのだが、彼女浮気されて一時期軽薄なナンパ野郎になり3Pまで経験した旧友や、好きな作品を貶されたせいか強烈なアンチフェミになってしまった友人、それから寝取られ経験からイチャラブ漫画が読めなくなって寝取られ暴力的な物ばかりに手を出している畏友のことが頭にあるからかもしれない。だから田山花袋田舎教師」や、風俗に行って嬢のおっぱいをもんで「豊年だ! 豊年だ!」と叫ぶ志賀直哉暗夜行路」が好きなのである。「暗夜行路」はその後の展開が大事だとは言え。

ところで、繁田信一が「殴り合う貴族たち」の中で、著者は菅原孝標女が「源氏物語」にハマった理由を推測している。それは源氏女性に直接暴力を振るわないからだという(部下たちは「車争い」のシーンで乱闘を演じているとはいえ)。その程度で理想貴公子になれる、当時の倫理はこんなものだったのである

古典には今からすれば受け入れられない行動をとる人々が出てくる。それでも、心動かされるのは、貪・瞋・癡の煩悩から逃げられない人間本質が変わらないからだろう。法律コンプラで縛ってはいても、やりたいことも欲望本質も変わらない。古典現代的な価値観批判するのは大事だが、上から目線で裁きたくはない。聖書によれば人間自分が裁いてきたように裁かれるのである(こんな風に、聖書には結構な頻度でクールセリフが出てくる)。

それに、過去のものが全部ダメだというのなら、例えば殺人者カラヴァッジョ絵画は展示すべきではないし、最終的にはルーブル美術館を爆破しなければならないだろうし、植民地からの富で栄えた都市ICBMでふっ飛ばさねばならない。しかし、他人の作ったもの破壊するのは、「指輪物語」のオークの所業である。悪とは何かを創造できず、捻じ曲げて模倣したり壊したりしかできない連中のことなである。具体的な顔や団体が浮かんでくると思う。

そういえば、去年の大河ドラマは「光る君へ」で、王朝を扱った文学を知っていると典拠がわかってニヤリとするシーンが多々あったが、きちんとは見ていない。理由はいくつかあるが、一つには作家主人公なので作家になりそこなった僕は見ていてつらい。それに、大河ドラマは夜八時の公共放送からしょうがないとはいえ、例えば人を斬って領土を切り取ってナンボの戦国武将平和を唱える違和感があってもともと好きではない(これが現代オタクの言うところの「解釈違い」というやつか)。たぶんこのシリーズを読んでくれている人はもうわかっていると思うけれど、僕は基本的に非常に面倒くさいのである。それに、元々ドラマは五十時間もつきあうほど好きなジャンルではない。逆に、それだけ付き合うことができれば、ドはまりするのだろうと予想はしている。「好き」を測る尺度の一つは、それに対してどれくらいの時間を費やしたかだ。ただし、みんな正座してドラマを見ていないのかもしれない。きっと何となく見ている。作品を素直に楽しむことから自分を遠ざけているのは、完璧主義なのかもしれない。

それこそ紫式部日記に出てきた女官衣装再現は良いと思ったけれどね。元々僕はブラウスという言葉の正確な定義も怪しいほどファッションほとんど興味がないので、該当箇所は読み飛ばししまっていた。

7:枕草子 酒井順子 訳[新訳] 方丈記 高橋源一郎 訳[新訳] 徒然草 内田樹 訳[新訳]

面白エッセイを書くには性格が悪くないといけない。ここでいう「性格が悪い」というのは、もちろん褒め言葉だ。他人が見落としてしまうことにいちいち言いがかりをつけているとか、筆で他者おちょくるのが上手いとか、そんなことを指す。枕草子はこの定義にぴったり当てはまる。言語化できていなかったけれど、「実はみんなそう思ってた」みたいなのも結構ある。

こういうタイプの人は友人に一人欲しい。「香炉峰の雪」(第二百九十九段)は日常漫画台詞をぴったりのタイミング引用したときみたいにめっちゃ盛り上がったと思う。これは全くの推測だが、清少納言って物事をはっきり言うけれど、言い方がカラッとしていて毒のある事を言っても周りの人が思わず笑ってしまう人だったんじゃないだろうか。楽しい思い出話というか、ちょっとドヤ顔しているエピソードもあって楽しい

もちろん第三百十四段の身分の低い人間火災にあったところを笑っているところは弁護できないが、これは時代の制約だろう。それに、「除目に司得ぬ人の家~」(第二十五段)のくだりは当時の公務員の辛さが描かれているので、読んで怒りを覚えた人もいるかもしれない。だから晩年没落したという伝承が生まれたのかも。笑っちゃうのは第三十段説教講師は、顔よき」、つまりイケメンレクチャーすると内容がありがたく聞こえるってこと。あっはっは。チクショー。これは旺文社翻訳で読んだ。ネットで拾ったので番号は間違っているかもしれない。

方丈記政治の乱れと絶え間ない災害で混乱する時代の空気をよく伝えてくれる。ところが、父の高校時代教師は「世間から目を背けた負け組愚痴に過ぎない」とバッサリやっていたそうだ。ひどすぎない? 確かに鴨長明政争に負けたけれど、僕は好きだ。混乱する世の中からある程度距離を取りたいって気持ちはよくわかる。ただ、読んでみると隠遁生活は楽しそうなんだが、どこか悟り切れていないオーラがある。市古貞次校注。

徒然草は前にも書いたが面倒くさいおじさんのエッセイなんだけれど、子どもがいたずらした狛犬を有難がったとか(第二百三十六段)、入口ばかり拝んできて本殿を見ずに帰ってきちゃったとか(第五十二段)、間抜けな人々の話が説教臭い普通に面白い。

それに、「ふざけてバカの真似をしている時点でバカだが、逆に立派な人の行いを真似るのは十分に立派だ」(第八十五段)とか「修行中寝てしまう人は、寝ていないときだけでも頑張ればいい」(第三十九段)とか、励まされる話も多い。近くにいたら面倒くさそうなおじさんだが、その言葉には勇気が出る。これも旺文社翻訳読了

もちろん時代の制約はある。たとえば、珍しい姿の盆栽を育てていた人の話がある。第百五十四段である。ある時に雨宿りで見かけた大勢身体障害者の曲がった身体を見て嫌悪を覚え、帰宅した途端に「俺のコレクションはこういう連中を集めてるようなもんだったんだな」と考えて、植木をすべて捨ててしまう。これなんかはなかなかに弁護できない。個人的には、コレクターが飽きる瞬間の描写として面白いし、当時の病に対する態度がよく分かって興味深いけれど、すべての人がここまでくみ取ってくれるかどうかは疑わしい。

これは全くの余談であるのだが、高校時代模擬試験を受けたとき、ある古典問題文が主張している内容が差別的だということで、問題差し替えてそこだけ再試験になったことがある。確か「私は身体障害があるからこうして人の喜捨で生きていける。かえって幸せだ」と述べる箇所があった。出典は忘れた。

個人的には、例えば中世障害者はどういう扱いを受けていたか解説をしたり議論したりしたら、すごくいい授業になったと思う。周囲では「事なかれ主義」だという批判も聞いた。おそらく、「先述したレベル議論をするのは高校から先の大学以降でやりましょう」ってことなのだろう。もっとも、米国大学ではナボコフロリータ」の精読を基礎教養から外したと聞いたので、大学レベルなのかもしれない。どうも米国はよくわからない。合理主義に見える一方で、いろいろな表現規制の根っこには、建国以来のピューリタニズムの遺風があるのではないか邪推している。

INTERMISSION②

今まで読んできた日本文学についてまとめるのは、一つには我が身を振り返って余計な過去をバッサリと切り捨てたいかである小説家になりたいという妄念を過去のものにしてしまいたいのである。ここで自分が抱えている妄念を文章にしてしまうことで、意図的小説の素材として使う機会を潰したい。書きたいという狂気を鎮めるのである人生で辛かったさまざまな出来事ことでさえ、世間的にはいたってよくあることなのだ。これらについては長くなるし、恥ずかしいので書かない。

小説家として戦うには、いつまでも過去について考え、それを発酵させ、そのうえで自分から離れた普遍性あるものにしないといけない。さらに、時には他人苦痛咀嚼して想像しなければならない。自分妄想は、他人に売りつけるに値するものだろうか?

小説家になる夢はあったが、こんな形でわざわざ嫌なことを思い出して、毎日を過ごすのは絶対に嫌だ。だからここに書き散らして、退路を断ってしまうのである絶対に忘れてやる。連中の名前グーグル検索しないと誓って数年が過ぎた。試みは成功している。あいつらのほうが「オス」として優秀に思えても、無視するに限る。しかし、こうして書くこともまた「創作」であろう。文章を読まれたいという欲望は尽きない。だが、万が一創作活動に舞い戻っても、絶対絶対にぜーったいに自分トラウマには触れないぞ!

このエントリ群を書きながら内面の暗いところまで沈んで行ったら相当にうんざりしてきたので、こういう創作は二度とやるまい。ちなみに、ブログでなく増田で書いているのは、創作活動をやっている/やっていたと公開しているはてなブログでは、こんなひがみや政治意識丸出しの発言をするわけにはいかないかである。また、初稿では倍ぐらい個人的過去出来事愚痴を描いたのだが、本筋から離れるので削った。

そう、忘れてはいけないのだが、このエントリを書いた一番の動機は、古典の名作を紹介したいからだ。これだけの古典現代にまで生き延びて読み継がれている国は稀有だろう。日本という国は、まったく非常に多くの問題を抱えているのだが、先人たちの積み重ねには頭が下がる。自分雑文ちょっとでも興味を持つ人が増えてくれたらとても嬉しい。作者の名前タイトルを授業で覚えるだけよりも、中身を知ってる方が絶対楽しいからね。

ちなみに、これはタイ王国をディスっているわけではないのだが、プラープダー・ユンパンダ」の解説で、タイでは(純文学系の?)小説初版部数は一千から二千冊程度で(タイ人口は七千万弱)、娯楽小説ばかりが売れているそうである。娯楽小説に罪はないし、むしろ好きなのだが、人間の心の基礎研究とでもいうべき純文学はある程度の人数に読み継がれていってほしい。

あとは、自分の好きなことについて語るのが単純に楽しいからだ。何が好きで何が嫌いかを明確にしていくことで、次にどこに向かって進めがばいいのかがわかってくる。次に何を読めばいいのか、自分本音では何を求めているのか、だんだんと明らかになってくる。

