■ 将来的に監督として成功できるか否か。サッカー選手が現役を引退した後は指導者を目指すことが多い。今、J1の18クラブで監督を務めている人の顔ぶれを見ていくと現役時代にJリーガーとして華々しい活躍を見せた選手が何人もいる。井原監督(福岡)、名波監督(磐田)、長谷川監督(G大阪)、風間監督(川崎F)、小倉監督(名古屋)あたりが典型例と言える。やはり知名度の高い元スター選手が監督に就任するとクラブに対する注目度は劇的にアップする。
ある程度の年齢に達して引退の時期が近づいてくると「この選手は指導者としても大成できるだろう。」、「この選手は性格が明るいので指導者よりも解説者の方が向いているのでは?」という風な見方をされる機会が多くなるが、「この選手は指導者としても成功するだろう。」と思われていた選手が指導者としてはパッとしなかったケースもあるし、不向きだと思われていた監督業で大成功をおさめたケースもある。
仙台とC大阪と横浜FCで監督を務めたもののいずれも短期間で退任となった都並監督は前者のケースである。国際経験が豊富でプレースタイルはクレバー。しゃべりも上手でムードメーカー的な資質も持っていたので「指導者としても成功するタイプ」も思えたが結果を残せず。逆にクレバーとは程遠いプレースタイルで饒舌なタイプではなかったものの監督として成功している高木監督(長崎)は後者のケースである。
■ 監督として成功する姿がイメージできる中村俊輔&中村憲剛「現役のJリーガーで監督としても成功できそうな選手は誰か?」を考えたときに真っ先に名前が浮かぶのはMF中村俊(横浜FM)とMF中村憲(川崎F)の2人である。「若手」と言える年代の選手の引退後のキャリアを予想するのは困難なので対象を「アテネ世代以前」に限定したいと思う。(ほぼ)アトランタ世代とシドニー世代とアテネ世代の日本人のJリーガーに話を限定させるが共に成功しそうな雰囲気が満載である。
どちらもクレバーなタイプで、分かりやすく自分がイメージすることを仲間に伝える能力も高い。さらには求心力やカリスマ性もあって、必要に応じてチームメイトに厳しい指摘をすることもできる。数年先にMF中村俊は横浜FM、MF中村憲は川崎Fで現役を引退して、解説者としてしばらく活躍した後、何年かに渡ってコーチとして経験を積んで、最終的には監督として古巣を率いている姿を想像するのは難しくない。
もちろん、MF遠藤(G大阪)も指導者として成功する可能性は高い。1つ心配なのはマイペースな性格なのでチームメイトに対して厳しい要求をすることはほぼ無い選手である点である。指導者として大成するためには「厳しさ」も必要となるがそういう部分は今の時点では持ち合わせていない。指導者としてはやや優しすぎる点が大成する上でネックになる可能性はあるが、面白いチームを作りそうな予感もある。