■ アウェーの第2節ACLの第2節。第1節のホームゲームで、タイチームと1対1と引き分けたG大阪としては、アウェーながら勝ち点3が欲しい試合。
この試合のG大阪は、FWバレー、FWルーカス、FW播戸の3人を並べる3トップ気味の布陣。GK藤ヶ谷。DF橋本・山口・中澤聡・安田。MF明神・遠藤・二川。FWバレー・播戸・ルーカス。DF水本はスタメン落ちで188cmのDF中澤が入る。
■ 2点ビハインドをはねのける試合は前半4分と前半27分に全南にゴールを許す苦しい展開。FWバレーにボールが渡らず、MFも機能しない。しかしながら、2点目を奪われたすぐ後に、いい崩しからMF二川がミドルシュートを決めて1点を返す。
さらに後半8分にCKからのFW播戸が落ち着いた胸トラップから同点ゴールを決めると、後半13分にもDF安田がミドルシュートを決めて3対2と逆転に成功する。これで優位に立ったG大阪だったが、後半15分にDF橋本の不用意なファールからPKを奪われて3対3の同点に追いつかれる。
しかしながら、一度つかんだ良い流れを逃さなかったG大阪は、後半31分にDF安田のクロスからFW播戸がゴールに押し込んで4対3と突き放す。最後は危ない場面も作られたが、しっかりとしたキープで時間稼ぎをするなど、なんとか守り切って4対3で勝利。勝ち点を「4」とした。
■ 大きな勝ち点「3」G大阪は2点リードを奪われる苦しい展開だったが、見事な逆襲を見せて4対3で勝利。GL突破に向けて貴重な勝ち点をつかんだ。前半途中までの悪い流れは、千葉戦や磐田戦の良くない雰囲気を引きずっているような感じを受けたが、すぐにMF二川のミドルシュートで1点を返せたことが多かった。
昨シーズンを見ても分かるように、G大阪の攻撃陣はMF二川の出来に大きく左右される。MF遠藤やMF明神は安定したレベルでプレーができるが、二川の場合は、プレッシャーがきつい試合は消えてしまう試合もある。彼がアタッキングエリアでボールを持って多くの仕事が出来れば、G大阪は変化のある攻撃ができるし、そうでないと苦戦を強いられる。
■ 殻を破る安田MF二川はもちろんのことボランチで奮闘したMF明神、2ゴールを挙げたFW播戸も素晴らしい働きだったが、何といってもこの試合は左サイドバックのDF安田のプレーが秀逸だった。1ゴール1アシストという結果も見事だったが、プレーのインパクトはそれ以上だった。
左サイドでボールを持つと高い確率で打開できるのが持ち味のDF安田だが、昨シーズンまで相手を抜き去ってもクロスが相手の足に当たってイージーにクリアされることも多かった。だが、この試合では、得意のシザースフェイントで相手を抜き去った後に、素晴らしい左足のクロスでビッグチャンスを演出し続けた。
もともと右利きなので、左足のクロスの精度は最大の課題であるといえるが、東アジア選手権の北朝鮮戦でのFW前田のゴールをお膳立てした左足のクロスの感触がいい形で残っているのだろうか。DFミネイロという新しい戦力も刺激になって、若者の進化はとどまるところを知らない。
■ 不振のバレー一方でFWバレーはノーゴール。これで公式戦は4試合でノーゴールが続いている。その前のパンパシフィック選手権では2試合で5ゴールと大暴れしたFWバレーなので、バイオリズムの低下とも考えられるが、もともとFWバレーという選手は波の激しい選手でゴール以外の貢献度は多くない。
おそらく少し感覚を取り戻せばゴールを量産し始めるだろうが、器用な選手ではないので、調子の悪い時期のFWバレーにこだわり過ぎると、チームが機能しなくなる。そのあたりの見極めが大事になるだろう。
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