10位 : DF 森重真人 (FC東京) → 9.42キロ/90分
→ フィールドプレーヤーの中では「CBとCFの走行距離は少なくなりがち」である。「相手のセットプレーのときにゴール前まで戻らないCF」と「自分たちのセットプレーのときにゴール前まで上がっていかないCB」は自然と走行距離が少なくなるがDF森重はセットプレーのときはターゲットになるので、当然、点が欲しい時はゴール前に上がっていく。攻撃参加も好きなCBなので走行距離の少なさは意外に感じる。
9位 : DF 町田浩樹 (鹿島アントラーズ) → 9.37キロ/90分
→ 190センチを超える身長。左利きという特性もあるのでユース時代から将来を嘱望されてきた大型CBだったが怪我の影響もあって伸び悩んだ。順調なプロキャリアになっていなかったが昨夏にDF植田直、昨オフにDF昌子が抜けたことでチャンスは拡大。DFチョン・スンヒョンが離脱した時期にスタメンで起用されて良いプレーを見せた。大柄な選手なので走行距離が少なくなるのは至って自然なことである。
8位 : DF 谷口彰悟 (川崎フロンターレ) → 9.36キロ/90分
→ DF森重(FC東京)にも同じことが言えるが「ボランチでもプレーできるほどの技術と判断力を持ったCB」である。サッカーの世界ではボールを受けようとするときに動く必要があるので「パス出しが得意な選手」や「ビルドアップの時に中心になる選手」の走行距離は増えやすい。そのことを考えるとDF森重やDF谷口彰の走行距離が少ないのはやや意外に感じる。「走行距離が少ない選手」という印象はない。
7位 : FW 藤本憲明 (大分トリニータ) → 9.30キロ/90分
→ 開幕からゴールを量産。昇格1年目ながら快進撃を続ける大分の象徴的な存在になっている。ゴールセンスの高さが際立っているが走行距離は少ないようだ。日本人選手の中では4番目に少なくて、攻撃的なポジションの日本人選手の中ではワースト。「必要以上に動かずにエネルギーを貯めて大事なところで力を出している。」と言える。そのスタイルでゴールという結果を残しているので誰も文句は言わないだろう。
6位 : DF 大井健太郎 (ジュビロ磐田) → 9.26キロ/90分
→ 前半戦は最下位で折り返した磐田の守備の要。失点数は決して多くないので守備の要であるDF大井を責めることはできない。極めて難しいシーズンになっているが走行距離は、ほぼ毎年、J1の中で最低レベルである。ただ、CBの選手は「10キロちょっと」という選手がほとんど。9キロ台前半の選手は少ないとは言っても他のポジションと比べると「少しばかり少なくても全く問題はない。」と言える。
5位 : DF 内田篤人 (鹿島アントラーズ) → 9.24キロ/90分
→ 鹿島に復帰して2年目になるが今シーズンも怪我に泣かされている。万全の状態になることは期待できないので騙し騙しやるしかないような状態になっていると思うがアップダウンすることが求められるSBの選手としては異例の少なさになる。「90分あたりのスプリント回数」も8.06回/90分なのでかなり少ない。若い頃はスピードを生かしたタイミングのいい攻撃参加が武器だったので寂しさも感じる。
4位 : DF 奈良竜樹 (川崎フロンターレ) → 9.18キロ/90分
→ 怪我をして長期離脱しているが万全の状態に戻ったらフル代表入りも狙えるファイター系のCBがワースト4位。日本人のフィールドプレーヤーの中ではワースト1位となった。川崎FはDF谷口彰もワースト8位にランクインしているのでCBのレギュラー2人がランクイン。さらに、下の表のとおり、DFジェジエウが11位、DF舞行龍ジェームズが18位。CBの主要選手が揃ってランキングに顔を出している。
3位 : FW アダイウトン (ジュビロ磐田) → 8.95キロ/90分
→ スピードとパワーを生かしたプレーが特徴となる。Jリーグの中継のときに「運動量の多い選手」あるいは「守備面での貢献度が高い選手」と紹介されることもあるが、ほぼ毎年、90分あたりの走行距離は9キロ前後。J1最少レベルである。攻め残りをするケースが多くて守備の時に低い位置まで戻らないことも少なくないので「走行距離はJ1の選手の中では最低レベル」になる。誤解されがちな選手である。
2位 : FW ジョー (名古屋グランパス) → 8.80キロ/90分
