■ J1編の1位に輝いたのは・・・。J1の26節を終えた時点で360分以上に出場しているキーパーの中で「パスCBP/90分の数値が高い選手」から順番に並べてみると表1のようになる。「CBP = Chance Building Point」なので『攻撃面での貢献度が高いキーパー』と言い換えることができるが、1位になったのは、やはり、GK西川(浦和)だった。精度の高い左足のキックは現代のキーパーの中では屈指。正確無比なパントキックは彼の見せ場になっている。
2位はGK林卓人(広島)。現在は怪我の影響もあってGK中林に出場機会を譲っている状態であるが後方からパスをつなぐスタイルだった森保監督時代に数字を稼いだ。3位は現役の韓国代表であるGKキム・ジンヒョン(C大阪)。ロングキックの精度が高くて一発のパスで決定機を生み出すことができる。C大阪は前線に高さのある選手が2人並んでいるのでGKキム・ジンヒョンのキックが攻撃の起点になるシーンは多い。
4位はGKシュミット・ダニエル(仙台)、5位はGK権田(鳥栖)、6位はGK飯倉(横浜FM)となる。上位の選手のほとんどは「フィードが得意」、「キックが正確」という印象があるのでイメージと数字が一致していると言える。下位の方を見ていくと21位がGKチョン・ソンリョン(川崎F)、22位がGK中村航(柏)、23位がGK守田(新潟)、24位がGK塩田(大宮)となる。GKチョン・ソンリョンやGK中村航はかなり下になる。
表1. キーパー限定のパスCBP/90分 (出場時間:360分以上)
順位 | 名前 | 所属 | 試合数 | 出場時間(分) | パスCBP/90分 |
1 | 西川 周作 | 浦和レッズ | 26 | 2,510 | 0.593 |
2 | 林 卓人 | サンフレッチェ広島 | 15 | 1,447 | 0.442 |
3 | キム ジンヒョン | セレッソ大阪 | 23 | 2,223 | 0.413 |
4 | シュミット ダニエル | ベガルタ仙台 | 20 | 1,932 | 0.410 |
5 | 権田 修一 | サガン鳥栖 | 25 | 2,322 | 0.395 |
6 | 飯倉 大樹 | 横浜Fマリノス | 26 | 2,511 | 0.373 |
7 | クォン スンテ | 鹿島アントラーズ | 12 | 1,114 | 0.337 |
8 | カミンスキー | ジュビロ磐田 | 25 | 2,331 | 0.330 |
9 | 林 彰洋 | FC東京 | 24 | 2,317 | 0.318 |
10 | 東口 順昭 | ガンバ大阪 | 25 | 2,401 | 0.315 |
11 | 加藤 順大 | 大宮アルディージャ | 13 | 1,223 | 0.294 |
12 | 中林 洋次 | サンフレッチェ広島 | 10 | 963 | 0.293 |
13 | 岡 大生 | ヴァンフォーレ甲府 | 23 | 2,220 | 0.287 |
14 | 関 憲太郎 | ベガルタ仙台 | 6 | 580 | 0.287 |
15 | キム スンギュ | ヴィッセル神戸 | 26 | 2,493 | 0.281 |
16 | 曽ヶ端 準 | 鹿島アントラーズ | 15 | 1,401 | 0.278 |
17 | 六反 勇治 | 清水エスパルス | 26 | 2,500 | 0.272 |
18 | 大谷 幸輝 | アルビレックス新潟 | 15 | 1,445 | 0.265 |
19 | ク ソンユン | コンサドーレ札幌 | 25 | 2,409 | 0.247 |
20 | 松井 謙弥 | 大宮アルディージャ | 5 | 482 | 0.226 |
21 | チョン ソンリョン | 川崎フロンターレ | 26 | 2,471 | 0.222 |
22 | 中村 航輔 | 柏レイソル | 26 | 2,505 | 0.222 |
23 | 守田 達弥 | アルビレックス新潟 | 10 | 965 | 0.213 |
24 | 塩田 仁史 | 大宮アルディージャ | 9 | 796 | 0.198 |
■ J2編の1位に輝いたのは・・・。今度の表2は「J2編」となる。同じように出場時間が360分以上のキーパー限定で「パスCBP/90分の数値の大きい選手」から順番に並べている。J2で1位になったのはGK佐藤優(千葉)。今シーズンの千葉は極端に高い最終ラインを設定するトリッキーなサッカーを見せてきたがGK佐藤優は足元の技術に長けたキーパーでつなぐ意識の高いキーパーである。彼が上位に位置するのはイメージ通りと言える。