2025-02-01

傲慢と善良とBPD

傲慢と善良』を読んだ。素晴らしい作品だった。

この本は、婚活アプリ出会った男女2人の視点物語が描かれているんだけど。前半の男性目線パートは「ほんとそれな」っていう気持ちで読めて、後半の女性目線パートは「なるほどそういうことなのね」っていう答え合わせみたいな気持ちで読めた。なんで読んだかといえば、私自身、婚活アプリで今の妻と出会結婚したっていう境遇の近さもあったし、結婚してまだ1年も経たないがうまくいっているとは言えず、私自身苦しく、今後どうしようか悩んでいたからだった(朝井リョウさんの帯書きがそんな私の状況に刺さる言葉だった)。

で、今読了したところなんだけど、圧倒的なリアルさに震えつつ、自分ぼんやり思っていたことを言語化するのに役立たせてもらった感謝、圧倒的感謝気持ち。多分 "結婚" というワード違和感をもったり漠然不安を感じるひとは読むといいと思う。

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こっからは、ネタバレ含むタイトルを回収する話。

私は、私の妻はBPD(境界性パーソナリティ障害)ではないかと疑っていて、妻と私は共依存関係なのではと思っている。一般的にそれぞれがどんな症状なのかはネットAIに聞いてみてくれ。までも簡単にいうと、メンヘラとその親代わりなることに自身価値を見出す人の不健全関係といえるかも。

で当然ながら、私は自分境遇をこの本の主人公2人に重ねて読んでいた。

すると、女性主人公である真実毒親・過干渉な母とは共依存関係で、お互いに自他の感情問題境界曖昧になってしまっているように読めるし、意を決して自立しようと親元を離れて自分自身結婚相手を探してみても、結局は母の代わりとしての新しい依存先を探しているだけのようにも読める。それに、男性主人公である架くんの友達第三者には「いい子」を演じてしまうあたりも、BPDにおける見捨てられ不安からくるものだし、そしてその背景には小さい時に母に植え付けられてしまった「いい子でいないと自分には価値がない」っていう生存戦略大人になっても維持し続けてしまっていることが大きな要因としてあるんだろうなとも推測できる。

それに、ストーカーされているなんていう大嘘をついて男性主人公である架を結婚に踏み切らせる手法は(架の女友達からひどいことを聞いていたとしても)、明らかにBPDのいわゆる試し行為じゃないだろうか。「この子は私がいなくてはだめになってしまう、自分が守らないと」というある種善良な男性依存心をくすぐるもの。それで結婚しても当然ながら前途多難で健全ではない関係なんじゃないか?と思う。

でも、それにひっかかる架くんも架くんなんだよね。本当に鈍感で女性心理がまるでわかっていない、傲慢脳内お花畑なんだろうなと(その言葉はそのまま自分に返ってくるんですけどね...)。本書ではあまり描かれていなかったけど、架の家庭環境ももしかしたら影響していたかもしれない。だって普通自分が70点をつけた相手が、プロポーズした後に失踪して半年以上も連絡がとれない状況になったら諦めない??自分責任だって感じるのはわかるけど、仕事もないがしろにして探し回る様子は執着しているようにもみえるし、真実の無事と嘘が発覚したあとも式場をキャンセルせずに待ち続けるってどうなの?半年以上会ってないのに、再会してすぐ再プロポーズって実際どうなの?

それに、父親が亡くなってしまったときも、中堅の広告代理店で順調にキャリア積んでいたのをやめてまで父親会社を継ぐのは、不自然に思える。おそらく母親のことを考えたのかもしれない。母親では父の仕事の代役はできないし、母を悲しませたくないか自分犠牲になれば...みたいな。そういうところを見ても、人生大事選択他人に任せてしまう、それはそれで真実とは違う角度で、自他の感情問題境界曖昧になっているようにみえた。もちろん、その最たるものは、真実との結婚だけど。

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最後エピローグとして、主人公たちが結婚する様子が描かれているんだけど。その慧眼に震えた。

エピローグを読まなければ、それは女性主人公である真実自身過去を克服して自立する物語になるし、エピローグまで読むと、一見いい話で終わるようにもみえるけど、BPD(の疑いのある)当事者とそのパートナーとの関係と考えると、実は救いのない残酷物語になるんだよね。

「あぁ、この夫婦はいつまでもこんなことを繰り返すんだろうな。お互いに依存しあって振り回されて、そのたびにそれを乗り越えなきゃいけないんだな...二人とも心と身体持つかな...」

っていう。そういう意味で、エピローグではきれいな情景描写で終わっているけど、こっからスタートであって、こっからが大変だっていうっていう結婚大事なところは描かれていない。各自の親との関係性を不安視するところとか、「何考えてるの」のやりとりで、これからの大変さを表現しようとしていたのかな。でも全然足りない。私が感じている結婚の大変さからしたら。本の主題とか区切りとしては、そこまで描かないのはそりゃそうだけど。

なんにしても、自分物語のように読めて、自分自身客観視するのにとても役立ったし、妻に対する解像度想像力が少し養われた気持ち残酷ではあるけど、現実を突きつける良本だった。

2025-01-22

はてな匿名ダイアリー跋扈するSCPについて

 ここ数年、インターネットに散在するコミュニティ上での異常事象存在が、SCP財団内でしばしば議題に上るようになってきた。匿名性の高いSNSコメント欄掲示板はもちろんのこと、とりわけ「はてな匿名ダイアリー」(以下「増田」と呼称)においては、他のプラットフォームでは見られない特異なアノマリー複数確認されている。増田は、ユーザー登録をせずとも誰でも簡単匿名文章投稿できる点や、その内容が検索エンジンを介して幅広く閲覧されるという特徴を持つ。その結果、財団観測網をかいくぐって潜伏しやすい土壌が形成されており、過去数年間で複数のSCPオブジェクト確認されるに至った。

 本報告書では、増田上に跋扈するSCPについての調査概要確認された事例、ならびに暫定的収容手順を示す。なお、本報告書に示されるSCP事例は現在進行形調査が行われており、記載内容はあくま暫定的ものであることに留意されたい。

1. 背景と問題の経緯

 はてな匿名ダイアリー日本国内を中心としたWebサービスはてな」が提供するブログプラットフォームの一部で、アカウントを持たない投稿者であっても「増田」と呼ばれる匿名枠にテキスト投稿できる仕組みを提供している。そこでは個人的な悩みや告白社会への批判仕事日常愚痴まで、多種多様文章毎日大量に投稿されている。

 増田特有の気軽さや匿名性の高さは、投稿者の真意を推測しにくくする要因であり、その投稿を閲覧する読者側もまた「増田から真偽がわからない」といった曖昧認識のもと、批判や同情、考察などを寄せる。その混沌とした言説空間は、とき不特定多数ユーザー集合的感情を刺激し、新たな炎上や論争を生み出す源泉ともなる。

 こうした特質はSCP財団から見ると、アノマリー(異常存在)が自己活動や影響力を隠蔽したまま周囲に感染拡散するのに非常に都合がよい環境といえる。特に増田では、投稿時に明確なユーザーIDアカウント情報が残らず、内容の信憑性裏付け手段事実上ないため、「書かれていることが虚実入り混じっている」前提で閲覧されやすい。結果として、何らかのアノマリーが潜入していても発見が遅れがちである

 財団増田における最初の異常を検知したのは、20██年頃に投稿された「この世を正しく終わらせる方法と手順」と題された増田が発端だった。その増田の内容はいわゆる「終末論」を扱うものであり、極めて支離滅裂かつ狂信的な文体ではあったが、読了した閲覧者の中から数名が突発性の精神不調や共時性幻視を訴えはじめ、その症状が財団監視ネットワークに引っかかったのである。その後、財団調査チームが投稿の書式や文体を解析したところ、当該増田の背後に未確認ミーム汚染因子が潜んでいる可能性が高いと判断された。この事例をきっかけとして、財団増田投稿ログを精査し、複数アノマリーを検出していくこととなった。

2. 増田上で確認された主なSCPの概要

 以下、財団確認し、暫定的オブジェクト分類(Safe/Euclid/Keter 等)を行ったSCPを紹介する。なお、詳細な文書は別途SCPファイルとして管理されているが、本報告書では概要と特徴を簡潔に示す。

2.1 SCP-増田-A:無限コメント自己増殖現象

オブジェクトクラス:Euclid

概要増田特定記事上でコメント欄自動的に増殖し続け、システム上の最大コメント数を無視して延々と付与され続ける現象ユーザー投稿したはずのコメント複数回重複表示されたり、「名無しのオブザーバー」というハンドルネームシステム自動生成したとみられるコメントが絶え間なく追加されたりする。最終的に記事本体よりもコメント欄が何十倍も長くなり、閲覧者がページを読み込むだけでブラウザや端末に極端な負荷をかける。

異常性:コメント数が増え続けるだけでなく、中には本文を改変するようなスクリプトが混入しており、ページをリロードするたびに本文の一部が改変・増殖する事例が報告されている。閲覧者が長時間そのページを開いたまま放置すると、ブラウザ履歴クッキー情報勝手に書き換える痕跡確認されている。

暫定収容手順:財団エージェントはてな側のシステム管理者に接触し、問題増田管理者権限で凍結。また、既に拡散したミラーサイトアーカイブ順次削除し続けているが、完全な根絶には至っていない。現状、定期的にウェブクローラーを走らせ、類似現象の発生を監視排除する措置を取っている。

2.2 SCP-増田-B:読心ミーム感染記事

オブジェクトクラス:Keter

概要一見するとありふれた日常報告や匿名愚痴を綴った文章なのだが、記事本文を最後まで読了した閲覧者の脳内に「その人物が最も不安に感じている秘密」や「他人に言えない後ろ暗い過去」を強制的に想起させ、それを吐き出させる形でコメント欄投稿させる現象コメント欄体裁を取りつつ、実際には閲覧者自身投稿した認識のない状態で、勝手恥部さらすようなコメント掲載される場合もある。

異常性:このSCPの投稿複数確認されているが、書式やタイトルは毎回異なる。共通するのは「冗長かつ最後まで読まないと内容がよくわからない文体であることと、本文の終盤に読者の潜在意識を刺激する特殊文章構造が組み込まれている点だ。財団心理学部門の解析では、いわゆる「ミーム改変文字列」が散りばめられており、読み進める中で読者の深層心理干渉していると推測される。

