■ スタイルが大きく変わった横浜Fマリノスつい先日までオーストラリア代表の監督を務めていたポステコグルー監督を招聘した横浜FMは新監督の元で新しいスタートを切った。オフにMF齋藤学とMFマルティノスが流出。モンバエルツ監督の頃はJ1でも屈指のサイドアタッカーであるMF齋藤学とMFマルティノスの単独突破から多くのチャンスを作ったがW流出。監督も交代してスタイルが大きく変わることは予想されていたが「様変わりした。」と言える。
開幕前に行われたFC東京との練習試合のときも「横浜FMのサッカーが大きく変わった。」と評判になったがアウェイでC大阪と対戦したJ1の開幕戦で多くのサッカーファンにお披露目された。「ハイライン&ハイプレスのサッカーに取り組んでいる。」という情報は多くの人が得ていたと思うが右SBのDF松原健、左SBのDF山中が積極的に中央のエリアまで進出してくる特異なサッカーを見せてC大阪を大いに苦しめた。
前半17分に左SBのDF山中のミドルシュートが決まって横浜FMが先制ゴールを奪ったがこのシーンは新生・横浜FMの象徴的なシーンと言える。加入2年目となるDF山中がパワフルなミドルシュートを持っている選手であることはよく知られているがSBの選手があの位置に出て行ってミドルシュートを狙うことは普通では考えられない。横浜FMの新しいやり方に面食らったC大阪は極めて難しい戦いを強いられた。
■ 2試合を終えて0勝1敗1分けバイエルン時代のDFラームがこういう役割を与えられていたが日本ではあまり見ないやり方である。少なくともJリーグのクラブでこういうやり方を採用したチームはこれまで無かった。ものの見事に横浜FMの新しいやり方がはまって主導権を握ることができたが後半の終了間際にクリアミスからFW柿谷にゴールを許して失点。自分がやりたいサッカーができのは横浜FMだったがドロー。勝利にはつながらなかった。
続く2節はアウェイで柏と対戦した。ACLの日程の関係で3月2日(金)に試合が行われたが同じように立ち上がりは横浜FMがペースを握った。いい流れだったが後半4分にMF小泉慶に先制ゴールを許すと後半30分にはオウンゴールで追加点を許した。最後までゴールを奪うことは出来ずに0対2で敗戦。アウェイ2連戦で、かつ、どちらもACLに出場している上位候補との試合だったが2試合で1敗1分け。やや出遅れた。
C大阪との開幕戦は「勝利にはつながらなかったが可能性が感じられる試合だった。」とポジティブに試合を振り返ったサポーターが多かったと思うが逆に2節の柏との試合は「現時点での課題が浮き彫りになった試合だった。」と言わざる得ない試合になった。当然、柏の方は「C大阪 vs 横浜FMの試合」をしっかりと分析をして試合に入ってきた。C大阪戦と比較すると攻守ともにうまくいかない場面が多かった。
■ ハイライン&ハイプレスのサッカーポステコグルー監督を招聘した横浜FMの新しいスタイルは成功するのか?否か?は気になるところであるが「まだ結論を出すのは早すぎる。」と言える。C大阪戦は良いところがたくさん見られた末のドローで、柏戦は現時点での課題が噴出するポジティブではない内容で敗れたがどちらもアウェイ戦で、どちらもACLに出場する強豪との試合だった。同格以下のチームと戦った時にどうなるのか?はまだ分からない。
ハイライン&ハイプレスのサッカーというと2017年の千葉を連想する人が多いと思うが2017年の序盤戦の千葉ほど極端に高いライン設定をするわけではないがキーパーのGK飯倉の仕事量は相当に多い。そして、先のとおり、マイボールの時は左右のSBが中央のエリアに侵入するので変な形でボールを失ったときはSBがいるはずのスペースががら空きになっている。アンカーのMF喜田拓が1人でカバーするのは難しい。
「左右のSBの裏」というのは対戦相手にとって明確な狙い目になる。C大阪との開幕戦は横浜FMペースで進んだがC大阪も多くの決定機を作った。オフサイドの判定ならびに相手のシュートミスに助けられて1失点で済んだが(優勢だったにもかかわらず)危うい場面は多かった。後方の選手のちょっとしたミスが原因で簡単に決定機を作られてしまう点がハイライン&ハイプレスのサッカーの1つの大きな弱点である。
2017年の千葉は終盤戦に入ると整備されて連勝街道を突っ走ったが秋あたりまでは、勝ったり、負けたりで落ち着かなかった。戦力的にはJ2の22クラブの中で上のクラスになる千葉でさえ安定しなかったのでJ1の18クラブの中で真ん中程度の総合力になる横浜FMだとより難しい状況に陥る可能性は高い。格下と思われる相手でも不用意なミスから失点して取りこぼすことが多いのもこのサッカーの特徴と言える。
■ アタッキングサードに入った後が課題攻撃に関しては、先のとおり、SBの位置取りが特徴的と言える。そして、MF天野純、MF中町、MF喜田拓の3人で構成する中盤のパスワークはかなりスムーズになった。もともと技術の高い選手が多いチームであり、パスを繋ごうと思ったらしっかりとパスを繋ぐことが出来るチームだったがポステコグルー監督になってスムーズさは相当にアップしている。MF天野純とMF中町とMF喜田拓のパフォーマンスは相当に高い。
ある程度の位置まで難なくボールを運ぶ事ができるようになった点は大きな進歩と言えるが「その先」は相当に物足りない。右ウイングにMF遠藤渓、左ウイングにMFユン・イルロクを起用して、CFにはFWウーゴ・ヴィエイラが起用されているが、前の3人は十分な活躍が出来ていない。アタッキングサードに入ると途端にプレーの精度が落ちてなかなか決定機を作れない。この点が今の横浜FMの一番の課題と言える。
スタイルが大きく変わったので早急に結果を求める人は少ないと思うが「このままで大丈夫なのか?否か?」の答えはまだ見えてこない。横浜FMというと堅守がウリのチームであり、堅い守備が最大の特徴だったので(アグレッシブなサッカーになったのは間違いないが)簡単に決定機を作られてしまう点を問題視するサポーターは多いだろう。「いろいろな意味で不安定な時期がしばらく続く。」と予想される。
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