■ 次期監督が決定ジェフ千葉は、解任されたクゼ氏の後任として、リバプールのヘッドコーチであるアレックス・ミラー氏(58)の就任が内定したした。また、ヘッドコーチには元名古屋の沢入重雄氏が就任し、ミラー氏の登録が完了するまでの間、監督代行として指揮を執ることが発表された。
ジェフ千葉はここまで11試合でわずかに勝ち点「2」。巻き返しを図るには、中断期間までの2試合(京都・大分)で勝利することが求められる。
■ クゼ氏解任の理由クゼ氏の解任の理由は、ジェフらしいアグレッシブなサッカーをついに一度も披露できなかった、という1点に尽きる。確かに日本代表クラスの選手の離脱は大きかったが、メンバーを見るとそれなりに戦えるメンツが集まっており、11試合未勝利という成績にふさわしい戦力ではなかった。
試合を見ても相手に押されることが多く、常に主導権を奪われた中での試合が続いた。勝利を求めることは必要だが、必要以上に勝利を求めると、逆に負けたくないという気持ちが先行してしまって、マイナスに作用することが多い。
その点で、クゼ氏のスタイルは現在のチームにはミスマッチであったと言わざるをえない。
■ 新監督に求められること①新監督に求められるのは、まず全体の意識改革だろう。シーズン前から「降格候補の1つ」と言われ続けたことで、選手もフロントもサポーターも「降格だけはしたくない。」という思いにとらわれてしまって、らしさを失っていた。凝り固まった状態では、思うようにならないのは必然である。
確かに降格は厳しいものである。日本リーグ時代からの名門であればなおさらである。ただ、背伸びをして残留をしても、明るい未来が訪れるとは限らない。スタイルを捨てて、すがりついてまで残留を果たしたとしても、幸せかどうかは分からない。
考えてみると、浦和も、柏も、東京Vも、京都も、札幌も、神戸も、川崎Fも、降格を経験している。これらのチームが置かれている現状はそれぞれだが、降格が転機となったチームも少なくない。
J2に降格したらそれで終わりかといったらそうではない。サポーターにしても、「降格したらジェフサポを辞める。」と考えている人はほとんどいないだろう。チームはこの先もずっと続くのである。
■ 新監督に求められること②オシム以前の2002年シーズンの2ndステージの平均観客動員数は「7384人」であり、それが2007年には「14149人」となった。フクアリという近代的なスタジアムが完成したことも大きかったが、この短期間に倍増している。
改めて考えてみると、フクアリに通うジェフサポーターが見たいのは、必ずしも「強いジェフ」ではないはずである。ここ数年、ジェフ千葉が他チームのサポーターからも高く評価されてきた理由も、勝ちとったタイトル数や残した成績だけが理由ではなかった。
幸いにも、13節を終えると、長い中断期間に入る。この期間に、アレックス・ミラー新監督は、ジェフらしいサッカーを確立する必要がある。それは、イビチャ・オシム監督が築いたサッカーと同じかもしれないし、そうではないかもしれないが、ともかく、魅力的なサッカーを取り戻さなければならない。
魅力的なサッカーをすれば、少なくともサポーターの心がチームから離れることはない。そんなチームは、苦しくなったときにそれが大いなる武器になる。
とはいっても、魅力的なサッカーを志すことは、エンターテイメント性の観点からだけが理由ではない。戦力が比較的拮抗している今のJリーグでは、魅力的でいいサッカーを追及し、披露することは、勝利への最大の近道となりうるからである。
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