被害対処:実際に被害に遭った閲覧者は投稿後しばらくしてから自身コメント内容に気づき、極度の羞恥恐慌状態を引き起こす。財団可能な限り対象投稿を速やかに削除し、被害者のコメント記録を抹消すると同時に、クラスA記憶処理を施して事態の収拾を図っている。問題は、このSCPが投稿される「増田」のアカウント特定が極めて困難な点であり、繰り返し新規IDから投稿が行われていると推定される。新たな投稿が発生次第、いかに早期に検知し削除・封鎖するかが大きな課題となっている。

2.3 SCP-増田-C:擬似人格形成スレッド

オブジェクトクラス:Euclid

概要:ある増田上で連続的に展開される「複数登場人物が互いに呼応しあう」形のスレッドが、実際には単一存在(SCP-増田-C本体)の手によって形成されているとされる現象日記本文とコメント欄があたかも多数の異なるユーザーによる対話のように見えるが、財団IP解析ではすべて同一の不明ホストから投稿されたトラフィックであることが確認されている。

異常性:単なる自作自演ではなく、スレッド内で展開される複数人格が、投稿のたびに微妙文体を変化させるだけでなく、実在第三者のようにリアルタイムで会話を重ねていく。そのやりとりは短時間で数百件以上に膨れ上がり、外部から見ると非常に説得力をもって「議論」が進行しているように映る。読者はそれぞれの人格が持つバックグラウンドストーリーに引き込まれスレッドを精読するうちに「どの意見が正しいか」を探り始めるが、最終的には一種混乱状態に陥り、どの人物が何を意図しているのか判別不能になる。

被害:このスレッドに長時間深く没入した閲覧者は、自分の中に複数人格が芽生えるような感覚を訴えたり、現実社会他者と会話する際に「この人は実在しているのか疑わしい」という妄想を抱くようになるケースが報告されている。財団職員複数名も監視過程で同様の症状を呈し、軽度の精神崩壊を起こした事例があるため、当該増田監視担当者には定期的な心理カウンセリング義務づけられている。

暫定対策:疑わしい長文対話形式増田を早期に検知し、アクセス制限をかける監視システムを導入しているが、アルゴリズムの網をかいくぐる巧妙な投稿が頻発している。加えて、外部のまとめサイト引用スクリーンショットが保存されることで事後封じ込めが難航している。

2.4 SCP-増田-D:時間遡行編集記事

オブジェクトクラス:Euclid

概要:一度投稿された増田が、投稿時刻自体過去に改変して再掲載される現象。通常、はてな匿名ダイアリーシステムでは投稿日時を随意に改変することは不可能とされているが、このSCPは投稿履歴操作して「数年前に投稿された」という形でエントリーを復活させる。

異常性:改変された記事実在する日付の増田ログに紛れ込む形となり、当時の利用者コメントブックマークまで再現されている場合がある。過去ログを遡っていくと、該当記事がもともと存在した痕跡こそないものの、「当時その記事を読んだ」という証言を行うユーザーが現れるなど、現実改変の兆候も疑われる。現状の技術では投稿者の特定に至っておらず、どのようなプロセス投稿日時を操作しているか不明である

注意点:時間改変系のSCPはカテゴリーとして非常に扱いが難しく、無闇な干渉時間線に予期せぬ影響を及ぼす恐れがある。財団タイムアノマリー対策部門連携しながら、記事のもの閲覧制限下に置き、ネットアーカイブウェブキャッシュ検索遮断するなどの措置を行っている。

3. 調査対策の現状

 これらSCPが増田上で確認された背景には、以下の要因が考えられる。

匿名性の高さによるアノマリー隠蔽

増田アカウント登録不要で誰でも書き込み可能であるため、投稿者を特定したり、過去投稿傾向から異常を推定したりする難易度が高い。その結果、アノマリーの一次検知が遅れる傾向が強い。

はてなプラットフォーム構造

はてな匿名ダイアリーは、投稿された増田が多くのユーザーに瞬時に閲覧・ブックマークされる仕組みを持つ。また、はてなブックマークを介してさらコメント引用拡散されるため、いったん話題が盛り上がると多方面コピー引用散逸やすい。

読者や閲覧者の「ネタ」への寛容さ

増田の読者は内容が真実か否かをあまり厳密に問わずエンターテインメントストレス発散目的アクセスしている者が少なくない。結果、多少異常な文章であっても「一風変わった怪文書」「ただの創作」として受け流されやすく、深刻な異常だと気づかれにくい。

 こうした要因によって、SCPを含む異常投稿は容易に潜伏し、拡散する。財団としては、はてな運営会社との連携を強化し、AIを用いた自然言語解析による異常兆候の検知システムを導入するなど、対策を進めている。しかし、はてな匿名ダイアリーは日々膨大な数の投稿が行われるため、どこまで網を広げられるかは未知数である。また、海外ホスティングによるミラーサイト転載が出現し始めると、現実的な削除要請範囲を超えてしまう。すでにTwitterや他のSNSでもまとめが回ることで、被影響者が増加する事態は避けられない。

4. 今後の展望留意

 はてな匿名ダイアリーにおけるSCP存在は、ネットコミュニティ構造変化に応じて今後も増加する可能性が高い。特に「自らがアノマリーである自覚していないままネット上で活動している存在」や、「人格を装いながら多人数の読者とインタラクションを行うことで自己増殖するミーム型SCP」は、増田のような自由投稿プラットフォームさらに悪質化・複雑化する恐れがある。

 財団が最も警戒すべきは、増田を起点としてリアル社会へ飛び火するタイプアノマリー拡散だ。たとえば、本報告書で例示したSCP-増田-Bのように読者個人深層心理に入り込み、現実での行動や社会的信用を毀損する現象が拡大すれば、大規模なパニック社会秩序の混乱を招きかねない。あるいは、SCP-増田-Dのように時間改変的な特性を持つアノマリーさらなる発展を遂げれば、歴史修正因果律破壊といったレベル被害もありうる。

 また、はてな匿名ダイアリー日本国内だけでなく海外からも閲覧・投稿可能であり、英訳翻訳を介して国際的に広まる余地がある。財団の各支部データ分析班が協調して監視を強化し、各国の法規制とも連携して削除要請を進める必要があるものの、現実には各国プライバシー法や表現の自由との兼ね合いで対応が難航することが予想される。

5. 結論

 はてな匿名ダイアリー増田)は、日常の雑感や炎上ネタから深刻な告白感情吐露まで、あらゆる情報が密集する場である。その匿名性ゆえに、SCPオブジェクトが潜伏しやすく、また多くのユーザーが「真偽のほどはわからないがとりあえず読む」態度で消費することからアノマリー拡散リスクは高いと言わざるを得ない。すでにSCP財団確認しただけでも、いくつものSCPが増田に棲みついていることが判明している。

 ただし、全投稿強制的に削除・監視するような強硬策をとれば、はてなプラットフォームの存続意義自体を揺るがすと同時に、財団存在が表面化するリスク高まる。一方で、アノマリー拡散放置すれば、ネット空間を通じてリアル社会にも致命的な影響を及ぼす恐れがある。財団はこのバランス狭間で慎重な対応を求められている。

 今後の具体的な方策としては、増田への新規投稿を常時チェックするAI分析モジュールさらなる精度向上や、異常記事をいち早く発見隔離するための専用クローラの整備が必須とされる。また、読者側への啓発活動――「増田を閲覧する際には、妙に長文で意味不明投稿には注意すること」「不可解な体験があれば速やかに共有し、アクセスを控えること」など――の実施有効であるしかし、匿名特性ゆえに抜本的解決策は見通せていない。

 財団としては、はてな運営との連携強化を引き続き図り、相互対策技術アップデートし合う形でアノマリーの早期封じ込めを目指す。SCP財団確認した増田におけるSCP事例は氷山の一角に過ぎず、さらなる Permalink | 記事への反応(2) | 15:12

僧正殺人事件読了

物語の語り手が作中で一切行動をしない(3人で食事をするシーンで探偵検事の2人しか会話しないなど、語り手が存在することはこっそり仄めかされている)のだが

それが物語上・トリック上に於いて全く意味を持つことなく終わってしまった

2025-01-15

「育ちがいい人」だけが知っていること、読了

結論、私には向かない本でした

しろこれできてない人いるの?

良家では必ず教えられるとあるけど、一般家庭育ちでも教えられなくてもできて当たり前のことでは?と思う事ばかりで、これは勉強になる!と思える事が無く、、、

読んでいる時間無駄にしてしまったなという感想

あとは

マナーなので男性は上手に座り女性は下手に座ります、じゃないと変に思われます

みたいな事が平気で書いてあるあたりが癪に触った

どう思うかは人それぞれ

他人を嫌な気持ちにさせない事がマナーと思っているので、こういう昔ながらの凝り固まった感じ、とても苦手でした

時代は令和だ

2025-01-06

anond:20250105141041

そういうことか、回答ありがとう

10代の頃に惚れた作家は、刻印のように心に残り続けるから気持ちは分かる気がする

愛だけをモチベにつまんねー作品読了した経験無駄にはならないはず

年取ってから読み返したら案外面白かったりして、嫌々読み切った過去自分対話できる楽しみがあるかもしれない

後年読んでもつまんなかったときも「あれは本当につまんなかった」と他人との話の種になったり、ひょんなことで人生の肥やしになる、かも

2024-12-31

はてな匿名ダイアリー投稿の思い出 5/5


№41 おススメの焼酎梅干しが知りたい

anond:20230227214633

2023年2月投稿

昔の自分投影しました。

二十代の頃から焼酎ソーダ割が好きです。そこに梅干しシュートして、潰して飲むのが至高です。

しかし……若い頃はどの梅干しがいいのか全然からず、コンビニスーパーで買った既製品梅干しを使っていました。

そんな梅干しがおいしいはずがなく、せっかくソーダ割を作っても、数時間後には梅干し化学成分が溶け出して凄まじいマズさに変化します。

もういい年齢になるので、梅干しはどの会社のどの銘柄がいいとかわかるのですが、若い人にとっては厳しいのでは……と感じて日記を書きました。

ダイレクトマーケティングになりますが、梅干しは……Amazonだと、うめ海鮮紀州南高梅がいいです。できれば5月6月に買いましょう。昔ながらの通信販売会社だと『熊平の梅』になります製品ブランドだと『しらら』といったところでしょうか。



№42 私生活での行為理由とした不採用について

anond:20230313205548

2023年3月投稿

すまぬ、創作なのじゃ……80%純粋創作です。

就活中に、居酒屋やらかした子がいたのは本当です。

卯月氏がブコメ個人情報の一部を公開されたのには驚きました。

仕事において、人格能力のどちらが大事なのか? が気になりました。皆さまのご意見をうかがいたいと思いました。今では、どちらも欠かしてはならぬ両輪であり、比較自体が間違っているというものです。