→ 2018年はJ1の得点王に輝いた元ブラジル代表のストライカー。今シーズンはゴールペースが上がっていないので「力を出し切れていない。」という印象になるが「いるだけで怖い選手」である。攻撃の時にサイドに流れたり、守備のときに低い位置まで戻ってくるよりも、中央でどっしりと構えられた方が相手にとっては脅威になる選手なので、走行距離がこのくらいでも特に問題はないと言えるだろう。
1位 : FW ダビド・ビジャ (ヴィッセル神戸) → 8.70キロ/90分
→ オフに神戸に加入した世界的なストライカーが90分換算の走行距離のワースト1位になった。37才という年齢を考えると致し方ないところもあるが9キロ未満は3人のみ。運動量は決して多くない。ただ、「動いていない。」あるいは「動けていない。」という印象はほとんどない。実際に十分なペースでゴールを決めていることを考えると「FWダビド・ビジャの走行距離が少ないこと。」は何ら問題ではないだろう。
表1. 90分あたりの走行距離のワースト30 (16節終了時点)
順位 | 選手 | 所属 | 試合数 | 出場時間(分) | 走行距離/90分 | SP回数/90分 |
1 | ダビド ビジャ | ヴィッセル神戸 | 14 | 1,128 | 8.70 | 14.28 |
2 | ジョー | 名古屋グランパス | 14 | 1,226 | 8.80 | 10.35 |
3 | アダイウトン | ジュビロ磐田 | 16 | 1,281 | 8.95 | 19.25 |
4 | 奈良 竜樹 | 川崎フロンターレ | 8 | 697 | 9.18 | 9.30 |
5 | 内田 篤人 | 鹿島アントラーズ | 4 | 324 | 9.24 | 8.06 |
6 | 大井 健太郎 | ジュビロ磐田 | 8 | 720 | 9.26 | 11.63 |
7 | 藤本 憲明 | 大分トリニータ | 16 | 1,404 | 9.30 | 24.62 |
8 | 谷口 彰悟 | 川崎フロンターレ | 13 | 1,170 | 9.36 | 10.23 |
9 | 町田 浩樹 | 鹿島アントラーズ | 10 | 826 | 9.37 | 8.61 |
10 | 森重 真人 | FC東京 | 16 | 1,440 | 9.42 | 6.56 |
11 | ジェジエウ | 川崎フロンターレ | 6 | 540 | 9.48 | 17.00 |
12 | マウリシオ | 浦和レッズ | 11 | 990 | 9.52 | 10.73 |
13 | ファン ソッコ | 清水エスパルス | 16 | 1,435 | 9.55 | 10.72 |
14 | チャン ヒョンス | FC東京 | 12 | 1,080 | 9.56 | 10.50 |
15 | ルーカス ポドルスキ | ヴィッセル神戸 | 8 | 623 | 9.57 | 9.39 |
16 | 菅沼 駿哉 | ガンバ大阪 | 8 | 719 | 9.58 | 8.51 |
17 | 犬飼 智也 | 鹿島アントラーズ | 15 | 1,350 | 9.60 | 10.40 |
18 | 舞行龍ジェームズ | 川崎フロンターレ | 3 | 270 | 9.64 | 9.00 |
19 | 金 英權 | ガンバ大阪 | 14 | 1,260 | 9.66 | 8.43 |
20 | 中村 憲剛 | 川崎フロンターレ | 7 | 511 | 9.68 | 8.45 |
21 | ダンクレー | ヴィッセル神戸 | 14 | 1,259 | 9.70 | 12.58 |
22 | 岩波 拓也 | 浦和レッズ | 9 | 721 | 9.74 | 8.74 |
23 | ハモン ロペス | ベガルタ仙台 | 13 | 951 | 9.74 | 22.52 |
24 | 橋内 優也 | 松本山雅 | 15 | 1,273 | 9.74 | 11.45 |
25 | レアンドロ ペレイラ | 松本山雅 | 11 | 793 | 9.74 | 11.58 |
26 | 渡辺 剛 | FC東京 | 4 | 353 | 9.77 | 13.26 |
27 | ディエゴ オリヴェイラ | FC東京 | 16 | 1,423 | 9.78 | 22.83 |
28 | 吉野 恭平 | サンフレッチェ広島 | 13 | 1,170 | 9.81 | 11.54 |
29 | 庄司 朋乃也 | 大分トリニータ | 5 | 316 | 9.82 | 10.25 |
30 | チョン スンヒョン | 鹿島アントラーズ | 6 | 540 | 9.82 | 10.00 |
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