2位はGK上福元(大分)となる。2016年に片野坂監督が就任してから大分はパスをつなぐサッカーにシフトチェンジしている。ビルドアップのミスから決定的なピンチを招くケースもあるが足元の技術と判断力に長けたキーパーである。3位はGK村山(松本山雅)。昨オフに湘南から松本山雅に復帰してきたがFW高崎という明確なターゲットがいるチームなのでキーパーからのロングパスはチャンスになりやすい。
4位は夏に加入したアルゼンチン出身のGKルイス・オヘーダ(千葉)。ここ最近はGK佐藤優に代わって千葉の正キーパーを任されている。5位はGK杉山力(福岡)、6位はGK菅野(京都)、7位はGK鈴木智(松本山雅)と続いていく。下位の方に目を移すとワースト1位はGK瀬口(讃岐)、ワースト2位はGK櫛引(岡山)、ワースト3位はGK畑(熊本)、ワースト4位はGKパク・ソンス(愛媛FC)、ワースト5位はGK牲川(群馬)となる。
表2. キーパー限定のパスCBP/90分 (出場時間:360分以上)
順位 | 名前 | 所属 | 出場試合数 | 出場時間(分) | パスCBP/90分 |
1 | 佐藤 優也 | ジェフ千葉 | 27 | 2,610 | 0.654 |
2 | 上福元 直人 | 大分トリニータ | 31 | 2,975 | 0.617 |
3 | 村山 智彦 | 松本山雅 | 21 | 2,020 | 0.529 |
4 | ルイス オヘーダ | ジェフ千葉 | 4 | 387 | 0.465 |
5 | 杉山 力裕 | アビスパ福岡 | 21 | 1,937 | 0.426 |
6 | 菅野 孝憲 | 京都サンガ | 32 | 3,069 | 0.416 |
7 | 鈴木 智幸 | 松本山雅 | 12 | 1,151 | 0.414 |
8 | 長谷川 徹 | 徳島ヴォルティス | 19 | 1,833 | 0.400 |
9 | 児玉 剛 | モンテディオ山形 | 33 | 3,173 | 0.392 |
10 | 白井 裕人 | ツエーゲン金沢 | 33 | 3,165 | 0.388 |
11 | 増田 卓也 | V・ファーレン長崎 | 33 | 3,195 | 0.384 |
12 | 楢崎 正剛 | 名古屋グランパス | 29 | 2,795 | 0.383 |
13 | 渋谷 飛翔 | 名古屋グランパス | 4 | 392 | 0.374 |
14 | 兼田 亜季重 | アビスパ福岡 | 14 | 1,268 | 0.365 |
15 | 梶川 裕嗣 | 徳島ヴォルティス | 14 | 1,346 | 0.363 |
16 | 柴崎 貴広 | 東京ヴェルディ | 33 | 3,190 | 0.362 |
17 | ビクトル | FC岐阜 | 33 | 3,176 | 0.346 |
18 | 山田 元気 | レノファ山口 | 21 | 1,981 | 0.327 |
19 | 佐藤 昭大 | ロアッソ熊本 | 9 | 866 | 0.319 |
20 | 高原 寿康 | 町田ゼルビア | 33 | 3,180 | 0.319 |
21 | 村上 昌謙 | レノファ山口 | 6 | 530 | 0.302 |
22 | 高丘 陽平 | 横浜FC | 32 | 3,080 | 0.300 |
23 | 清水 健太 | カマタマーレ讃岐 | 28 | 2,697 | 0.293 |
24 | 笠原 昂史 | 水戸ホーリーホック | 33 | 3,159 | 0.291 |
25 | 一森 純 | ファジアーノ岡山 | 27 | 2,588 | 0.286 |
26 | 吉満 大介 | レノファ山口 | 7 | 675 | 0.285 |
27 | 清水 慶記 | ザスパクサツ群馬 | 23 | 2,208 | 0.280 |
28 | 野村 政孝 | ロアッソ熊本 | 10 | 958 | 0.278 |
29 | 秋元 陽太 | 湘南ベルマーレ | 33 | 3,165 | 0.271 |
30 | 牲川 歩見 | ザスパクサツ群馬 | 10 | 959 | 0.258 |
31 | パク ソンス | 愛媛FC | 31 | 2,968 | 0.252 |
32 | 畑 実 | ロアッソ熊本 | 14 | 1,342 | 0.251 |