日系企業場合は、人格や人柄がいいと、能力不足でも生き残りやすいのは確かです。職場に居るだけで周囲にいい影響を与える、というのが理由です。

モデル人物解説などを期待していた方、誠に申し訳ございません。

最後天丼

質問などがあれば答えます



№43 本当のコスパって何?

anond:20230314211256

2023年3月投稿

自分のことを取り上げました。

この日、インフル気味の風邪で寝込んでいました。

さりとて栄養を摂る必要があったため、朝一番スーパーに行きました。体はだるく、何を買おうか相当迷ったのですが、お刺身うどんを買いました。

それが……いつも食べている夜の割引ものと比べると、比較にならないレベルでした。凄まじい旨さです。

この時の感動を日記にしたいと思って筆を取りました。

熱はありましたが、布団の中でスマホポチポチとやって投稿しました。



№44 コンビニをやってるんだが助けてほしい

anond:20230314222946

2023年3月投稿

こちらはけっこう重たいです。

私が未成年の頃にあった出来事です。京都市の北の方にある実家に住んでいたのですが、近くのコンビニに寄っては立ち読みをしていました。

しかし、ある日の夜……私の隣の立ち読み客に、警察官が声を掛けたのです! 最初は「私かな?」と思って大変驚きました。

そのうち、そのお客さんですが……店内で職務質問をされて、パトカーに連れて行かれて、また店内に戻って、最後店長らしき人から出入り禁止を告げられていました。

その時、下世話にも私は、最後まで状況が知りたくて聞き耳を立てていたのです。

日記の内容は、概ねそんなところです。

未成年ながらに、世の中にはいろんな人がいるものだと感じました(小並感)



№45 在りし日のネットメンターに寄せて

anond:20230315190445

2023年3月投稿

過去自分を振り返って書きました。

ガラケーがあったと思います通信速度は今より遅めで、世代に言うと2Gでしょうか。

まだ大学生~若手社会人だった当時、いろんなブロガー日記を読み漁っていました。この投稿時は、それらの思い出をどうにかして絞り出し、好きだった書き手を紹介しようと思いました。

ブロガー問題ひとつに、引退というものがあります

若かりし日の自分が好きだったブロガーでも、年月を経るごとに作風が変わっていき、段々と様子がおかしくなり、仕舞いには引退してしまます

または、自分自身が年を経るごとに成長しすぎた問題も出てきます

子どもの頃に見ていたアニメ漫画を今読むと違う感動があるといった具合で、自分社会に出て成長したことで、好きだったブログ価値観卒業(超越)している、ということがあります

当時よく読んでいたブログの作者様一人ひとりに対し、感謝(ブログの供養)の念を込めて日記を書きました。


№46 自称出世コースの同期社員退職した

anond:20230319114030

2023年3月投稿

いきなり余談ですが、私の投稿日時が偏っているのは理由があります

例えば偶数月に日記を作り、奇数月に投稿するルール採用している年だと、このように特定の月に投稿が偏ることになります

さて、こちらの日記ですが、私はこれまで数多くの官公庁を廻ってきました。

国家地方も、役場文化はある程度わかります。この日記は、そのうちの出向制度について思ったことを書きました。

私が役場退職する前年のことです。ある1人の同期職員退職しました。総務省に長年出向していた職員です。

普通、国機関への出向というのは1~2年ですが、彼は4年目を迎えようとしていました。

地方自治体→国への出向というのは形式上は立派かもしれませんが、実態は違います

機関の中でも、総務省厚生労働省文部科学省その他の忙しい省庁の場合地方自治体の出向者のことを、無料で使える臨時職員として見ています霞が関では、長時間労働ストレスのある日々を送ることになります

詳しくは日記をお読みくださいとしか言えないのですが、地方自治体の方も、自分達がそのように利用されていることを知ってか知らずか――あえて不要職員を送り出して、長期働かせるようなことをしています派遣職員について、能力普通以上で、性格や人柄に難がある人が多いです。

別に辞めてくれてもいいよ、東京なら職がいっぱいあるでしょう」みたいな感じです。

本当に大事職員は、1年間しか霞が関に送りません。長くても2年が限度です。または、2年間に分けて4人(半年×4)といったペースで送り出します。

不毛だな」と、当時30過ぎだった頃の私は悲哀を感じました。日記で取り上げられている彼は、本当に不憫でした。



№47 没落した京大生の話を聞いてほしい

anond:20230321131216

2023年3月投稿

学生時代は、多くのアルバイトをこなしていました。最終的には2つまで絞ったのですが、そのうちのひとつマクドナルドです。

繁華街マクドだったので、多様な学生が働いてました。日記に出てくる彼は、私のアルバイト仲間です。年齢は一緒で、学年は彼が一つ下でした。

京都大学法学部に籍を置いていたのですが……いわゆる発達障害というものでした。2000年代前半にその概念流行っていません。早くても数年後です。

エピソードには事欠かないのですが……彼の名誉のためにやめておきます

彼は、人間関係では苦労することが多かったのですが、一生懸命に働いていました。私も彼を応援していた1人です。

京都銀行内定をもらったと聞いた時は、彼に居酒屋で御馳走してあげました。数年後に先斗町でばったり会って、「やめたんだ……」と聞いた時も、やはりレストランで御馳走してあげました。

彼の話を聞いているうち、私の方まで悲しくなってきました。彼の幸せを今でも願っています。願うことしかできないのですが。またどこかで会ったら、食事か飲みに行きたいです。

あの頃は、本当に懐かしい思い出です。彼は頑張り屋です。きっといい就職先が見つかっていると信じています



№48 この世界には『養分』が必要だよな ※ラストです

anond:20230327221030

2023年3月投稿

監獄誕生』という書籍を読むことがありました。ミシェル・フーコーのいわゆる名著です。

読了後に、それらの概念テーマにした日記を書いてみようと思い立ちました。

内容的には、世の中の残酷な仕組みを取り上げつつ、『監獄誕生』に出てくる場面で結論にもっていくという流れです。

実際、世の中のルールに従うか逆らうかは、当人に委ねられています

学校教育では、社会についての基礎基本を教わりはします。しかし、それらを受け入れるかどうかは、あくま自分で決めないといけません。

私が思うに、成熟した社会というのは、法律に反することまで含めて織り込んでいるのではないかと感じます

法律常識に反するのは、よくないことかもしれません。しかし、無秩序もまた秩序のひとつなのでは? と、日記を書いている最中に感じたのです。

ルールに反する行為というのも、人間の生き生きとした力の肯定ひとつにほかなりません。そんな考えを抱いている時点で、私が公務員に向いていなかったのは間違いありません笑



最後に)

これで終わりです。

ここまでお読みいただいたあなたには、心の中で感謝スターを上程いたします。

またお会いすることがありましたら、その時は何卒よろしくお願いします。

来年幸運を願って、2020(午後8時)に投稿します。余りの20分はスルーしてください…

1/4追記感謝スターカラーは、カオスにちなんで"ブラック"にします笑

1/4追記② 一足飛びにでも、ここまで読んでいただいたあなたが大好きです😁

2024-12-02

ふとコーヒーフレッシュを見て謎の増田須麿覗名手身をゅ失れふーひー古都府(回文

マーティフリードマンさんがBoAさんの「メリクリ」をカバーして歌っている曲が街に流れ出したらいよいよクリスマスね。

街は薄情にももう秋なんか忘れてクリスマスの装いよ。

おはようございます

この秋に読みたい!な小説ナンバーワン

コーヒーフレッシュの謎の白いのは何かしらシリーズ長編小説を読み終わって

その読了感に浸っているの。

私は夕刻に事務所で独りいて差し入れでいただいたホットコーヒー

いつもは格好をつけてブラックを大盛りでって頼むんだけど、

差し入れのホッツコーヒーはもちろん私のそんな好みを知らないまま使われないシュガーフレッシュがちょうど私に向けたように置いてあったの。

まさに置いてあったコーヒーフレッシュの白いのの謎だわ。

あれって誰も謎なことを気にしないんだけど。

たぶん牛乳の成分はあんまりなさそうな、

イキフンで雰囲気ブラックを色を変える茶色にするだけの効果しか無いと思うのよね。

焼け石に水とまではいかないものの、

ブラックコーヒーフレッシュっていうのがちょうどいい色が変わるぐらいがちょうどいいのよ。

たぶん、

だれも味なんてフレッシュのこと味わってないと思うわ。

いや!今日コーヒーフレッシュとびきりフレッシュだね!なんて搾りたて生ロイヤルコーヒーフレッシュなんてないもの

それなのにだれもあんまりそのコーヒーフレッシュのことには気が付かないみたい。

きっとだいたい人間って2種類の人間しかいないのよ。

コーヒーフレッシュの白いのを気にしている人か気にしていない人かの2種類。

常識的に考えて、

ならあの白いのは効果は色を黒から茶色に変える効果以外に何があるかとしたら、

味変?

いやあの程度のフレッシュでは味は変わらないわ。

それだったら、

ソイラテにするもんね。

うーん、

謎が深まるばかりだわ。

秋に読み始めて秋が深まったと思ったら冬の始まりなっちゃったぐらい。

それ以外使い道のないコーヒーフレッシュは、

例えばまあ甘いお砂糖は何かに使えそうだけど

フレッシュはなにかの料理材料には到底使うってこと私は聞いたことないわ。

謎ね。

コーヒーフレッシュコーヒー以外に使い道がないうえ、

原料も牛乳の成分があまり感じられないうえに、

また謎が深まるわ。

結局誰得コーヒーフレッシュ?って思ってしまう。

かに

ダイレクトコーヒーの味の黒いのを多少のまろやかさにすることは可能かも知れない。

ただそれだけの効果

あれを好んで使う人はいるのかしら?

コーヒーフレッシュマニアというか。

日頃使わないので私はその白いのを目にすることがないけれど、

たまにそうやって目にしてしまうと

謎の白いのって思ってしまうわ。

みんな大好きカップラーメン謎肉とは随分扱いが違うのよね。

まりにも

さりげなくコーヒーと一緒に添えられているか

灯台もと暗しさながら、

コーヒーマグカップもと暗しといったところかしら。

しかしたらだれもその白いのに気が付いていないかも知れない。

だって

やっぱり「今日コーヒーフレッシュいいね!」って

言う人は聞いたことないもの

逆に言うと

こだわり抜いたこだわりの真のコーヒーフレッシュってのがあったら、

その本気度を誰かが気付いてくれるかも知れない。

多分この瞬間今一番このフレッシュのことを考えているのは世の中で私だけかも知れないという感じ。

結局その白い謎は解けないままその長編小説は読み終わったけれど、

私はその持て余した

白いコーヒーフレッシュを残りのホットコーヒーに入れてみてくるくると掻き混ぜて、

カップの中で溶けていくの。

私はハッと思ったわ!

