■ サポーターの応援鳥栖市のベストアメニティスタジアムに来たのは、2008年以来で3度目だったが、試合前と試合中の雰囲気は非常に良かった。雨と風の影響もあって、観客動員数は6,707人と少なめだったが、球技専用スタジアムで、かつ、大きな屋根があってサポーターの声が反響することもあって、応援のボリュームは大きくて、試合を盛り上げた。
「手拍子」や「拍手」というのが、鳥栖サポーターの応援の特徴になっているが、試合前に「手拍子?(拍手?)をして一緒に応援しましょう。」的なチャント(歌?)があって、メインスタンドやバックスタンドにいる一般のサポーターが応援に参加しやすい雰囲気作りが行われている。これはいいことだと感じた。
世の中には色々な人がいるので、コアなサポーターが「一緒に応援しましょう。」と呼びかけても、「応援を強要させられた。」という風にマイナスにとらえる人もいる。一般のサポーターを引き込むのは、大変な作業であるが、ゴール裏以外の人も、普通に声を出して歌を歌ったり、拍手をしたり、手拍子をしたり、うまくコアサポーターと一般サポーターの融合がなされている。
また、このスタジアムでいつも感じるのは、集中して試合を観ているサポーターの割合が高いことで、ワンプレー・ワンプレーに声を出して反応するサポーターが目立つ。日本のサッカー場といっても、観客の反応の仕方というのは様々で、地域によって大きな違いがあるが、ベアスタの観客はストレートに声を出して反応する人が多いので、選手たちも、プレーしていて楽しいのではないか?と思う。
#18 ホーム側のサポーター席
■ ホスピタリティコンコースは立ち入りが制限されている箇所が無くて、一回りすることもできるが、(ボランティアの人なので、社員の人なのか、分からないが、)通り過ぎるときに、ほとんどの人が、「ご来場ありがとうございます。」という声をかけてくれた。短い言葉であるが、ここまで、声をかけてくれるところというのは、なかなか無いので、ちょっとした驚きだった。
また、試合前の選手紹介の前に遠路はるばるやって来た清水のサポーターに対して、スタジアムDJが感謝の意を述べていたが、その後、鳥栖のサポーターがみんな立ち上がって、清水のサポーターに向かって拍手をするシーンがあった。サポーターに向かって全員で拍手をするというのは、他のスタジアムでは観たことが無いので、これもいいことだと感じた。
#19 アウェー側のサポーター席
■ 観やすいスタジアムベアスタというと、「試合の観やすいスタジアム」として知られているが、本当に観やすいスタジアムである。スタジアムをぐるっと一回りしてみたが、コーナーフラッグに近い席でも、何の問題もない。このスタジアムに慣れてしまうと、他のスタジアムに行ったとき、大きな違和感を感じると思うが、マイナスと言えるのは、それくらいで、観やすさというのは、日本でも最高レベルである。
ピッチまでの距離が近いのはもちろんであるが、傾斜もかなりキツイ。前々回はメインスタンドのA自由席(2F)で、前回はバックスタンドのA自由席(2F)で試合を観たと思うので、その時は気がつかなかったが、バックスタンドのB自由席(3F)では、手前側の副審の姿が見えなくて、CKを蹴る選手やスローインをする選手の姿が見えない席もある。
試合中に副審が旗を上げたのか、上げなかったのかというのは、大事なことなので、この点は、どうなのか?と思うところもあるが、大きな陸上トラックがあって、双眼鏡を使わないと選手の位置を把握できないようなスタジアムよりは、はるかにマシで、陸上トラックが無くて、ピッチまでの距離が近くて、傾斜がきついベアスタの特徴と言える。
#20 バックスタンドのB自由席 (3F)
傾斜がきついこともあって、メインスタンドとバックスタンドの3階席の座席の前には、手すりがあるが、これは、かなり有り難い。立見席で手すりがあるところは珍しくないが、普通の席でも手すりがあるのは、珍しいように思う。手すりにもたれかかって試合を観ることもできるし、前の席の人との距離もあるので、自分のスペースがしっかりと確保されて、快適に試合を観ることができる。
#19 座席の前の手すり (バンクスタンド3F)
■ ユニークなつくりスタジアムの構造で面白かったのは、コンコースの上の空間には屋根が無いことで、経費節減が理由なのか、美的な話なので、理由は定かではないが、ユニークなつくりになっている。また、言われて見ると、そうかな?と思うが、メインスタンドとバックスタンドの支柱は、鳥栖市内の遺跡から出てきた「銅剣」をモチーフにしているという。
#20 コンコースの上側(1)
#21 コンコースの上側(2)
アクセス、試合の観やすさ、臨場感、試合中の雰囲気、スタジアムグルメなどは、全てが最高レベルだったが、唯一、気になったのは、大型ビジョンである。バックスタンドとアウェーゴール裏の境目のところに大型ビジョンがあって、試合に出場している選手の名前などを表示しているが、バックスタンドやアウェーのゴール裏にいる人には観にくい位置にあって、「全く見えない。」という席もたくさんある。
この大型ビジョンは2006年に設置されて、「個人の寄付によるもの」ということで、大型ビジョンが設置されているだけでも有り難いことであるが、もう1つ、メインスタンドとホームのゴール裏の境目のところにも同じような大型ビジョンがあれば、快適に試合を観ることができるのに・・・と感じる。
#22 大型ビジョン (バックスタンドから)
#23 大型ビジョン (下から)
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