(1) スタジアムへのアクセスはあまり良くない。→ ロアッソ熊本のホームスタジアムである「うまかな・よかなスタジアム(旧名:KKウイング)」は街の中心地からかなり離れたところにある。1999年の熊本国体の主会場として使用するために建設されたが、当時、「プロサッカークラブのホームスタジアムになる。」とは誰1人として想像していなかったと思われる。なので仕方がないところもあるが、熊本駅からシャトルバスを利用した場合は1時間程度かかる。
(2) シャトルバスは「ロアッソ仕様」になっている。→ シャトルバスは内装も外装も「ロアッソ仕様」になっていた。このバスは通常時は街中を走り回っていると思われるが、熊本市民に「ロアッソ熊本」をアピールすることができる。アウェイの地を訪れたとき、クラブが街に根付いているのか、否かというのは気になる部分の1つである。「クラブ仕様」のバスが走っているとちょっと安心することができる。ちなみにシャトルバス利用者限定の抽選会も用意されていた。
(3) 周辺は緑に囲まれているので「ピクニック気分」を味わうこともできる。→ アクセスはあまり良くないので「行き帰りは大変」と言わざる得ないが、スタジアムの周辺は緑に囲まれているため、天気のいい日は自然を満喫することができる。この点は都市型のスタジアムには絶対に真似をすることができない部分であり、このスタジアムの魅力の1つと言えるだろう。試合前には多くの家族連れが芝の上に座ってくつろいでいた。庭園や池などもあってスタジアム周辺は風情も感じられる。
(4) スタジアムグルメの充実度は「Jリーグ屈指」。→ 平均観客動員数は7,000人程度。「J2の中では多い方」と言えるが、スタジアムグルメの充実ぶりは目を見張るものがある。とにかく店の数が多くて、かつ、地域(=熊本)の名産品や特産品を取り入れたものも多い。コンコースにはあまり店が出ていないのでスタジアムの中に入ると食料を調達するのは難しくなる。前もって広場で購入しておく必要があるが、アウェイサポからも高い評価を受けているのもよく分かる。
(5) 「外観の美しさ」は国体用に作られたスタジアムとは思えないレベル。→ 「国体用に作られたスタジアム」は面白味に欠けるスタジアムが大半である。お客さんを呼ぶことに主眼を置いていないので仕方がない面もあるが、KKウイングではいい意味で予想を裏切られた。巨大な白い屋根が目立つ。外観の美しさは陸上トラック付きの日本のスタジアムの中では上位クラス。「国体用にこれだけのスタジアムを用意する必要があったのか?」と当時、疑問に思った人は多かったのではないか?
(6) 出入り口の多さはありえないほど。→ 大きな特徴の1つに挙げられるのはコンコースとスタンドを結ぶ出入り口の多さ。一説によると、全部で52か所あって、それぞれに対して「トランプのカード」になぞらえた名前が付けられているという。Jリーグの試合を開催するときは閉鎖されている出入り口も多いが、これほど多くの出入り口を作ることで生まれる明確なメリットというのはすぐには思い浮かばない。「何故なのか?」と思う不思議な部分である。
(7) ユニフォームで目立ったのは「7番」と「39番」と「36番」の3つ。→ ユニフォームを着て観戦している人の多さも気になったが、その背番号を見ると「12番」が圧倒的に多かった。12番は多くのクラブでサポーター用の番号である。感覚的にはユニフォームを着用している人の6割ほどが「背番号なし」 or 「12番」で、選手の名前&背番号入りのユニフォームを着用している人は4割程度。4割の中では「7番(=片山奨典)」と「39番(=嶋田慎太郎)」と「36番(=巻誠一郎)」が多かった。
(8) 音響はイマイチなのか・・・。→ 声や音がこもって場内アナウンスなどで何を言っているのかがクリアに聞こえないことが多かった。もちろん、この点は座席によってある程度は「聞こえやすい・聞こえにくい。」の差が生じるが、今回、座った席は「メインスタンドのややホーム寄り」だったので条件的に悪かったとは考えにくい。聞き取りにくいとスタジアムDJの方も試合を盛り上げるのが難しくなる。(ただ、すぐに改善するのは難しいだろう。)
(9) 試合前の「スポンサー紹介」は改善の余地あり。→ 今回、マイナスに感じた点で一番気になったのはスポンサー企業を紹介するときにバックミュージックとしてかなり大きな音量で音楽が流されているので会社名等を聞き取るのが困難だった点。「試合前のスポンサー紹介」というのはクラブにとって大事なことだと思うが、よほど注意して聞かない限り、全く印象に残らないだろう。音楽を鳴らさないか、ボリュームを下げるだけで全く違ってくると思うが・・・。
(10) 驚かされたのは熊本という街の持つポテンシャルの大きさ。→ J1の鹿島や鳥栖は「いい意味での例外」と言えるが、何だかんだで「街の規模」と「クラブの規模(=強さ)」は比例することがほとんどである。規模の小さい街で活動しているクラブはお客さんやスポンサーを集めようと思ったときも苦労する。そういう意味ではロアッソ熊本は恵まれている。熊本市というのは想像していた以上に大きな街だった。クラブが発展していこうとするとき大きな力になってくれるだろう。
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