小説の中ではその白いのの謎は解けなかったけど

コーヒーに入れたこフレッシュは美事にコーヒーに溶けたわ!って

そういうことなのね!

いやそういうことなのね!って自分で言っても

なんだかよく意味が分からないまま、

そういうことか!ってことにしておくことにしたわ。

たぶんミルクラテはあるけれど、

フレッシュラテってのはないじゃない。

あれをフレッシュ人智限界を超えた量をコーヒーに入れるチャレンジだって挑戦した人類はまだいないかも知れない。

やっぱり謎だわ。

その謎がくるくるコーヒーの中で回って

やがて白い気配もまったくなくなって

茶色になってしまったコーヒーはもうすっかり冷めてしまったわ。

うふふ。


今日朝ご飯

豆乳ポタージュスープミックスしていただくゴクゴクと飲んできたわ。

さすがにこれだとお腹がお昼にランチ頃になるとめちゃ空くのよね。

朝は最近家で早起きしたときはこのパターンが多いわね。

それからちょうどいいぐらいの温度で沸いている

電気ポットの70℃のお湯。

今日デトックスウォーター

大根ピーラーでしゅっとスライスしたものプラスして昆布投入の

あ!昆布乾物昆布を少し切ってそれで大丈夫よ。

大根昆布ホッツ白湯ウォーラーね。

大根昆布が織りなすホッツの香りがとてもいい感じよ。

乾物昆布があったらやってみたい

ホッツデトックスウォーラーね。


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2024-11-25

村上春樹作品を全て読んだ感想

(たぶん)既刊の書籍は全て読了した。

期間は10年弱。本を読まない日もあれば春樹以外を読んでたり、ちょっと時間が空いて最初から読み直したりかなり時間が掛かった。

そもそも春樹作品を全て読もうと思ったのは学生時代に受講した講義で「純文学村上春樹は避けて通れない」とかなんとか言ってたから。俺、工学部やぞ。

でも読書は好きだったしなんか春樹全部読んだって言ったら通ぶれそうだから読んどくかwってノリで始めた。もう俺も30を超えてしまっているよ先生



感想

・こいつの小説あんまおもろくない

以上。



そもそもミステリSFが好きな俺にはそもそもさらなかったらしい。すまん春樹。

でも初期3部作ねじまき鳥と騎士団長殺し面白かったよ。

次は村上繋がりで龍を全部読んでみようと思う。

ちなみに1番好きな作家米澤穂信

2024-11-19

筒井康隆朝のガスパール』を読んだ

先日の土日にて読了

やれやれ、この作品は実にメタ的な作品である

いや、メタ的というより、メタのもの作品主題といったほうが正確だろうか。

読者を小説の中に引き込み文字通り「参加させる」という構造を持つ『朝のガスパール』は、筒井康隆80年代に書き上げた、いわば小説のもの定義に挑んだ挑発的な一冊であった。

あらすじ、といってもこの作品に「あらすじ」を語るのは難しい。

冒頭から読者は「読者」として物語に巻き込まれる。

物語というよりも、筒井康隆が直接話しかけてくるような感覚だ。

そして、そこには作者と読者の境界曖昧になる仕掛けが満載されている。

章ごとに視点が切り替わり、どこからどこまでが現実でどこからどこまでが虚構なのかが次第に崩れていく。

その結果、「これは読者が読む小説ではなく、読者が小説構成する存在である」という、今で言うメタフィクションの極北にたどり着く。

感想としてまず思うのは、当時としては斬新だっただろうな、ということだ。

しか現代の目で見ると、どうだろう。

こういった作品現代で言えば、さほど珍しいものでもないだろう。

要は安価に応えるSSだ。

そう言った意味でいえば『朝のガスパール』はインタラクティブ物語の先駆けとも言えるが、逆に言えば現代ネット文化における安価スレのようなものと大差ないとも言える。

それでも、この作品をただ「古い」と切り捨てられないのは、やはりその「メタ性」の鋭さにある。

筒井康隆文章は、単に「読者参加型」を装うだけではなく、小説のもの存在意義を問う仕掛けになっている。

そして、これが面白いのは、その仕掛けが自分が今何を読んでいるのか」にまで疑問を投げかけてくる点だ。

たとえば、読んでいる途中で「あれ、これ本当に小説なのか?」と思わされる瞬間がある。

それは小説登場人物が読者に話しかけたり、読者が物語の一部であるかのように描かれたりする場面だ。

その瞬間、読者である私は「あ、この作品は私の読み方自体をも含めてデザインされているんだ」と気づく。さらに、この文章を書いている私もまた、『朝のガスパール』の読者としてこの文章を書いているのであり、ひいてはこれを読んでいるあなたも、私が書いた文章の読者としてこのメタ構造の一部を担っているわけだ。ややこしいけど、わかる?

まり筒井康隆が描いたメタ構造は単に『朝のガスパール』の中に閉じていない。

それはこのエッセイにも、そしてこれを読んでいるあなたにも拡張されているのだ。

このことを表現するのに、わざわざ「メタの中のメタ言及するメタ」などと直接書くのは野暮というものだろう。

ここではあくまでそのメタ的な構造を借りつつ、読者がその構造意識する形で展開していきたい。

最後に、ひとつだけ言わせてほしい。『朝のガスパール』を読み終えたとき、私は奇妙な満足感を覚えた。

それは「小説を読んだ」という感覚ではなく、「小説という空間で作者と会話をした」という感覚だった。

今こうして私が書いた増田を読んでいるあなたもまた、この瞬間、私と会話をしている。いや、あなたがこれを読んでいる時点で、もう私はここにはいないのかもしれないけれど、少なくともこの文章を通して私たちはどこかでつながっている。

そう書いた瞬間、私はふと、この「つながっている」という感覚について考え始めた。いや、正確に言えば、私がここで「つながっている」と書いたとき、その言葉を読むあなたの頭の中で何かが動き始めているのだと考えるべきかもしれない。例えば、今この瞬間、あなた脳内には「この文章を書いた人は何を言いたいんだろう?」という疑問が浮かび、あるいは「まあ、そういう小難しいことを言いたいだけだよね」と呆れた気持ちが湧いたかもしれない。

でも、それもまた一つの接触点だ。私が書いた言葉が、あなた意識に波紋を投げかける。それがポジティブものであれネガティブものであれ、私たちは今この瞬間、物理的には別々の場所にいるにもかかわらず、思考交差点に立っている。これを不思議と思わずして何を不思議と思うだろうか?

ここで気づいてほしいのは、この文章のものが橋のようなものだということだ。私が言葉を選び、それを並べ、送り出す。それを受け取るのは、何千キロ離れたどこかの机の上に座る、見知らぬ誰か。あなた。私がどんな顔でこの言葉を綴っているかあなたは知らない。あなたがどんな顔でこの言葉を読んでいるかを私も知らない。でも、それなのにこの文章あなたの目に届き、私はこうしてあなたに話しかけることができる。

そしてここで、私はある種の実験を試みたいと思う。この文章が、ただの文章のままで終わらずに、私という存在あなたという存在が、少しだけ近づくきっかけになったらどうだろう。例えば、あなたがこの文章を読んでいるときに、なんとなく「書いているこの人、なんだかしつこいな」とか「もう少し簡潔に言えないのか」と思ったならば、それはすでに私があなたの中に存在しているという証拠だ。言葉を通じて、私の思考あなたの中に入り込んでいるのだから

もちろん、私はあなたの顔を知らないし、声を聞いたこともない。あなたコーヒーを飲みながらこれを読んでいるのか、満員電車スマートフォンを覗き込んでいるのか、それとも仕事の合間にひっそりと目を通しているのかもわからない。でも、どんな状況であれ、あなたがこの文章を読んでいる今、私たち出会っている。あなたの目がこの文章を追い、あなたの脳がその意味解釈する。それは、私の言葉あなたに届くことで初めて成立する行為だ。

ただ、それを言葉で「つながっている」と表現すると、どうしても味気ない感じがしてしまう。だからこそ、この文章を書いている私が、あなたの中に何かしらのイメージを植えつけたい。例えば、私が今、画面越しに手を伸ばし、あなたの目の前に現れているとしたらどうだろう。いやいや、そんなのはただの妄想だと思うかもしれない。でも、その妄想の中で、私とあなたが初めて握手を交わしたとしたら、それはただの文章を超えた「出会い」だと言えるのではないだろうか。

──だからこそ、ここで握手をしよう。

これを読んでいる「増田」という名のあなたに。

読者として、いや、このメタの一部として。

ありがとう。そして、また。

どうか健やかに

2024-11-12

11/11ごはん読書日記

11/11

夕食前 84.1キロ 夕食+腐りそうなので残りサニーレタスプチトマト一パック+ベビーチーズ1本 実就寝時間:01:00

11/12

実起床時間:07:00 朝食前 84キロ 朝食は納豆油揚げごはん味噌汁胡麻和え、しゃけ

午前中は尿のみ。うんこはなし。

昼食 水漬けパスタに半額お惣菜エビ素揚げホタテと半額だったスイートバジルを追加してオイルで和える

(水漬け10時間+3分茹でだと柔らかすぎだったので今後はもう少し短めに茹でること)

15:30 寝不足で頭がぼんやりしていて重力方向が変。今日は21時までに寝ること。→仕事の残りがあるので変更。

夕食は芋とキノコ玉ねぎと鶏の焼いたやつ と もやしラディッシュ酢漬け

うんこはまだ出ていない

読書

測度・確率ルベーグ積分:40~59Pを行き来。具体的な証明とかは全然からないのでどっかで手書き必要そう。「そもそも積分する対象といったものを有限加法性を持つかどうかなどで正しく構成しないと色んな不整合が生じるので自分がどんな対象に対して積分したいのかをよく認識してね」といったメッセージは読み取れたが、有限加法性やσ加法族、完備化やルベーグ可測、ルベーグ可測でないといったことがまだ頭の中で宙ぶらりんな状態で正しく事例と結びつかないのでその辺が要確認

1972年ブリタニカ ア-カチ:4P

気になった言葉:相落手形、アイオロス(風の操縦者)、アイオワティーアイオワ州の州都ではない。州都デモイン)、愛語摂→四摂事

視聴動画

https://www.youtube.com/watch?v=DaDxCx2-hDc

https://www.youtube.com/watch?v=jfk42-0meJQ

24:12残業完了。就寝。

11/13

実起床:7:35、84.3キロ(朝食前)。うんこなし。朝食はにんじんソーセージブレッドプディング

11時8分 うんこが出る。少し柔らかそうだったが割合健康的な長うんこうんこ体重は84.4

昼食:12:15 オムライスキャベツニンジンサラダ

夕食:20:00 チーズ、魚介のアヒージョ

ルベーグ積分については5章までざざざっと読み飛ばし

基本的にはリーマン積分のこれまでの過程ルベーグ積分でやり直してみようの回

最後条件付き確率については加法族での確率空間再構成という新しい概念が出ていて新鮮だった

11/14

実起床:6:30、84.2(朝食前)。朝食はごはん納豆味噌汁

9:55分 うんこ。まあ普通うんこ

海底二万マイルを少し読み進める。海底の森→潜水艇日常風景座礁→パプアの島という感じで冒険ステージが切り替わった感じ

海底二万マイルという言葉自体はまだ全く出ていない。下巻になってから? 不明

12:30 ニンジン1/2本、蒸しじゃがいものちっちゃいの五個、半額総菜のサバのしょうゆ?煮みたいなやつ

14:30 2回目うんこ ちょっと尻に痛みあり。切れ痔?

