■ 現代屈指のポストプレーヤーと言えるFW興梠(浦和)80年代あたりまではフォワードに求められるのは「とにかくゴールを奪うこと」だった。89分間試合から消えていても最後の1分間でゴールを奪うことが出来ればある程度は評価される時代だったが、全員攻撃・全員守備がスタンダードになった90年代以降はフォワードの選手に求められる仕事が多岐にわたるようになった。単純にゴール数だけでフォワードの選手の仕事ぶりを評価することはできなくなった。
「1トップの位置」あるいは「3トップの中央」でプレーするCF系の選手になるとなおさらである。後方からのボールをしっかりとキープして味方が攻め上がる時間を作ったり、相手のファールを誘ってFKを獲得することも求められるようになった。そういう流れが出来上がったので1シーズンを通して3・4点しかゴールを決めていないにもかかわらず、高評価されるニュータイプのフォワードが登場するようになった。
フォワードの選手にとっては大変な時代になっているが、Jリーグを代表するポストプレーヤーというとリオ五輪の本大会にオーバーエイジで出場したFW興梠(浦和)である。ボールを引き出すのが上手な選手で体の使い方も巧みでキープ力が高い。裏に抜け出すときのスピードもあるので相手にとっては厄介である。鹿島の時は2トップの一角でプレーする機会が多かったが浦和に加入してから新境地を開拓した。
■ ポストワークも一級品と言えるFW前田遼(FC東京)日本代表として国際Aマッチ33試合で10ゴールを記録しているFW前田遼(FC東京)も日本屈指のポストプレーヤーと言える。FW前田遼は当然のことながら得点力も高いが運動量が多くて前線で確実に起点になることができる。183センチとサイズがあって懐の深さを生かしたポストプレーは天下一品である。ザックJAPANのときは長きにわたって1トップとして活躍したが周りを生かすことも上手な万能型のCFである。
身体的なパワーを生かして最前線で起点になるタイプのポストプレーとしては元北朝鮮代表のFW鄭大世(清水)の名前を挙げることができる。Jリーガーとしては並外れたパワーを持っており、フィジカルの強さに関してはJリーグでもトップクラス。2016年はJ2で37試合で26ゴールを記録。得点力の高さも魅力と言えるが、確実にボールをキープして時間を作ることが出来る選手なのでポストプレーヤーとしても評価が高い。
2017年のJ2で猛威を奮うFWウェリントン(福岡)もパワフルさを前面に押し出して前線で起点になるタイプの選手と言える。FW鄭大世に匹敵する驚異的なパワーの持ち主である。FW鄭大世にも同じことが言えるが、ともに守備意識も高くてチームメイトのために献身的にプレーすることができる。FWウェリントンは2014年シーズンは湘南、2015年シーズンは福岡をJ1に昇格させているがJ2では規格外の選手と言える。
■ テクニックも武器となるFWイバ(横浜FC)FWイバ(横浜FC)も同じようにパワフルが大きな武器となるが、その一方でフットサルのノルウェイ代表に選出された経験があることが物語っているとおり足元の技術も高い。高さや強さを駆使して相手CBをブロックしながら時間を作ることも出来るが、華麗な足技で時間を作ることも出来る。昨シーズンはJ2で40試合に出場して18ゴールを記録したが「間違いなくJ1のステージでも通用するCF」と言える。
日本代表の常連になりつつあるFW小林悠(川崎F)もポストワークに定評のある選手と言える。相馬監督時代は裏への飛び出しとゴール前のポジショニングの良さで勝負する完全なストライカー系の選手だったが風間監督の指導によってオールラウンドな選手になった。体の使い方が巧みでアシスト能力も高い。ハリルJAPANではサイドハーフでプレーする機会がほとんどであるが1トップのレギュラーも狙うことが出来る。
ポストプレーは熟練の技術で年を重ねるごとに上達していくプレーヤーが多い。優秀なポストプレーヤーと言われる選手の多くはベテランの域に入っているが、J2でプレーするFW大久保哲哉(横浜FC)やFW盛田(群馬)やFW我那覇(讃岐)などは体の使い方が上手で確実に時間を作ることが出来る。サイズがあってボールのおさまる選手は日本では貴重なので息の長い選手として長きに渡ってJリーグでプレーすることができる。
若手から中堅世代の日本人選手の中で「ポストプレーが上手い。」と言える選手は正直なところ、ほとんどいない。試合中に相手CBとの駆け引きをしながら上達していく技術だと思うのでこれからの上達に期待したいが、187センチとサイズに恵まれていてテクニックもあるFW杉本健(C大阪)、身体的なパワーを持っているFWオナイウ阿道(浦和)あたりはポストプレーヤーとして匠の域に達することも可能に思える。
「ポストプレーが上手い。」と思うJリーガー ・FW 興梠慎三 (浦和レッズ)
・FW 前田遼一 (FC東京)
・FW 鄭大世 (清水エスパルス)
・FW ウェリントン (アビスパ福岡)
・FW イバ(横浜FC)
・FW 小林悠 (川崎フロンターレ)
・FW 大久保哲哉 (横浜FC)
・FW 盛田剛平 (ザスパクサツ群馬)
・FW 我那覇和樹 (カマタマーレ讃岐)
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