■ 元祖ファンタジスタはFWロベルト・バッジオ「シュートやパスやドリブル等において閃きや創造性のあるプレーで観客を魅了する攻撃的なポジションの選手」のことをファンタジスタと呼ぶ。典型的なファンタジスタと言えるのは1994年のアメリカW杯で主役の1人になった元イタリア代表のFWロベルト・バッジョだろう。(※ そもそもとしてファンタジスタという言葉自体が彼のプレーぶりを表現するために生み出された新用語なので当たり前の話である。)
1990年代はファンタジスタ全盛の時代だった。FWロベルト・バッジオの後継者と言われたFWデル・ピエロは典型的なファンタジスタと言える。その後、バルセロナで活躍した元ブラジル代表のFWロナウジーニョもファンタジー溢れるプレーで世界中を魅了したが、FWメッシやFWクリスティアーノ・ロナウドをファンタジスタと呼ぶ人は少ない。その理由の1つとしては「ゴールを量産しすぎる点」が挙げられる。
ファンタジスタの定義はFWロベルト・バッジオそのものなので、ポジティブな要素とネガティブな要素の両方を含んでいる。華麗なプレーで多くの人を魅了する選手のことをファンタジスタと呼ぶが、
・自由すぎて(監督が)扱いやすいタイプの選手ではない。
・好不調の波が激しくてプレーにムラがある。
・フィジカル的には逞しくない。どちらかというと華奢。
・優等生タイプではなくてどちらかというとわがまま。
という部分もファンタジスタ度を高める要素となる。驚異的な身体能力を持っている選手である点はFWクリスティアーノ・ロナウドのことをファンタジスタと呼びにくいもう1つの理由と言える。
■ 日本サッカー史上でも屈指のファンタジスタ現代のJリーグを代表するファンタジスタというとやはりMF中村俊(磐田)になるだろう。トルシエ監督時代は正当な評価を受けることができずに2002年の日韓W杯のメンバーから漏れてしまったが、特に若い頃は決して使い勝手のいい選手ではなかった。この点も典型的なファンタジスタのイメージと合致する。MF中村俊は決してわがままな性格ではないがやや影のあるところもファンタジスタ度を高めている。
今シーズンから磐田で同僚になったMF松井大(磐田)は典型的なファンタジスタと言える。MF中村俊とMF松井大は日本サッカー史上でも屈指のファンタジスタと言えるが、MF松井大はゴールを追い求めるだけでなくプレーの中に随所に遊びを加える点もファンタジスタを感じるところである。魅せるプレーにこだわり過ぎて墓穴を掘るケースも少なくないがエレガントなプレーで多くのサッカーファンを魅了し続けてきた。
2016年のJリーグMVPのMF中村憲(川崎F)はファンタジスタなのか?否か?は微妙なラインである。もちろん、創造性溢れるプレーが最大の魅力であるが、高いレベルでパフォーマンスが安定していて、かつ、性格的にかなり優等生なところがファンタジスタのイメージから外れる。同じようなことはMF香川(ドルトムント)にも言える。オフ・ザ・ピッチで破天荒なところを感じる選手の方がファンタジスタ度は高くなる。
■ 正真正銘のファンタジスタと言えるMF鎌田(鳥栖)日本代表でMF香川とトップ下のポジション争いをするMF清武(C大阪)も同様。MF中村憲やMF香川と同じでファンタジスタというフレーズよりも適切な表現がありそうな選手である。一方でFW柿谷(C大阪)はファンタジスタ度が高い選手と言える。華麗なテクニックで多くのサポーターを魅了してきたが、性格的にも一筋縄ではいかないタイプであり、過去にクルピ監督らと対立してきたキャリアもファンタジスタ度を高める。
日本人の若手選手では20歳のMF鎌田(鳥栖)は正真正銘のファンタジスタと言える。ファンタジスタにしては運動量が多すぎる気もするが、常に相手の意表を突くことが出来るほどたくさんのアイディアを持っている点はファンタジスタっぽい。誰も予想できないスペースに決定的なパスを供給できるところにセンスと可能性を感じる。パフォーマンスがなかなか安定しないのはファンタジスタの宿命と言える。
その他では3度もW杯に出場しているMF小野伸(札幌)はファンタジスタと呼ぶにふさわしい選手で、長きにわたってG大阪で攻撃の中心として活躍したMF二川(東京V)もファンタジスタ系の選手である。中堅世代になりつつあるMF堀米勇(甲府)も正真正銘のファンタジスタになれる素材で、J2でプレーするMF嶋田慎(熊本)、J3でプレーするMF富樫(FC琉球)なども創造性溢れるプレーでサポーターを魅了することができる。
「ファンタジスタと呼ぶことが出来るJリーガー」というと・・・。 ・MF 中村俊輔 (ジュビロ磐田)
・MF 松井大輔 (ジュビロ磐田)
・FW 柿谷曜一朗 (セレッソ大阪)
・MF 鎌田大地 (サガン鳥栖)
・MF 小野伸二 (コンサドーレ札幌)
・MF 二川孝広 (東京ヴェルディ)
・MF 堀米勇輝 (ヴァンフォーレ甲府)
・MF 中坂勇哉 (ヴィッセル神戸)
・MF 嶋田慎太郎 (ロアッソ熊本)
・MF 富樫佑太 (FC琉球)
・MF 高萩洋次郎 (FC東京)
・FW 前田俊介 (ガイナーレ鳥取)
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