18:00 本日残業なし

19:00 夕食 キャベツと肉のスープ 白身魚ハンバーグ

COMIC DAYSgoogle play課金機能が動かなくなる。原因不明

23:00 コンビニ出かける。

海底二万マイルをパプアで人食い人種が出てくるところまで読了

0:30就寝

11/15

7:00実起床 朝食:ピーナッツバタートーストソーセージレタス

12:00 そば

18:30 のりまき

腰痛で死んでいたので0時半に書き込み

読書キングキラークロニクル 風の名前 宿屋の主人との会話まで完了

腰の痛みで何度も起きてしまった。ポケモンスリープ1日目は1時間しか寝ていないことに。

11/16

7:00実起床 朝食は納豆ごはん味噌汁

10:30に耳鼻咽喉科へ聴力健診。風邪で混んでいたので11:40まで待つ。ルベーグ積分を読み終えてしまったが、内容として読み終えただけで関数などの証明には至っていないのでまだまだ読めそう。内容としては中心極限定理大数の法則についてを数学的に積分論の言葉を使って書き表す、というもの。一点気になったのは作者は大数の法則について「経験的な法則というだけでなく<しっかりと数学的な証明を持った考え方~」という話をしていたが、どちらかというと経験の方が大事なのではないかと思った。

また食と文化の本についてアジア編とインド編が読了し、アジアは米と魚、インドは(麦と米と)豆とミルク遊牧文化圏以西は麦とミルク、みたいなまとめまで読んだ。納得できる。

12:30に中華弁当。中身はごはん、味玉、メンチカツじゃがいもえびのあんかけ炒めみたいなもの最後料理は食べたことがある気がするが名前は思い出せない。炒土豆絲?

うんこは午前から夕方までなし。

17:40出発してジムへ向かう。

19:00までジム

20:00 中華料理

海底二万マイルの上巻を読了

ルワンダ銀行総裁日記読了。改めてこれを読んでからルワンダ内戦について確認すると、服部も当時の政権側なのでその色眼鏡が入っているが、RPF側が勝利したので残念な結果だったのかもしれない。特に服部は当時の政権で仲のいい人たちがたくさんいただろうからやはりそれには心を痛めていたのかなという感じ。一方で調べてみるとRPF側が開戦した(ハビャリマナが殺された事件犯人)というのも正しくはなさそう。

実際その後の難民挙動はどうだっただろうというのは気になる。

11/17

7:00 チョコパンケーキ

12:00 ラーメン

15:00 うんこ

17:00 うんこ

19:00 豚タン塩漬け

食文化について、麦の進化経路がかなり複雑であることを色々な角度から列挙。

2024-10-25

ジョーカー2をジョーカーじゃないものとして見てほしい

ジョーカー作品だと思ってみるとキレると思うんだけど

文学作品だと思って見るとちゃん現代ホラーに仕上がってると思うんだよね

こういうのってサブカル界隈ではよくあるかもしれないけど

ここまで金かけて演出や演技のクオリティ上げた状態で、知名度抜群のキャラまでつかってやったのってほぼないから貴重だと思うんだよね

 

ジョーカー1では何者にもなれなかった無敵の人が壊れた挙げ句革命者として祭り上げられる話で

ジョーカー2では祭り上げられて何者かになれるかと思って浮かれた人が結局何者でもなかった話

 

ひたすら何か起こりそうで何も起きず、出来たことは犯罪だけで、その犯罪衝動的なもの

こういうの中年には刺さると思うわ

もし「あなたはこれからヴィランになってください」と言われたら結末はこんな感じだろうな、みたいな話

 

あれだ、チェンソーマンの第二部のデンジ気持ち悪さあるじゃん、アレを煮詰めた感じ

やっぱ現代ってこういうの描きたくなっちゃうんだろうな、絶対批判出るけどね

 

チェンソーマン2部もジョーカー2も、一旦評価上げてからやってるのがたち悪くて面白いよね、俺等たぶん釣られたんだよ

エンタメでつられてホイホイ続きみたら「ほーら現実だよ」って鏡を持ってくる感じだよ

エンタメ見に来てるんだからブチ切れだよね、ああそういうことがしたかったんかいって

題名:おまえ」みたいな捻った作品見せつけてニヤニヤしてる作者を睨むよね

そういう作品

あの読了感のドス黒さは久々に覚えたよ

ルサンチマンを抱いて映画を見に来た人を最も怒らせる方法を取っている

2024-10-11

王様ランキング批判した人が逮捕される

 人気漫画王様ランキング」作者の十日草輔さんの評価を傷つける投稿ツイッター(現X)でしたとして、千葉県警習志野署は11日、名誉毀損の疑いで、香川県善通寺市自称無職女性(30)を書類送検した。署によると、女性は容疑を認め、「作品の内容が、自分の好きな別の漫画に似ていると思い、怒りを発散しようとした」と話している。

 書類送検容疑は2022年7月2日夜、「王様ランキング」について「読了後に不快な気分になるのはなんでだろう。作者が小児性愛者、ネトウヨから」などの内容を投稿した疑い。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6a872f6bc90e4ba27050cd743064d3ad5bb8f805

えっっっっっっっっっっっっっっっっ!?

こんなので逮捕されるの!?

刑事事件になるの??????

いやそりゃ良くない発言だし作者が見たら傷つくと思うけど

警察行くほどの話なのか!???警察動くほどの話なのか!?!?

