■ 2011年の全ゴール集 サッカーダイジェストの付録に付いていた2011年のJ1の全ゴール集のDVDを見ながら、各チームのセットプレーからのゴール数をカウントしてみました。直接ネットを揺らしたゴールはもちろんのこと、セットプレーの流れの中から生まれたゴールもカウントしています。
※ ただし、どこまでを「流れの中」と判断すればいいのか、基準を考えるのは難しいので、今回は、「リスタートを蹴る瞬間が、DVDの中に収録されていること」を、セットプレーと見なす条件にしました。したがって、ショートコーナーやトリックプレーなど、いろいろと細工をしてから決まったゴールについては、漏れている場合もありますので、ご了承ください。
① 攻撃のとき 表1が、各チームのセットプレーからのゴール数(攻撃時)になります。とりあえず、PKもカウントしています。まず、CKからのゴール数が、最多だったのは、鹿島で、10ゴールが生まれています。獲得したCKは、34試合で168回だったので、それほど多いわけではありませんが、ゴール成功率が5.95%とダントツの数字です。ゴール数が2位だったのは、磐田とG大阪で、共に8ゴールでした。
逆に、浦和、神戸、福岡は、CKからのゴールは1点だけでした。神戸は、31節の山形戦でFWポポがCKからゴールを決めていますが、グラウンダーでゴール前に入れたボールを右足で合わせたゴールだったので、空中戦の勝負に勝って決めたゴールはゼロでした。
その右側は、フリーキックからのゴール数になります。直接フリーキックからのゴールが多かったのは、柏、清水、名古屋の3チームで、ボスナーは4回、ジョルジ・ワグネルと藤本淳吾は3回、フリーキックでネットを揺らしています。他に、複数回、直接フリーキックを決めているのは、大前元紀と玉田圭司で、2度、決めています。「直接以外」は、鹿島と名古屋の7ゴールが最多でした。
表1 セットプレーからのゴール数 (攻撃時)
| 攻撃 |
CK | FK | PK |
ゴール数 | 総数 | ゴール率(%) | 直接 | 直接以外 |
ベガルタ仙台 | 7 | 181 | 3.87% | | 2 | 2 |
モンテディオ山形 | 2 | 139 | 1.44% | | | 3 |
鹿島アントラーズ | 10 | 168 | 5.95% | 1 | 7 | 4 |
浦和レッズ | 1 | 163 | 0.61% | 1 | 2 | 4 |
大宮アルディージャ | 3 | 186 | 1.61% | 2 | | |
柏レイソル | 5 | 172 | 2.91% | 4 | 4 | 2 |
川崎フロンターレ | 6 | 229 | 2.62% | 1 | 2 | 1 |
横浜Fマリノス | 6 | 180 | 3.33% | 1 | 3 | 2 |
ヴァンフォーレ甲府 | 3 | 147 | 2.04% | 1 | 2 | 3 |
アルビレックス新潟 | 2 | 148 | 1.35% | 1 | 1 | 4 |
清水エスパルス | 3 | 156 | 1.92% | 6 | 2 | 5 |
ジュビロ磐田 | 8 | 191 | 4.19% | 1 | 1 | 2 |
名古屋グランパス | 6 | 172 | 3.49% | 5 | 7 | 6 |
ガンバ大阪 | 8 | 220 | 3.64% | 1 | 2 | 3 |
セレッソ大阪 | 6 | 175 | 3.43% | 1 | | 6 |
ヴィッセル神戸 | 1 | 157 | 0.64% | 1 | | 2 |
サンフレッチェ広島 | 4 | 155 | 2.58% | 2 | 1 | 6 |
アビスパ福岡 | 1 | 117 | 0.85% | | 2 | 1 |
② 守備のとき 今度は、守備のときに、セットプレーから許したゴール数を表にしました。CKからの失点が最少だったのは、名古屋で1点だけでした。次点は仙台だったので、イメージ通りに、守備が堅そうなチームの失点数が少なくなってます。逆に、CKからの失点数が最多となったのは、山形で8ゴールでした。FKの場合も同様で、「直接」と「直接以外」を合わせると、山形が最多失点数になりました。
表2 セットプレーからのゴール数 (守備時)
| 守備 |
CK | FK | PK |
直接 | 直接以外 |
ベガルタ仙台 | 2 | | | 3 |
モンテディオ山形 | 8 | 3 | 5 | 6 |
鹿島アントラーズ | 4 | 1 | 1 | 1 |
浦和レッズ | 5 | 3 | 3 | 4 |
大宮アルディージャ | 7 | 1 | 3 | 4 |
柏レイソル | 4 | 2 | 2 | 2 |
川崎フロンターレ | 6 | | 4 | 4 |
横浜Fマリノス | 2 | 1 | 2 | 3 |
ヴァンフォーレ甲府 | 6 | 5 | 1 | 2 |
アルビレックス新潟 | 3 | 3 | 3 | 5 |
清水エスパルス | 7 | 1 | | 3 |
ジュビロ磐田 | 4 | 1 | 2 | 4 |
名古屋グランパス | 1 | 1 | | 4 |
ガンバ大阪 | 5 | 3 | 1 | 1 |
セレッソ大阪 | 2 | 1 | 4 | 2 |
ヴィッセル神戸 | 5 | | 2 | 1 |
サンフレッチェ広島 | 5 | 1 | 4 | 1 |
アビスパ福岡 | 6 | 2 | 1 | 6 |
③ まとめ最後に、攻撃時と守備時の数字をまとめてみました。PKは除外し、FKとCKからのゴール数のみカウントしています。一番右は±です。
これも、予想通りの結果と言えますが、±が最大になったのは名古屋で、次点が鹿島でした。3番目が仙台で、柏と横浜FMが4番目だったので、リーグ戦で上位のチームばかりです。逆に、マイナスがもっとも大きかったのは、山形で、浦和はワースト2位で、大宮、甲府、福岡の3チームがワースト3位となりました。
昨シーズンの数字は、以上のようになりましたが、今シーズン、注目したいのは、鹿島と神戸の2チームです。オフに、MF野沢とFW田代が神戸に移籍しているので、リーグ屈指のセットプレーの強さを誇る鹿島から二人がいなくなって、どういう影響が出るのか?また、リーグ最低レベルだった神戸のセットプレーは、プレイスキッカーのMF野沢とターゲット役のFW田代が入って改善されるのか?神戸は、セットプレーからのゴール数が増えるようだと、上位も見えてくるでしょう。
表3 セットプレーからのゴール数 (まとめ)
| 攻撃 (FK、CK) | 守備 (FK、CK) | ± |
|
|
ベガルタ仙台 | 9 | 2 | +7 |
モンテディオ山形 | 2 | 16 | -14 |
鹿島アントラーズ | 18 | 6 | +12 |
浦和レッズ | 4 | 11 | -7 |
大宮アルディージャ | 5 | 11 | -6 |
柏レイソル | 13 | 8 | +5 |
川崎フロンターレ | 9 | 10 | -1 |
横浜Fマリノス | 10 | 5 | +5 |
ヴァンフォーレ甲府 | 6 | 12 | -6 |
アルビレックス新潟 | 4 | 9 | -5 |
清水エスパルス | 11 | 8 | +3 |
ジュビロ磐田 | 10 | 7 | +3 |
名古屋グランパス | 18 | 2 | +16 |
ガンバ大阪 | 11 | 9 | +2 |
セレッソ大阪 | 7 | 7 | ±0 |
ヴィッセル神戸 | 2 | 7 | -5 |
サンフレッチェ広島 | 7 | 10 | -3 |
アビスパ福岡 | 3 | 9 | -6 |
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