サッカーコラム J3 Plus+　

■　連勝なるか？

前節、札幌に3対0で勝利した首位のセレッソ大阪。完封勝利は20節のファジアーノ岡山戦以来と久々に攻守が噛み合う引き締まった試合を見せた。

ホーム2連戦で連勝と行きたいC大阪は<3-6-1>。GKキム・ジンヒョン。DF江添、チアゴ、羽田。MFマルチネス、黒木、酒本、石神、乾、香川。FWカイオ。14節のアウェーゲームでタックルを受けて負傷し、全治3ヶ月の診断を受けたFWカイオはスタメン出場。

対するアウェーの草津は<4-2-2-2>。GK常澤。DF崔成勇、喜多、田中、小池。MF松下、櫻田、熊林、山崎。FW後藤、高田。FW都倉とMF広山が出場停止。元韓国代表のDF崔成勇は今シーズン、4試合目のスタメン。

■　カイオの決勝ゴール

試合は、中２日と言うこともあって両チームともコンディションがイマひとつ。大阪特有の夏の暑さも追い打ちをかけてやや低調な内容。前半は特に動きの重いC大阪を相手に草津がボールを支配するが、効果的な攻撃は出来ず。前半は0対0で終了。

後半開始から草津は怪我のFW後藤に代えてDF寺田を投入し、MF小池のポジションを上げる。また、 C大阪はMF黒木に代えてMF濱田を投入。ポゼッション力のアップを狙う。

膠着状態が続いたが、後半26分に左サイドのMF石神のアーリークロスをFWカイオがニアで合わせて先制。FWカイオは今シーズン7ゴール目。MF石神の高精度の左足がゴールを呼び込んだ。

結局、このゴールが決勝点となってC大阪が勝利。1対0という僅差ながら貴重な勝利で首位を守った。

■　都倉を欠いたザスパ

14ゴールで得点ランキング4位のFW都倉を欠く出場停止で欠いた草津は、シュートわずかに5本。1点ビハインドの状況から巻き返すことは出来ず、後半は、ほとんどチャンスを作れずに終わった。守備陣は機能していて、C大阪を1点に抑えたが、ゴールは遠かった。

やはりFW都倉を欠いた影響は大きく、高さが無く、相手にプレッシャーを与える事は出来なかった。比較的、パスはうまく回っていたが、最終的にどういう形でシュートを放つのかのイメージが浮かばずに終わった。

■　抑え気味の両サイド

守備に不安のあるC大阪であるが、これで2試合連続完封勝利。両サイドのポジションがやや下がって、以前と比べるとやや守備的な戦術になっているが、大事な試合が続く中では、致し方ない。

この試合は、結局、サイド攻撃がゴールにまで結びついたが、本来、C大阪のサイド攻撃はあくまでも中央からの攻撃をより生かすためのオトリのようなものであるといえる。もともと前線の3人だけでも攻撃力があって、3人の連携だけでもシュートまで結び付けることのできるメンバーなので、両サイドが攻撃に関与する回数が減ったとしても大きな得点源にはならないはずだ、実質、これまで以上に、中央にマークが集中する可能性はある。

相手のディフェンスを広げて目先を変えるのに効果的であったサイド攻撃の頻度が減ることで守備の安定を取り戻すことが出来るが、得点力を落とさないためには、3トップにはさらなる向上が求められる。

■　リベンジしないカイオ

5月9日のアウェーの草津戦で相手のDF田中のアフタータックルを受けて負傷退場したC大阪のFWカイオ。全治3カ月の大怪我であったが、懸命のリハビリの甲斐もあって約2カ月で復帰。療養中には対戦相手だった草津のサポーターからも４千羽もの千羽鶴が届いたという。


「サッカー選手にケガはつきものです。あの（タックルをした）CBの選手も、わざとケガをさせてやろうとしたわけではありません。セレッソも草津も負けられない試合になりますが、プレゼントのお礼は、きっちり勝つことでお返ししたいと思います（カイオ談）」


試合前にこのように語っていたFWカイオはきっちりと結果を残した。ブラジル国籍であるが、4人の祖父母のうちの3人が日本人という「日系ブラジル人3世」ということもあって、「ブラジル人特有の高いサッカーセンス」と「献身的なプレーを厭わない日本的な良さ」がミックスされた魅力的なプレースタイルである。

パワフルな左足は威力十分であるが、シュートの精度には欠ける。187cmと高さはあるが、それほどヘディングは強くはない。もともと中盤の選手ということもあって、1トップの選手としてはまだまだ向上の余地はあるが、底知れない潜在能力を持つのは間違いない。

試合終了後、FWカイオは大怪我の原因となるファールを犯した草津のDF田中と笑顔で握手を交わし抱き合い、草津サポーターにも千羽鶴のお礼のための挨拶に行ったという。






[セレッソ大阪 2007]

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[ザスパ草津2007-2009]

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1638 　2009/05/01 　【徳島×草津】 小池純輝の決勝弾
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