悪いけど怖いからこの漫画読まねーわ

批判目的ではないが、「この作者ロリコンだなー」「この作者人妻好きだなー」とか思っちゃうし書いちゃうとあるもん

右翼的左翼的だと思っちゃうし書いちゃうもん

そのレベルを許容できない人の作品とかこわいよ

作者は乱世の王かなんかかよ

2024-10-01

三四郎は流れから目を放して、上を見た。こういう空の模様を見たのははじめてではない。けれども空が濁ったという言葉を聞いたのはこの時がはじめてである。気がついて見ると、濁ったと形容するよりほかに形容のしかたのない色であった。三四郎が何か答えようとするまえに、女はまた言った。 「重いこと。大理石のように見えます」  美禰子は二重瞼を細くして高い所をながめていた。それから、その細くなったままの目を静かに三四郎の方に向けた。そうして、 「大理石のように見えるでしょう」と聞いた。三四郎は、 「ええ、大理石のように見えます」と答えるよりほかはなかった。女はそれで黙った。しばらくしてから、今度は三四郎が言った。 「こういう空の下にいると、心が重くなるが気は軽くなる」 「どういうわけですか」と美禰子が問い返した。  三四郎には、どういうわけもなかった。返事はせずに、またこう言った。 「安心して夢を見ているような空模様だ」 「動くようで、なかなか動きませんね」と美禰子はまた遠くの雲をながめだした。  菊人形で客を呼ぶ声が、おりおり二人のすわっている所まで聞こえる。 「ずいぶん大きな声ね」 「朝から晩までああいう声を出しているんでしょうか。えらいもんだな」と言ったが、三四郎は急に置き去りにした三人のことを思い出した。何か言おうとしているうちに、美禰子は答えた。 「商売ですもの、ちょうど大観音乞食と同じ事なんですよ」 「場所が悪くはないですか」  三四郎は珍しく冗談を言って、そうして一人でおもしろそうに笑った。乞食について下した広田言葉をよほどおかしく受けたかである。 「広田先生は、よく、ああいう事をおっしゃるかたなんですよ」ときわめて軽くひとりごとのように言ったあとで、急に調子をかえて、 「こういう所に、こうしてすわっていたら、大丈夫及第よ」と比較的活発につけ加えた。そうして、今度は自分のほうでおもしろそうに笑った。 「なるほど野々宮さんの言ったとおり、いつまで待っていてもだれも通りそうもありませんね」 「ちょうどいいじゃありませんか」と早口に言ったが、あとで「おもらいをしない乞食なんだから」と結んだ。これは前句の解釈のためにつけたように聞こえた。  ところへ知らん人が突然あらわれた。唐辛子の干してある家の陰から出て、いつのまにか川を向こうへ渡ったものみえる。二人のすわっている方へだんだん近づいて来る。洋服を着て髯をはやして、年輩からいうと広田先生くらいな男である。この男が二人の前へ来た時、顔をぐるりと向け直して、正面から三四郎と美禰子をにらめつけた。その目のうちには明らかに憎悪の色がある。三四郎はじっとすわっていにくいほどな束縛を感じた。男はやがて行き過ぎた。その後影を見送りながら、三四郎は、 「広田先生や野々宮さんはさぞあとでぼくらを捜したでしょう」とはじめて気がついたように言った。美禰子はむしろ冷やかである。 「なに大丈夫よ。大きな迷子ですもの」 「迷子から捜したでしょう」と三四郎はやはり前説を主張した。すると美禰子は、なお冷やかな調子で、 「責任をのがれたがる人だから、ちょうどいいでしょう」 「だれが? 広田先生がですか」  美禰子は答えなかった。 「野々宮さんがですか」  美禰子はやっぱり答えなかった。 「もう気分はよくなりましたか。よくなったら、そろそろ帰りましょうか」  美禰子は三四郎を見た。三四郎は上げかけた腰をまた草の上におろした。その時三四郎はこの女にはとてもかなわないような気がどこかでした。同時に自分の腹を見抜かれたという自覚に伴なう一種屈辱をかすかに感じた。 「迷子」  女は三四郎を見たままでこの一言を繰り返した。三四郎は答えなかった。 「迷子英訳を知っていらしって」  三四郎は知るとも、知らぬとも言いえぬほどに、この問を予期していなかった。 「教えてあげましょうか」 「ええ」 「迷える子――わかって?」  三四郎はこういう場合になると挨拶に困る男である咄嗟の機が過ぎて、頭が冷やかに働きだした時、過去を顧みて、ああ言えばよかった、こうすればよかったと後悔する。といって、この後悔を予期して、むりに応急の返事を、さもしぜんらしく得意に吐き散らすほどに軽薄ではなかった。だからただ黙っている。そうして黙っていることがいかにも半間である自覚している。  迷える子という言葉はわかったようでもある。またわからないようでもある。わかるわからないはこの言葉意味よりも、むしろこの言葉を使った女の意味である三四郎はいたずらに女の顔をながめて黙っていた。すると女は急にまじめになった。 「私そんなに生意気に見えますか」  その調子には弁解の心持ちがある。三四郎は意外の感に打たれた。今までは霧の中にいた。霧が晴れればいいと思っていた。この言葉で霧が晴れた。明瞭な女が出て来た。晴れたのが恨めしい気がする。  三四郎は美禰子の態度をもとのような、――二人の頭の上に広がっている、澄むとも濁るとも片づかない空のような、――意味のあるものにしたかった。けれども、それは女のきげんを取るための挨拶ぐらいで戻せるものではないと思った。女は卒然として、 「じゃ、もう帰りましょう」と言った。厭味のある言い方ではなかった。ただ三四郎にとって自分は興味のないものあきらめるように静かな口調であった。  空はまた変ってきた。風が遠くから吹いてくる。広い畑の上には日が限って、見ていると、寒いほど寂しい。草からあがる地息でからだは冷えていた。気がつけば、こんな所に、よく今までべっとりすわっていられたものだと思う。自分一人なら、とうにどこかへ行ってしまったに違いない。美禰子も――美禰子はこんな所へすわる女かもしれない。 「少し寒くなったようですから、とにかく立ちましょう。冷えると毒だ。しかし気分はもうすっかり直りましたか」 「ええ、すっかり直りました」と明らかに答えたが、にわかに立ち上がった。立ち上がる時、小さな声で、ひとりごとのように、 「迷える子」と長く引っ張って言った。三四郎はむろん答えなかった。  美禰子は、さっき洋服を着た男の出て来た方角をさして、道があるなら、あの唐辛子そばを通って行きたいという。二人は、その見当へ歩いて行った。藁葺のうしろにはたして細い三尺ほどの道があった。その道を半分ほど来た所で三四郎は聞いた。 「よし子さんは、あなたの所へ来ることにきまったんですか」  女は片頬で笑った。そうして問い返した。 「なぜお聞きになるの」  三四郎が何か言おうとすると、足の前に泥濘があった。四尺ばかりの所、土がへこんで水がぴたぴたにたまっている。そのまん中に足掛かりのためにてごろな石を置いた者がある。三四郎は石の助けをからずに、すぐに向こうへ飛んだ。そうして美禰子を振り返って見た。美禰子は右の足を泥濘のまん中にある石の上へ乗せた。石のすわりがあまりよくない。足へ力を入れて、肩をゆすって調子を取っている。三四郎こちら側から手を出した。 「おつかまりなさい」 「いえ大丈夫」と女は笑っている。手を出しているあいだは、調子を取るだけで渡らない。三四郎は手を引っ込めた。すると美禰子は石の上にある右の足に、からだの重みを託して、左の足でひらりこちら側へ渡った。あまり下駄をよごすまいと念を入れすぎたため、力が余って、腰が浮いた。のめりそうに胸が前へ出る。その勢で美禰子の両手が三四郎の両腕の上へ落ちた。 「迷える子」と美禰子が口の内で言った。三四郎はその呼吸を感ずることができた。

https://anond.hatelabo.jp/20241001172740

 ベルが鳴って、講師教室から出ていった。三四郎インキの着いたペンを振って、ノートを伏せようとした。すると隣にいた与次郎が声をかけた。

「おいちょっと借せ。書き落としたところがある」

 与次郎三四郎ノートを引き寄せて上からのぞきこんだ。stray sheep という字がむやみに書いてある。

「なんだこれは」

講義を筆記するのがいやになったから、いたずらを書いていた」

「そう不勉強はいかん。カントの超絶唯心論バークレーの超絶実在論にどうだとか言ったな」

「どうだとか言った」

「聞いていなかったのか」

「いいや」

「まるで stray sheep だ。しかたがない」

 与次郎自分ノートをかかえて立ち上がった。机の前を離れながら、三四郎に、

「おいちょっと来い」と言う。三四郎与次郎について教室を出た。梯子段を降りて、玄関前の草原へ来た。大きな桜がある。二人はその下にすわった。

 ここは夏の初めになると苜蓿が一面にはえる。与次郎入学願書を持って事務へ来た時に、この桜の下に二人の学生が寝転んでいた。その一人が一人に向かって、口答試験都々逸で負けておいてくれると、いくらでも歌ってみせるがなと言うと、一人が小声で、粋なさばきの博士の前で、恋の試験がしてみたいと歌っていた。その時から与次郎はこの桜の木の下が好きになって、なにか事があると、三四郎をここへ引っ張り出す。三四郎はその歴史与次郎から聞いた時に、なるほど与次郎俗謡で pity's love を訳すはずだと思った。きょうはしか与次郎がことのほかまじめである。草の上にあぐらをかくやいなや、懐中から文芸時評という雑誌を出してあけたままの一ページを逆に三四郎の方へ向けた。

「どうだ」と言う。見ると標題に大きな活字で「偉大なる暗闇」とある。下には零余子と雅号を使っている。偉大なる暗闇とは与次郎がいつでも広田先生を評する語で、三四郎も二、三度聞かされたものであるしか零余子はまったく知らん名である。どうだと言われた時に、三四郎は、返事をする前提としてひとまず与次郎の顔を見た。すると与次郎はなんにも言わずにその扁平な顔を前へ出して、右の人さし指の先で、自分の鼻の頭を押えてじっとしている。向こうに立っていた一人の学生が、この様子を見てにやにや笑い出した。それに気がついた与次郎はようやく指を鼻から放した。

「おれが書いたんだ」と言う。三四郎はなるほどそうかと悟った。

「ぼくらが菊細工を見にゆく時書いていたのは、これか」

「いや、ありゃ、たった二、三日まえじゃないか。そうはやく活版になってたまるものか。あれは来月出る。これは、ずっと前に書いたものだ。何を書いたもの標題でわかるだろう」

広田先生の事か」

「うん。こうして輿論喚起しておいてね。そうして、先生大学はいれる下地を作る……」

「その雑誌はそんなに勢力のある雑誌か」

 三四郎雑誌名前さえ知らなかった。

「いや無勢力から、じつは困る」と与次郎は答えた。三四郎は微笑わざるをえなかった。

「何部ぐらい売れるのか」

 与次郎は何部売れるとも言わない。

「まあいいさ。書かんよりはましだ」と弁解している。

 だんだん聞いてみると、与次郎は従来からこの雑誌関係があって、ひまさえあればほとんど毎号筆を執っているが、その代り雅名も毎号変えるから、二、三の同人のほか、だれも知らないんだと言う。なるほどそうだろう。三四郎は今はじめて与次郎文壇との交渉を聞いたくらいのものであるしか与次郎がなんのために、遊戯に等しい匿名を用いて、彼のいわゆる大論文をひそかに公けにしつつあるか、そこが三四郎にはわからなかった。

 いくぶんか小遣い取りのつもりで、やっている仕事かと不遠慮に尋ねた時、与次郎は目を丸くした。

「君は九州のいなかから出たばかりだから中央文壇趨勢を知らないために、そんなのん気なことをいうのだろう。今の思想界の中心にいて、その動揺のはげしいありさまを目撃しながら、考えのある者が知らん顔をしていられるものか。じっさい今日の文権はまったく我々青年の手にあるんだから一言でも半句でも進んで言えるだけ言わなけりゃ損じゃないか文壇は急転直下の勢いでめざまし革命を受けている。すべてがことごとく動いて、新気運に向かってゆくんだから、取り残されちゃたいへんだ。進んで自分からこの気運をこしらえ上げなくちゃ、生きてる甲斐はない。文学文学って安っぽいようにいうが、そりゃ大学なんかで聞く文学のことだ。新しい我々のいわゆる文学は、人生のものの大反射だ。文学の新気運は日本社会活動に影響しなければならない。また現にしつつある。彼らが昼寝をして夢を見ているまに、いつか影響しつつある。恐ろしいものだ。……」

 三四郎は黙って聞いていた。少しほらのような気がする。しかしほらでも与次郎はなかなか熱心に吹いている。すくなくとも当人だけは至極まじめらしくみえる。三四郎はだいぶ動かされた。

「そういう精神でやっているのか。では君は原稿料なんか、どうでもかまわんのだったな」

「いや、原稿料は取るよ。取れるだけ取る。しか雑誌が売れないからなかなかよこさない。どうかして、もう少し売れる工夫をしないといけない。何かいい趣向はないだろうか」と今度は三四郎相談をかけた。話が急に実際問題に落ちてしまった。三四郎は妙な心持ちがする。与次郎は平気であるベルが激しく鳴りだした。

「ともかくこの雑誌を一部君にやるから読んでみてくれ。偉大なる暗闇という題がおもしろいだろう。この題なら人が驚くにきまっている。――驚かせないと読まないからだめだ」

 二人は玄関を上がって、教室はいって、机に着いた。やがて先生が来る。二人とも筆記を始めた。三四郎は「偉大なる暗闇」が気にかかるので、ノートそば文芸時評をあけたまま、筆記のあいあいまに先生に知れないように読みだした。先生はさいわい近眼である。のみならず自己講義のうちにぜんぜん埋没している。三四郎の不心得にはまるで関係しない。三四郎はいい気になって、こっちを筆記したり、あっちを読んだりしていったが、もともと二人でする事を一人で兼ねるむりな芸だからしまいには「偉大なる暗闇」も講義の筆記も双方ともに関係がわからなくなった。ただ与次郎文章一句だけはっきり頭にはいった。

