■ 初陣ミラー監督を解任し、江尻監督を新監督に迎えたジェフ千葉。4勝8敗7分けで現在、16位と苦しい戦いが続いている。対するジュビロ磐田は7勝8敗4分け。
ホームの磐田はケガ人続出。FWジウシーニョ、MF上田、MF成岡が欠場し、MF太田は海外移籍を画策中ですでにチームを退団。中盤のタレントが不足している。システムは<4-4-2>。GK川口。DF駒野、大井、茶野、山本脩。MF那須、岡田、山本康、村井。FWイ・グノ、前田。MF村井は今季3試合目のスタメン。MF岡田は今季初スタメン。
アウェーの千葉は<4-4-1-1>。GK櫛野。DF益山、福元、池田、青木良。MF中後、工藤、深井、アレックス、谷澤。FW巻。新外国人のFWネット・バイアーノはベンチスタート。
■ 一気の展開で・・・試合は立ち上がりから千葉が押し込む。人数をかけた分厚い攻めを見せて、サイドからチャンスを作る。しかし、前半11分にそれまでほとんどボールを保持できていなかった磐田が、MF岡田のロングシュートであっさりと先制。さらに、前半12分にもMF村井のゴールで2点リードを奪う。リズムは悪くない千葉だが、前半37分に左サイドの突破を許し、中央でFW前田にヘディングで合わせられて3失点。前半で3点ビハインドとなった。
後半になると、千葉が猛反撃。FWネット・バイアーノを投入し、前線でポイントが出来始めると、後半12分にMF谷澤のアシストからFW巻が右足で決めると、さらに後半14分にMF谷澤がFWネット・バイアーノのパスから決めて1点差に迫る。
押せ押せの千葉だったが、磐田はGK川口を中心に何とか守り切って3対2のままで終了。磐田は9位に浮上した。
■ 1ゴール2アシストの村井磐田は苦しみながらも1点リードを守り切って勝利。中盤は怪我人が続出し、苦肉の策のスタメン起用であったが、代役のMF岡田とMF村井が立ち上がりにゴール。それまでほとんど攻める事が出来なかった時間帯に生まれたMF岡田のゴールは大きく、試合の流れを引き寄せた。
また、MF村井は古巣を相手に1ゴール2アシストの活躍。前半はi右サイドバックが不慣れな千葉のDF益山とのマッチアップ。果敢にサイドから仕掛けて前半の全てのゴールに絡んだ。左MFで起用されることの多かったMFジウシーニョが今シーズン絶望となってしまったが、MF村井にとっては大きなチャンス。ここ数年は存在感の発揮しきれていないが、巻き返しのチャンスである。
■ 本調子ではないイ・グノパリ・サンジェルマンへの移籍がなくなって磐田へ戻って来たFWイ・グノ。復帰2試合目となったが、この試合はノーゴール。惜しいシュートチャンスもあったが、コンディションが万全では無いのは明らかで、好調時の勢いはなかった。
移籍に伴うごたごたもあって、心身ともに疲れの出る頃であるが、彼の爆発が上位進出には不可欠。攻撃陣に怪我人が増えているだけにFWイ・グノにかかる期待は大きいが・・・。
■ 江尻監督の初戦ミラー監督に代わって監督に就任した江尻氏。その初戦は黒星スタートとなったが、MF工藤とMF中後を中心とするダブルボランチを起点とした人数をかけた攻撃はこれまでには見られなかったスタイルであり、大きな変化を感じさせた。
新外国人のFWネット・バイアーノはスタメンから外れてメンバー的には今シーズンの開幕から戦ってきたメンバーと大きな違いはなかったが、意識の違いなのか、前に運ぶ意識と味方を追い抜いていく動きが目立った。
指導者のキャリアを見ても、どういうサッカーをしたいのかは明らかであるが、とにかく、人真似ではなくて自分の色を出していかないと生き残れない。幸運なのは、守備ラインについては万全ではないものの、それなりに整備されてきたので求め過ぎる事が無ければ、大きく変化させる必要はない。
また、攻撃に関してはほとんど手つかずで選手は空腹の状態だったので、選手が監督に期待するものは大きいはず。ここでしっかりとしたトレーニングを行って方向性を示すことが出来れば、選手は付いてくるだろう。
■ ネット・バイアーノは本物か?後半開始から登場した千葉の新外国人FWネット・バイアーノ。来日2試合目での初ゴールは無かったが、45分間に非常に存在感のあるプレーを見せた。
ストライカータイプなのかと思っていたが、ポストプレーヤータイプなのだろうか。187cmの体を生かしたポストワークは秀逸。相手を背負ったプレーは体の使い方も抜群で、ペナルティエリア内でも、磐田のディフェンダーは全く対抗できなかった。
当然、フォワードのポジションの選手なので、ゴールを決める能力があるのかが焦点であり、もしポストだけの選手であれば、相手は恐くないだろうが、今の段階では、ペナルティエリア内でもしっかりとしたプレーが出来るので、相手はやっかいである。
■ 失敗したサイドの人選千葉は右サイドバックに19歳のDF益山を右サイドバックで起用したが、散々な出来。2失点目は中途半端なトラップをカットされてMF村井に独走を許し、3失点目はサイドハーフとの連携不足もあったが、サイドで簡単に2対1を作られて、MF村井に簡単にクロスを許した。
千葉はDF坂本とDF和田が起用できなかったため、DF益山を抜擢して若い勢いに賭けたが、ものの見事に失敗した。後半はDF青木を右サイドバックに回して、MFアレックスを左サイドバックに下げたことで機能性を取り戻した。当然、右にDF青木、左にDFアレックスをスタメンで起用するという策も十分に考えていただろうだけに残念だった。
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