■ 20年前の出来事 今年のU-20W杯の本大会はJ SPORTSが全試合を生中継している。U-20W杯の放映権を獲得したこともあって社を挙げて力を入れてPR活動を行っているが大会前に過去のワールドユースならびにU-20W杯の試合をいくつか放送している。しかも、当時の番組をそのまま再放送で流すのではなくて関係者や当事者をゲストとして呼んで今の視点で試合を解説する仕組みなので興味深い話をたくさん聞くことが出来る。
2年前のU-20W杯の本大会の4試合や同じように放映権を獲得した女子W杯の過去のなでしこジャパンの名勝負も放送されているが面白かったのは準優勝に輝いた1999年のナイジェリア大会の準決勝の日本 vs ウルグアイの試合を振り返る番組である。当時のウルグアイ代表にはC大阪でプレーしたFWフォルランがいて、ユベントスにも所属したGKカリーニ、レッチェなどで活躍したFWチェバントンなどがいた。
準決勝が行われたのは1999年4月21日の話になる。つまり、ほぼ20年前の出来事になるが、前半23分にFW高原が先制ゴールをゲット。直後にFWチェバントンにゴールを許して1対1の同点に追いつかれたが前半35分に当時はドイツのカールスルーエに在籍していたFW永井雄がドリブルからシュートを決めて勝ち越しに成功。2対1で勝利した日本は男女を通じて初となる世界大会の決勝進出を果たした。
■ ゲスト解説を務めたのはフォワードの2人 日本サッカー界にとっては歴史的な偉業と言えたが日本 vs ウルグアイの放送でゲストを務めたのはFW播戸ならびにFW永井雄の2人だった。ともに1979年生まれになるがFW永井雄は早生まれ。学年的にはFW永井雄の方が1つ上になる。MF小野伸とFW高原の2人が中心だったが、他にもMF稲本、MF遠藤、MF小笠原、MF本山、DF中田浩、GK南などなど。個性豊かな選手をたくさん擁した魅力的なチームだった。
両者ともにフォワードになるが、当然、エースはFW高原になる。このチームの絶対的なエースになる。アジアユースのときはFW播戸が2トップの一角でプレーしたが、本大会ではFW永井雄が招集されたので、FW高原&FW永井雄の2トップが基本となった。FW永井雄とGK南の2人は2大会連続のワールドユース出場となったが「ワールドユースは1回しか出場できない。」というルールがそれまでにはあった。
前回大会に飛び級で出場しているFW永井雄とGK南はアジアユースには出場できなかったがルールが変更になって本大会では召集可となった。日本にとっては大きな話だったが、DF市川はオーバートレーニング症候群のため招集できず。また、ジェフ市原で頭角を現しつつあったMF阿部勇も予防接種の問題で招集できず。MF稲本も怪我のためほとんどプレーできなかったので誤算は多かったが見事に勝ち進んだ。
■ ムードメーカーになったFW播戸 日本とウルグアイの試合は繰り返し何度も観ているのでだいたいのシーンは記憶に残っていたが、やはり、当事者であるFW播戸ならびにFW永井雄の裏話が加わると楽しい。昨シーズンはJ3のFC琉球でプレーしたFW播戸というとムードメーカーとして知られているが彼がこのときもムードメーカーになってチームを盛り上げていたことがよく分かる。チームのためにピッチ外で頑張れる選手は貴重である。
FW播戸というとG大阪やC大阪で活躍した選手なので「典型的な大阪人」というイメージがあるが実際には兵庫県の姫路市出身になる。まだ現役引退を表明したわけではなくて「現役はお休み中」になるが、今後、メディアでサッカー関係の仕事をバリバリとこなすことになるだろう。「煩すぎる。」と感じる人は一定数はいると思うが明るいキャラクターは貴重。引退後もサッカー界に大きな貢献が出来るだろう。
当時の監督やスタッフやチームメイトのことをありのままに語ったので面白い話が多かったが特に印象に残ったのは
・途中出場で途中交代となったMF稲本を慰めたエピソード。
・安定感のあるMF酒井友。常に「6.0」のプレーをする。
・細いMF小笠原。昔は2列目の選手だった。
・キレキレのMF本山。前半のみで退いたのは采配ミス(?)
・選手交代のバリエーションはなかったトルシエ。
・FW播戸に物まねをされると喜ぶトルシエ監督。
・声を出せないDF手島。監督としてやっていけるのか?
などなど。FW永井雄は「端正なルックスでクールな選手」というイメージだったが、FW播戸につられたのか、彼もかなり饒舌だった。今大会はここまでノーゴールだったが前半35分に彼が決めた鮮やかなゴールが日本を決勝に導いた。彼らの学年は「黄金世代」と呼ばれて長きに渡って日本サッカー界を引っ張ってきたがこれほど個性的な選手が集まる学年は他にはなかった。「史上最高の世代」と言えるだろう。
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