自然宝石を作るに幾年の星霜を費やしたか。またこ宝石採掘の運にあうまでに、幾年の星霜を静かに輝やいていたか」という句である。その他は不得要領に終った。その代りこの時間には stray sheep という字を一つも書かずにすんだ。

 講義が終るやいなや、与次郎三四郎に向かって、

「どうだ」と聞いた。じつはまだよく読まないと答えると、時間経済を知らない男だといって非難した。ぜひ読めという。三四郎は家へ帰ってぜひ読むと約束した。やがて昼になった。二人は連れ立って門を出た。

「今晩出席するだろうな」と与次郎西片町へはい横町の角で立ち留まった。今夜は同級生の懇親会がある。三四郎は忘れていた。ようやく思い出して、行くつもりだと答えると、与次郎は、

「出るまえにちょっと誘ってくれ。君に話す事がある」と言う。耳のうしろペン軸をはさんでいる。なんとなく得意である三四郎承知した。

 下宿へ帰って、湯にはいって、いい心持ちになって上がってみると、机の上に絵はがきがある。小川かいて、草をもじゃもじゃはやして、その縁に羊を二匹寝かして、その向こう側に大きな男がステッキを持って立っているところを写したものである。男の顔がはなはだ獰猛にできている。まったく西洋の絵にある悪魔を模したもので、念のため、わきにちゃんデビル仮名が振ってある。表は三四郎宛名の下に、迷える子と小さく書いたばかりである三四郎は迷える子の何者かをすぐ悟った。のみならず、はがきの裏に、迷える子を二匹書いて、その一匹をあん自分見立ててくれたのをはなはだうれしく思った。迷える子のなかには、美禰子のみではない、自分ももとよりはいっていたのである。それが美禰子のおもわくであったとみえる。美禰子の使った stray sheep意味がこれでようやくはっきりした。

 与次郎約束した「偉大なる暗闇」を読もうと思うが、ちょっと読む気にならない。しきりに絵はがきをながめて考えた。イソップにもないような滑稽趣味がある。無邪気にもみえる。洒落でもある。そうしてすべての下に、三四郎の心を動かすあるものがある。

 手ぎわからいっても敬服の至りである。諸事明瞭にでき上がっている。よし子のかいた柿の木の比ではない。――と三四郎には思われた。

 しばらくしてから三四郎はようやく「偉大なる暗闇」を読みだした。じつはふわふわして読みだしたのであるが、二、三ページくると、次第に釣りまれるように気が乗ってきて、知らず知らずのまに、五ページ六ページと進んで、ついに二十七ページの長論文を苦もなく片づけた。最後の一句読了した時、はじめてこれでしまいだなと気がついた。目を雑誌から離して、ああ読んだなと思った。

 しかし次の瞬間に、何を読んだかと考えてみると、なんにもない。おかしいくらいなんにもない。ただ大いにかつ盛んに読んだ気がする。三四郎与次郎の技倆に感服した。

 論文は現今の文学者の攻撃に始まって、広田先生の賛辞に終っている。ことに文学文科の西洋人を手痛く罵倒している。はやく適当日本人を招聘して、大学相当の講義を開かなくっては、学問の最高府たる大学も昔の寺子屋同然のありさまになって、煉瓦石のミイラと選ぶところがないようになる。もっとも人がなければしかたがないが、ここに広田先生がある。先生十年一日のごとく高等学校に教鞭を執って薄給無名に甘んじている。しか真正学者である。学海の新気運に貢献して、日本の活社会交渉のある教授担任すべき人物である。――せんじ詰めるとこれだけであるが、そのこれだけが、非常にもっともらしい口吻と燦爛たる警句とによって前後二十七ページに延長している。

 その中には「禿を自慢するものは老人に限る」とか「ヴィーナスは波からまれたが、活眼の士は大学からまれない」とか「博士を学界の名産と心得るのは、海月田子の浦名産と考えるようなものだ」とかいろいろおもしろい句がたくさんある。しかしそれよりほかになんにもない。ことに妙なのは広田先生を偉大なる暗闇にたとえたついでに、ほかの学者を丸行燈比較して、たかだか方二尺ぐらいの所をぼんやり照らすにすぎないなどと、自分広田から言われたとおりを書いている。そうして、丸行燈だの雁首などはすべて旧時代遺物で我々青年にはまったく無用であると、このあいだのとおりわざわざ断わってある。

 よく考えてみると、与次郎論文には活気がある。いかにも自分一人で新日本代表しているようであるから、読んでいるうちは、ついその気になる。けれどもまったく実がない。根拠地のない戦争のようなものである。のみならず悪く解釈すると、政略的の意味もあるかもしれない書き方である。いなか者の三四郎にはてっきりそこと気取ることはできなかったが、ただ読んだあとで、自分の心を探ってみてどこかに不満足があるように覚えた。また美禰子の絵はがきを取って、二匹の羊と例の悪魔をながめだした。するとこっちのほうは万事が快感である。この快感につれてまえの不満足はますます著しくなった。それで論文の事はそれぎり考えなくなった。美禰子に返事をやろうと思う。不幸にして絵がかけない。文章にしようと思う。文章ならこの絵はがき匹敵する文句でなくってはいけない。それは容易に思いつけない。ぐずぐずしているうちに四時過ぎになった。

 袴を着けて、与次郎を誘いに、西片町へ行く。勝手からはいると、茶の間に、広田先生が小さな食卓を控えて、晩食を食っていた。そば与次郎かしこまってお給仕をしている。

先生どうですか」と聞いている。

 先生は何か堅いものをほおばったらしい。食卓の上を見ると、袂時計ほどな大きさの、赤くって黒くって、焦げたものが十ばかり皿の中に並んでいる。

 三四郎は座に着いた。礼をする。先生は口をもがもがさせる。

「おい君も一つ食ってみろ」と与次郎が箸で皿のものをつまんで出した。掌へ載せてみると、馬鹿貝の剥身の干したのをつけ焼にしたのである

「妙なものを食うな」と聞くと、

「妙なものって、うまいぜ食ってみろ。これはね、ぼくがわざわざ先生にみやげに買ってきたんだ。先生はまだ、これを食ったことがないとおっしゃる

「どこから

日本から

 三四郎おかしくなった。こういうところになると、さっきの論文調子とは少し違う。

先生、どうです」

「堅いね

「堅いけれどもうまいでしょう。よくかまなくっちゃいけません。かむと味が出る」

「味が出るまでかんでいちゃ、歯が疲れてしまう。なんでこんな古風なものを買ってきたものかな」

「いけませんか。こりゃ、ことによると先生にはだめかもしれない。里見の美禰子さんならいいだろう」

「なぜ」と三四郎が聞いた。

「ああおちついていりゃ味の出るまできっとかんでるに違いない」

「あの女はおちついていて、乱暴だ」と広田が言った。

「ええ乱暴です。イブセンの女のようなところがある」

イブセンの女は露骨だが、あの女は心が乱暴だ。もっと乱暴といっても、普通乱暴とは意味が違うが。野々宮の妹のほうが、ちょっと見ると乱暴のようで、やっぱり女らしい。妙なものだね」

里見のは乱暴の内訌ですか」

 三四郎は黙って二人の批評を聞いていた。どっちの批評もふにおちない。乱暴という言葉が、どうして美禰子の上に使えるか、それから第一不思議であった。

 与次郎はやがて、袴をはいて、改まって出て来て、

ちょっと行ってまいります」と言う。先生は黙って茶を飲んでいる。二人は表へ出た。表はもう暗い。門を離れて二、三間来ると、三四郎はすぐ話しかけた。

先生里見お嬢さん乱暴だと言ったね」

「うん。先生はかってな事をいう人だから、時と場合によるとなんでも言う。第一先生が女を評するのが滑稽だ。先生の女における知識はおそらく零だろう。ラッブをしたことがないものに女がわかるものか」

先生はそれでいいとして、君は先生の説に賛成したじゃないか

「うん乱暴だと言った。なぜ」

「どういうところを乱暴というのか」

「どういうところも、こういうところもありゃしない。現代女性はみんな乱暴にきまっている。あの女ばかりじゃない」

「君はあの人をイブセンの人物に似ていると言ったじゃないか

「言った」

イブセンのだれに似ているつもりなのか」

「だれって……似ているよ」

 三四郎はむろん納得しない。しかし追窮もしない。黙って一間ばかり歩いた。すると突然与次郎がこう言った。

イブセンの人物に似ているのは里見お嬢さんばかりじゃない。今の一般女性はみんな似ている。女性ばかりじゃない。いやしくも新しい空気に触れた男はみんなイブセンの人物に似たところがある。ただ男も女もイブセンのように自由行動を取らないだけだ。腹のなかではたいていかぶれている」

「ぼくはあんまりかぶれていない」

「いないとみずから欺いているのだ。――どんな社会だって陥欠のない社会はあるまい」

「それはないだろう」

「ないとすれば、そのなかに生息している動物はどこかに不足を感じるわけだ。イブセンの人物は、現代社会制度の陥欠をもっとも明らかに感じたものだ。我々もおいおいああなってくる」

「君はそう思うか」

「ぼくばかりじゃない。具眼の士はみんなそう思っている」

「君の家の先生もそんな考えか」

「うちの先生? 先生はわからない」

だって、さっき里見さんを評して、おちついていて乱暴だと言ったじゃないか。それを解釈してみると、周囲に調和していけるから、おちついていられるので、どこかに不足があるから、底のほうが乱暴だという意味じゃないのか」

「なるほど。――先生は偉いところがあるよ。ああいうところへゆくとやっぱり偉い」

 と与次郎は急に広田先生をほめだした。三四郎は美禰子の性格についてもう少し議論の歩を進めたかったのだが、与次郎のこの一言でまったくはぐらかされてしまった。すると与次郎が言った。

「じつはきょう君に用があると言ったのはね。――うん、それよりまえに、君あの偉大なる暗闇を読んだか。あれを読んでおかないとぼくの用事が頭へはいりにくい」

「きょうあれから家へ帰って読んだ」

「どうだ」

先生はなんと言った」

先生は読むものかね。まるで知りゃしない」

「そうさなおもしろいことはおもしろいが、――なんだか腹のたしにならないビールを飲んだようだね」

「それでたくさんだ。読んで景気がつきさえすればいい。だから匿名にしてある。どうせ今は準備時代だ。こうしておいて、ちょうどいい時分に、本名を名乗って出る。――それはそれとして、さっきの用事を話しておこう」

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