■ ラストスパート首位のコンサドーレ札幌と7位のアビスパ福岡の対戦。
前節、草津に2対1で勝利した札幌は、FWダヴィが今節と次節の2試合出場停止。J1昇格に向けて最後の正念場である。GK高木。DFチョン・ブルーノ・曽田・西嶋。MF大塚・芳賀・砂川・藤田。FWは石井と中山。
対するホームの福岡は、<4-5-1>。GK神山。DF山形辰・川島・宮本・チェッコリ。MF布部・城後・田中・久永・アレックス。FWリンコン。残り試合でJ1昇格をかける福岡としては、すべて勝利するしかない。
■ 貴重な先制ゴール試合は、前半22分に札幌が先制する。
左サイドのMF砂川の柔らかいクロスを中央に走りこんだMF岡本が頭で合わせてJ1初ゴールをマークする。そのすぐ前のプレーで右MFの藤田が怪我のため退場し、大ピンチに陥りそうな状況で、ルーキーがチームを救うゴールを決めた。
しかしながら、前半35分に、裏のスペースに飛び出した札幌のFW石井がGKと接触し、2枚目のイエローカードで退場。札幌は、その後、10人での戦い方を余儀なくされる。
■ 1人多くなった福岡1点を追う福岡は、後半開始からDF宮本を下げてMF久藤を投入し3バックに変更。後半は完全に引いてしまった札幌に対して福岡が圧倒的にボールを支配。逆転を狙いに攻め込む。
しかしながら、福岡の攻撃はなかなかフィニッシュまでつなげられない。後半35分過ぎからは、長身のDF長野を投入しパワープレーに移行するが、札幌のDF曽田やDFブルーノ・クワドロスが高さで制して、チャンスを作らせなかった。
結局、後半は圧倒した福岡だったが最後までゴールネットを揺らすことは出来ず、0対1で敗戦。J1昇格の可能性は大きく遠のいた。
対する札幌は、J1昇格に向けて、何よりも欲しかった勝ち点3を獲得。残り試合数と対戦相手を考えると、2位以内に食い込む可能性はかなり高くなったといえるだろう。
■ 対象的な両チームのサッカー両チームのサッカーは対照的である。
人数をかけてショートパスをつないで攻め込む福岡に対して、札幌の攻撃は単調でボールを奪ったら、まずロングボールを前線に蹴りこんでスタートする。ロマンを感じるのは圧倒的に福岡のサッカーではあるが、現実は厳しく、福岡はJ1昇格の可能性がほとんどなくなって、札幌は勝利を挙げて首位を守った。
福岡は、どうしても勝ち点3が必要な試合だったにもかかわらず先制点を許し、数的優位になりながらも攻め切れなかった。再三に渡ってボランチの位置から飛び出すMF城後のプレーには可能性を感じたが、それ以外は、どうも淡白な攻撃に終始した。
10人になってからの札幌は1トップであり、追加点を喫する可能性はほとんどなかったということを考えると、もっと人数をかけて攻め込まなければならなかった。逆に言うと、そこまで人数をかけて攻め込むことが出来なかったことが、このチームの限界点を見せたといえるだろう。
■ 三浦サッカーについてボクは、札幌のサッカーは、好きではない。三浦監督は現実主義であり、大宮時代からスペクタクルのかけらも無いサッカーを見せる。全試合を見なければならないコンサドーレ札幌のサポーターに対しては、「お気の毒」というほか無いが、それでも、開幕から勝ち続けて首位を守っている点は評価しなければならない。
この試合の後半のサッカーも、攻撃の観点だけから見ると、ひどいものがあった。彼は、現実的過ぎて、日本サッカー界の敵だと思うが、ただ逆説的に、札幌の絡む試合を見るのは面白い。それは、非常に高度で組織的な札幌の守備網を相手の攻撃陣がどうやって崩していくのかを観察するのが、面白いからである。
Jリーグには31チームが存在する。すべてのチームが、「ボールも人も動くサッカー」をする必要は無く、札幌のような異質なサッカーをするチームが1つくらいはあってもいい。
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アビスパ福岡:採点GK:神山 6.0
→ それほど仕事は多くなかった。
DF:山形辰 5.5
→ 前半は4バックの右サイドでプレー。後半は3バックの一角でプレー。
DF:川島 5.5
→ 中山と石井に仕事はさせなかった。
DF:宮本 5.5
→ 前半のみの出場。
DF:チェッコリ 5.0
→ ロングボールの精度が低く、チャンスにつなげられなかった。
MF:布部 6.0
→ 中盤の底で熱くプレーした。
MF:田中佑 5.5
→ 前半はスピード溢れるプレーを見せたが、後半は消えた。
MF:久永 6.5
→ 鮮やかなドリブルで相手を翻弄。
MF:城後 6.5
→ ダイナミックな攻め上がりで攻撃に参加。
MF:アレックス 5.5
→ マークが厳しく仕事ができず。
FW:リンコン 5.0
→ 下がってボールを受けることが多く、相手の脅威にはなれず。
サブ:久藤 5.5
→ 後半開始からプレー。リズムを変えた。
サブ:長野 5.5
→ パワープレー要因として出場。
コンサドーレ札幌:採点GK:高木 6.0
→ DFラインとの連携に不安を残すも無失点。
DF:チョン・ヨンデ 5.5
→ 見事なカバーリングでサイドを破らせなかった。
DF:曽田 6.0
→ 高さで競り負けることは無かった。
DF:ブルーノ・クワドロス 6.0
→ 正確なパスで起点になった。
DF:西嶋 6.0
→ 堅実な守備で貢献。攻撃参加は少なかった。
MF:芳賀 6.0
→ つぶし役としては機能。
MF:大塚 5.5
→ もう少し中盤を作りたかった。
MF:藤田 採点なし。
→ 怪我で試合開始早々にリタイヤ。
MF:砂川 7.0
→ 抜群の技巧でタメを作った。決勝アシスト。
FW:中山 5.5
→ 攻撃面ではよさは出せず。
FW:石井 4.0
→ レッドカードで退場。
サブ:岡本 7.0
→ Jリーグ初ゴールも、後半は守備でほころびを見せて途中交代。
サブ:池内 5.5
→ 右サイドバックで起用されて、クローズに貢献。
サブ:カウエ 採点なし。
→ コメントなし。
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