33 | 櫛引 政敏 | ファジアーノ岡山 | 6 | 575 | 0.235 |
34 | 瀬口 拓弥 | カマタマーレ讃岐 | 4 | 389 | 0.167 |
■ J3編の1位に輝いたのは・・・。最後はJ3編。条件は全く同じで「360分以上に出場しているキーパー」となるが、1位はGK高橋拓(北九州)、2位はGK林瑞輝(G大阪U-23)、3位はGK朴一圭(FC琉球)、4位はGK土井(盛岡)、5位はGK谷(G大阪U-23)となった。U-17日本代表の正キーパーで10月にインドで開催されるU-17W杯の本大会の日本代表メンバーに選出されているGK谷はJ3では4試合に出場している。フィード面での評価も非常に高い。
6位はGK杉本拓(鳥取)、7位はGK松本(秋田)、8位はGK圍(C大阪U-23)、9位はGKキローラン菜入(鹿児島)、10位はGK石井(沼津)となる。3位のGK朴一圭(FC琉球)、7位のGK松本(秋田)あたりは「J3で屈指のキーパー」と評価されている。逆にワースト1位はGKウィフマン(YS横浜)、ワースト2位はGK小澤(秋田)、ワースト3位はGK浅沼優瑠(YS横浜)、ワースト4位はGKジョニー・レオーニ(栃木SC)となった。
表3. キーパー限定のパスCBP/90分 (出場時間:360分以上)
順位 | 出場時間 | 所属 | 試合数 | 出場時間(分) | パスCBP/90分 |
1 | 高橋 拓也 | ギラヴァンツ北九州 | 9 | 784 | 0.564 |
2 | 林 瑞輝 | G大阪U-23 | 18 | 1,729 | 0.551 |
3 | 朴 一圭 | FC琉球 | 17 | 1,578 | 0.478 |
4 | 土井 康平 | グルージャ盛岡 | 20 | 1,825 | 0.477 |
5 | 谷 晃生 | G大阪U-23 | 4 | 377 | 0.473 |
6 | 杉本 拓也 | ガイナーレ鳥取 | 22 | 2,107 | 0.467 |
7 | 松本 拓也 | ブラウブリッツ秋田 | 5 | 398 | 0.450 |
8 | 圍 謙太朗 | C大阪U-23 | 7 | 672 | 0.391 |
9 | キローラン 菜入 | 鹿児島ユナイテッド | 11 | 1,065 | 0.385 |
10 | 石井 綾 | アスルクラロ沼津 | 13 | 1,241 | 0.342 |
11 | 茂木 秀 | C大阪U-23 | 10 | 934 | 0.338 |
12 | 山岡 哲也 | 鹿児島ユナイテッド | 11 | 1,066 | 0.332 |
13 | 阿部 伸行 | 長野パルセイロ | 21 | 2,017 | 0.332 |
14 | 波多野 豪 | FC東京U-23 | 9 | 856 | 0.330 |
15 | 藤吉 皆二朗 | SC相模原 | 11 | 1,051 | 0.327 |
16 | 廣末 陸 | FC東京U-23 | 8 | 762 | 0.324 |
17 | 田口 潤人 | 藤枝MYFC | 17 | 1,623 | 0.322 |
18 | 積田 景介 | FC琉球 | 5 | 467 | 0.314 |
19 | 永井 堅梧 | カターレ富山 | 22 | 2,113 | 0.311 |
20 | 大西 勝吾 | アスルクラロ沼津 | 9 | 855 | 0.301 |
21 | 伊藤 剛 | 福島ユナイテッド | 6 | 574 | 0.298 |
22 | 川口 能活 | SC相模原 | 9 | 868 | 0.292 |
23 | 山岸 範宏 | ギラヴァンツ北九州 | 13 | 1,235 | 0.269 |
24 | 内藤 友康 | 福島ユナイテッド | 16 | 1,540 | 0.266 |
25 | 三宅 貴憲 | 藤枝MYFC | 5 | 397 | 0.263 |
26 | ジョニー レオーニ | 栃木SC | 21 | 2,034 | 0.246 |
27 | 浅沼 優瑠 | Y.S.C.C.横浜 | 12 | 1,144 | 0.242 |
28 | 小澤 章人 | ブラウブリッツ秋田 | 17 | 1,613 | 0.236 |
29 | フィリップ ウィフマン | Y.S.C.C.横浜 | 9 | 861 | 0.214 |
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