■ 大分×浦和Jリーグ第4節。大分トリニータがホームの九石ドームでJリーグ王者の浦和レッズと対戦した。
浦和は、<4-4-2>。阿部を左サイドバックで起用し、山田・闘莉王・坪井・阿部の最終ライン。中盤は、小野・ポンテ・長谷部・鈴木。2トップは、永井とワシントン。
対する大分は、<3-5-2>。ユース世代の高卒ルーキーの金崎がリーグ戦初スタメン。松橋と高松が2トップを組んだ。
大分トリニータ・スタメン■ 粘り強い戦いでドロー試合は、前半11分に、大分が金崎→松橋とつないで、最後はFW高松がファインミドルを決めて先制する。金崎のパスをダイレクトで高松に落とした松橋の胸でのパスが光った。
試合の主導権を握りかけた大分だったが、セットプレーで逆転を許す。ゴールを決めたのは、ともに阿部勇樹。1点目は小野からのボールをダイビングヘッド、2点目はポンテからのボールをGKの鼻先であわせたファインゴールだった。
前半35分に逆転した浦和は、高い技術と激しいプレスで大分の反撃を許さなかったが、後半ロスタイム目前に、値千金の同点ゴールが生まれる。根本のCKから、頭で合わせたのは、DF深谷。GK西川が攻撃参加して、相手のマークをひきつけてできたスペースに飛び込んだ深谷がフリーでゴールを決めた。試合は、2対2のドローに終わった。
■ 異様な雰囲気の九石ドームこの試合の九石ドームの観衆は、27163人。先々週の大宮戦が、16870人。大宮戦が土曜日の13:00キックオフで、この試合が日曜日の16:00キックオフと、条件としてはこの試合の方が悪かったが、それにもかかわらず、大観衆が集まった。
こういう試合を見ていると、ビッグクラブへの道を進む浦和レッズは、大変だなと思う。ホームスタジアムに、スター軍団の浦和レッズを迎える試合は、地方のクラブにとっては、一大イベントになりつつある。そんな異様な雰囲気のなかでアウェーゲームをこなさなければならない浦和レッズ。勝ち進むためには、本当の自力が必要とされる。
■ 試合内容が少しずつ良くなっている浦和レッズ開幕して4試合。ACLを含めて、ある程度の結果は出ているものの、試合内容は、かなり低調だったが、徐々によくなりつつある。まだ、FW田中達也やMF相馬が怪我で離脱中ということもあり、どういうメンバーがベストの布陣なのか分からない部分もあるが、この試合から長谷部が戻ってきて、ようやく、それなりのメンバーで、それなりの戦いができるようになった。
”攻撃が単調になりがち”というのが、昨シーズンの浦和の欠点だったが、この試合では、小野がかなり自由に動いて、攻撃のリズムと変化を生み出していた。小野はポジションは、表記上は攻撃的MFということになるが、ダブルボランチ(鈴木&長谷部)よりも低い位置にいたり、前線まで飛び出していったり、かなり多彩な動きを見せていた。
小野の調子がいいかといわれると、まだまだ???だが、現状では、チームに効果的な働きを見せている。
■ ようやくチームの一員になった阿部これまでの試合では、「4億円」という移籍金に見合ったパフォーマンスを見せられずにいた阿部だが、この試合のプレーを見れば、「4億円」という移籍金も安かったと思える。
左サイドバックは、初体験ということだが、何ら、本職の選手と変わらなかった。大分のキーマンのひとり、MF高橋を封じ込めて、自らも、セットプレーから2ゴールをマークした。
いつまでも、”FKのスペシャリスト”という昔のイメージで語られる阿部は、「FKやCKを積極的に蹴らない。」ということで、気弱だという批判をうけることもあるが、その指摘は、明らかに間違っている。今の阿部は、”セットプレーキッカー”という仕事よりも、”セットプレーのターゲット”という仕事の方が向いているし、そのほうが、彼の能力を生かすことができるし、希少価値ももつ。
最終的なポジションが、ボランチになるのか、センターバックになるのか分からないが、どのポジションを与えても、どんな役割を与えても、十分なパフォーマンスを見せてくれるだろう。この2ゴールで、ようやく、阿部は浦和レッズの一員になれた。
■ エースストライカー高松大分は、大観衆の期待に十分に応える試合を見せた。浦和の選手と比べると、ひとりひとりの自力の差はあるが、献身的なプレースタイルで、「勝ち点1」を獲得した。
特に目立ったのは、FW高松。闘莉王と坪井という日本屈指のCBコンビを前に、前線で奮闘した。
先制ゴールのシーンは、コースをついた見事なシュートであり、その後も、左右からのクロスに対して、相手に競り勝ってシュートを放つシーンを作るなど、浦和の脅威となった。
以前の高松は、ムラがあって、能力は高いが物足りない部分も多い、という印象だったが、昨シーズンあたりから、大分でも不動のエースとなり、精神的な部分での成長の後も見受けられる。高松が、シーズンを通して活躍出来れば、15得点は可能だろう。
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