■ J1の開幕戦J1リーグがいよいよ開幕。元C大阪のクルピ監督を招聘した新生・G大阪はホームのパナソニックスタジアム吹田で名古屋グランパスと対戦した。2017年のG大阪は夏以降に大失速して終わってみると10位。カップ戦を含めると13試合勝ちなしでシーズンを締めくくった。巻き返しを図るシーズンになるがオフの補強は最小限にとどまったのでFW中村敬やDF松田陸といった新加入の若手に注目が集まっている。
ホームのG大阪は「4-2-1-3」。GK東口。DFオ・ジェソク、ファビオ、三浦弦、藤春。MF市丸、福田湧、遠藤。FWファン・ウィジョ、長沢駿、倉田。ケガをしたMF今野の代わりが誰になるのか?が注目されていたが東福岡高出身で高卒ルーキーのMF福田湧がスタメンに抜擢された。新加入のMF矢島慎、ユース上がりのMF芝本などを起用する選択肢もあったがクルピ監督は名門高出身の18才をチョイスした。
対するアウェイの名古屋は「4-1-2-3」。GKランゲラック。DF宮原、菅原、ウィリアン・ホーシャ、秋山陽。MF小林裕、和泉、長谷川アーリアジャスール。FWガブリエル・シャビエル、ジョー。青木亮。年俸が3億5,000万円とも言われている元ブラジル代表のFWジョーに大きな注目が集まる。こちらも昨秋のU-17W杯の本大会で主力として活躍した17才のDF菅原をいきなりスタメンで起用してきた。
■ 打ち合いの試合を制したのは名古屋グランパスどちらも攻撃が特徴のチームなので打ち合いの展開になることは予め予想されていたがその通りの激しい試合になった。序盤はG大阪が優勢。前半13分に左サイドを突破したFW倉田の折り返しをMF遠藤が右足で冷静に決めてホームのG大阪が先制に成功する。先制された名古屋だったが前半26分にFWジョーの丁寧なパスを受けたFWガブリエル・シャビエルが左足で合わせて名古屋が1対1の同点に追いついた。
1対1で迎えた後半6分にはFWガブリエル・シャビエルのFKからいいところにこぼれたボールを新外国人のDFウィリアン・ホーシャが落ち着いて決めてアウェイの名古屋が2対1と逆転に成功する。逆転されたG大阪は後半24分に17才のFW中村敬を投入。するとFW中村敬が絡んだ崩しから右サイドを駆け上がったDFオ・ジェソクの素晴らしいクロスをFW長沢駿が頭で合わせて2対2の同点に追いついた。
追いつかれた名古屋だったが後半39分にMF長谷川アーリアジャスールを起点にカウンターを仕掛けると途中出場のMF八反田のダイレクトパスを受けたFWジョーが決めて3対2と勝ち越しに成功する。Jリーグデビューを飾ったFWジョーは1ゴール1アシストの大活躍だった。3対2で勝利した名古屋は白星発進となった。敗れたG大阪も内容は悪くなかったが昨シーズンから続く未勝利記録を止めることは出来なかった。
■ 18才のMF福田湧をスタメンに抜擢クルピ監督を招聘したG大阪は新しいスタートを切ったが集まった観衆は28,681人。多くのサポーターの期待を受けて開幕戦を戦った。プレシーズンの段階では不出来が伝えられており、実際にチーム状況に関して不安を口にする選手も何人かいた。不安の残る状態で開幕を迎えたと思うが、先のとおり、内容的には悪くなかった。むしろ、「想像していたよりもはるかにいいサッカーが出来た。」と言える。
MF今野が欠場となったので「Wボランチを組むのは誰と誰になるのか?」が最大の関心ごとだったが20才のMF市丸と18才のMF福田湧を起用してきた。MF市丸の起用も勇気のいる決断だったが高卒ルーキーのMF福田湧の抜擢はサプライズだった。「まさかの選択」と言えたが落ち着いてプレーした。1失点目の場面の対応など反省すべき点もいくつかあったがデビュー戦ということを考えると十分な出来だった。
1点を追う状況で投入された17才のFW中村敬もインパクトを残した。後半33分にはボールを受けて相手をかわしてから右足で強烈なシュートを放っている、惜しくも枠には飛ばなかったがらしいプレーを見せた。右足のシュートの威力と精度に特徴のある選手であるがいきなり良さを出すことが出来た。冷静に考えると大幅にメンバーが代わっているわけではないがチームを取り巻く雰囲気は大きく変わったように感じる。
全く悲観的になる必要はない出来だったが2節が鹿島(A)、3節が川崎F(A)、4節が柏(H)、5節がFC東京(A)、6節が神戸(H)、7節が磐田(H)というこの先の日程を考えると「ホームの名古屋戦」というのは是が非でも勝ち点「3」を獲得したい試合だった。ここからACL組との3連戦になるがACL組から勝利を掴むのはなかなか大変である。若手の頑張りが目立ったので内容面は評価できるが痛すぎる敗戦となった。
■ FWジョーは1ゴール1アシストの大活躍一方の名古屋は最高のスタートを切った。1点目がFWガブリエル・シャビエル、2点目がDFウィリアン・ホーシャ、3点目がFWジョーなのでブラジル人トリオがそろい踏み。GKランゲラクもなかなかの存在感を発揮したので外国人の活躍が目立った。DFウィリアン・ホーシャは186センチの長身でありながら機動力もある。DF菅原とのCBコンビに関してはまだまだ不安定といえるが勝てたことは大きな自信になるだろう。
総じて名古屋の選手の出来は良かったが中盤の3人は外国人カルテットに負けず劣らずの素晴らしいプレーを見せた。中盤での起用がメインになりそうなMF和泉はドリブルが効果的だった。1点目はMF和泉のドリブル突破がきっかけになった。大宮から加入したMF長谷川アーリアジャスールは攻守に大きな存在感を発揮。C大阪や湘南や大宮のときのMF長谷川アーリアジャスールとは別人のように輝いた。
注目のFWジョーはさっそく1ゴール1アシストの活躍。2対2の同点に追いつかれた直後に決勝ゴールをマークするなど千両役者ぶりを発揮した。192センチの高さが生きるシーンはあまりなかったが相手CBを背負った状態でボールを受けたときも全く慌てることなくボールをキープすることができる強さと上手さを持っている。守備の部分でも大きな問題は生じなかったので相当な活躍が見込める選手である。
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