■ 勝てば6大会連続のW杯出場が確定アジア最終予選の9戦目。ここまで5勝1敗2分けでB組の首位に立つ日本はホームの埼玉スタジアムでオーストラリアと対戦した。オーストラリアはここまで4勝4分け。無敗をキープしているが勝ちきれない試合が目立っている。首位の日本は勝ち点「17」、2位のサウジアラビアと3位のオーストラリアは勝ち点「16」。日本もオーストラリアも「この試合に勝てばW杯の出場権が獲得できる。」という大一番になった。
日本は「4-1-4-1」。GK川島(FCメス)。DF酒井宏(マルセイユ)、DF吉田(サウサンプトン)、DF昌子(鹿島)、DF長友(インテル)。MF長谷部(フランクフルト)、MF山口蛍(C大阪)、MF井手口(G大阪)、MF浅野拓(シュツットガルト)、MF乾(エイバル)。FW大迫(ケルン)。怪我から戻って来たMF長谷部をアンカーの位置に置く「4-1-4-1」を採用。MF井手口、MF浅野拓、MF乾をスタメンで起用して来た。
ベンチスタートになったのはGK東口(G大阪)、GK中村航(柏)、DF三浦弦(G大阪)、DF槙野(浦和)、DF酒井高(ハンブルガーSV)、MF柴崎岳(ヘタフェ)、MF本田圭(パチューカ)、MF香川(ドルトムント)、MF原口(ヘルタ)、MF小林祐(ヘーレンフェーン)、MF久保裕(ヘント)、FW岡崎慎(レスター)の12名。DF植田直(鹿島)とMF高萩(FC東京)とMF武藤嘉(マインツ)とFW杉本健(C大阪)の4人はベンチ外となった。
■ ようやくつかんだロシアW杯の出場権試合は立ち上がりから日本ペースで進んでいく。最初の10分ほどは前から積極的にプレッシャーをかけてオーストラリアに圧力を加える。前半10分を過ぎると日本が意図的にペースダウンしたのでオーストラリアがボールを保持して攻め込む展開になる。一進一退の展開の中、前半41分に左SBのDF長友が右足でゴール前に上げたボールをMF浅野拓が左足で上手く合わせて大きな先制ゴールを奪った。
1対0で迎えた後半もオーストラリアがボールを持つ時間が長くなる。後半16分に長身フォワードのFWユーリッチを投入した後、後半25分には「日本キラー」として知られる大ベテランのFWケーヒルを投入。勝負に出るが後半37分にこぼれ球を拾ったMF井手口が自らドリブルで仕掛けてシュートコースを作ると思い切って放ったシュートがそのまま決まって大きな2点目を奪った。MF井手口は代表初ゴールとなった。
2対0で勝利した日本はW杯予選ではオーストラリアを相手に初勝利。これで6勝1敗2分けでB組の首位が確定。6大会連続となるW杯出場が決まった。最終戦のアウェイのサウジアラビア戦(A)を前に本大会の切符を勝ち取ることが出来た。敗れたオーストラリアは4勝1敗4分けで勝ち点「16」のまま。2位のサウジアラビアと全く同じ勝ち点を稼いでいるが得失点差で劣る。自力での2位以内の可能性が消滅した。
■ 躍動したのは21才のMF 井手口陽介 (ガンバ大阪)総力戦となったが日本が見事に2対0で勝利してW杯の出場権を獲得した。まず最初に驚いたのはスタメンである。最終ラインの4人に関しては予想されたとおりのスタメンだったが、MF井手口(G大阪)とMF乾(エイバル)とMF浅野拓(シュツットガルト)の3人を起用して来たのは驚きだった。特にMF本田圭(パチューカ)でもMF久保裕(ヘント)でもなくてMF浅野拓を右SHの位置で起用して来たのは大サプライズだった。
大きな賭けだったと思うが見事に成功した。ここ最近のハリルホジッチ監督の選手起用は全く読めないのでサプライズ起用があっても不思議はない状況になっているがずっとスタメンでは起用されていなかったMF浅野拓の右SHでの先発起用はさすがに予想することはできなかった。ゴールを決めるまではミスも多くて波に乗ることができなかったが試合全体の空気を変える大きな大きな先制ゴールを決めて見せた。
先制した後はオーストラリアにボールを持たれる展開になったので重苦しい展開になったが後半37分のMF井手口のスーパーミドルが雰囲気を変えた。リプレーを見ると自分でドリブルで仕掛けてからシュートコースを作ってコース隅にミドルシュートを決めている。ストライカーかと思うような見事過ぎるゴールが突き刺さった。MF井手口のスタメン起用も大胆な策だったがハリルホジッチ監督の起用が見事に当たった。
MF井手口は守備面での貢献度も高くて文句なしのMOMと言える。ここ最近はMF長谷部とMF山口蛍がボランチのレギュラーとして起用されており、共に安定したプレーを見せているが一気に若手のMF井手口がボランチの競争に殴り込みをかけてきた。「4-1-4-1」は前からプレスをかけやすいシステムなので、今後、日本代表のファーストオプションになる可能性はある。MF井手口は獅子奮迅の活躍を見せたと言える。
■ ここからはメンバー入りを巡る競争がスタートする。W杯の出場権がかかった試合でリオ世代の2人が活躍したというのは急速に若返りつつある最近の日本代表を象徴する出来事と言える。1年ほど前まではリオ世代の選手はほとんどいなかったが気が付くと一大勢力になっている。MF久保裕(ヘント)とMF浅野拓(シュツットガルト)とMF井手口(G大阪)以外にもDF植田直(鹿島)、DF三浦弦(G大阪)、GK中村航(柏)が定期的に招集されており、若手の突き上げが激しい。
無事にW杯の出場権を獲得できたが今の日本代表で期待されるのは「W杯の出場権を獲得すること」ではなくて「本大会で好成績を残すこと」である。4年前のブラジルW杯のときは悔しい思いをしており、年齢的に次のロシア大会が最後のW杯に可能性が高い選手は並々ならぬ思いで大会に向けて準備をしてくるだろう。ここから新たにメンバー入りを賭けた争いがスタートするが面白い勝負が繰り広げられるはず。
DF中谷(柏)やDF中山雄(柏)やMF鎌田(フランクフルト)やMF堂安(フローニンゲン)といった若い選手がさらに台頭してくる可能性もあるが、代表での存在感が薄くなっているMF本田圭(パチューカ)、FW岡崎慎(レスター)、MF香川(ドルトムント)、MF清武(C大阪)、DF森重(FC東京)、GK西川(浦和)なども黙ってはいない。代表のW杯出場が決まっただけで誰1人としてロシア行きは約束されていない。選手は大変である。
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