■ リーグ制覇も夢ではないC大阪J1の29節は10月18日(金)と10月19日(土)に行われたが7位の札幌と6位のC大阪の上位対決は前半6分にMF柿谷の決めたミドルシュートが決勝ゴールとなって1対0でC大阪が勝利した。C大阪は「アウェイでの札幌戦」が鬼門になっており、リーグ戦で勝利するのは2009年10月7日(水)以来となる。このときは途中出場したMF香川が後半44分に劇的な決勝ゴールを決めて1対0で勝利しているが約10年ぶりの勝利となった。
勝ち点「49」となったC大阪は5位に浮上。残り5試合で16位の湘南との差が「18」になったのでJ1残留が確定した。昨オフにMF山口蛍やFW杉本健やMF山村和など主力が流出したので難しいシーズンになる可能性もあったが右肩上がりのシーズンになっている。首位の鹿島との差は「7」。残り試合は大分戦(A)を除くと下位チームばかりになる。ACL出場どころか、J1優勝の可能性も全くのゼロではないと言える。
30節が松本山雅戦(H)、31節が湘南戦(H)になる。ホームで17位の松本山雅と16位の湘南と対戦することになるが取りこぼすことなく2連勝できると「もしかしたら・・・。」の期待感は高まるだろう。32節が神戸(A)、33節が清水(H)なのでその後も残留争いに巻き込まれているチームとの対戦になる。最終節は大分戦(A)になるがC大阪が上位争いをかき回す存在になりつつある。勝ち続けて最後まで希望をつなげたい。
■ 失点の少なさは驚異的順位の近い札幌との試合は耐える時間の長い展開になった。先制した後も前半11分にFWブルーノ・メンデス、前半33分にMF水沼にビッグチャンスが訪れたが決められず。突き放すための絶好のチャンスを逃したことが響いて楽な展開にはならなかった。札幌は何と14本ものCKを獲得している。セットプレーが得意な札幌にこれだけたくさんのCKを与えるのは良くないがDFマテイ・ヨニッチを中心に全て守り切った。
29試合でわずか22失点のC大阪はJ1最少失点を維持した。年間の試合数が34試合になった2005年以降でJ1での年間最少失点は2008年の大分の24失点になるが「残り5試合で2失点以下」となると全く不可能ではない。「前半の45分間で許した失点は3つのみ」というのも驚異的である。一方、前半にC大阪が奪ったゴールは「16」。29試合で16得点/3失点になる。試合を優位に進めることが多いのも納得できる。
「しょうもないミスとセットプレー以外で失点しそうな感じはない。」という風なコメントが選手たちから聞かれるようになっているがそう思うのも理解できる。2007年の途中にクルピ監督が就任してからのC大阪は「攻撃的なチーム」というイメージが強くなった。「ザルッソ」と揶揄されることも多かったが過去を振り返ってみても「失点が少ないときのC大阪は高確率でJ1の上位争いに参加できている。」と言える。
■ 複雑な関係を持つ札幌とC大阪C大阪はアウェイで大きな勝ち点「3」を獲得することが出来たがこの2チームの関係性はやや特殊である。C大阪のサポーターにとって札幌はその他のチームと全く同じ。「1/18」や「1/55」だと思うが、札幌のサポーターにとってC大阪は「1/18」や「1/55」とは言えない。道内のライバルである日本ハムファイターズの親会社である「日本ハム」がC大阪のトップパートナーの1つであることが問題を複雑にしている。
「日ハムもコンサも応援している。」という北海道民が大半になると思うがプロスポーツのチームとして先に北海道で活動を始めたのはコンサドーレ札幌になる。2004年に日ハムが東京から北海道に移転してきたが2019年時点での道内での人気や注目度は日ハムの方がかなり上になる。昔からコンサドーレ札幌を応援しているコアなサポーターの中には「日ハムのこと」を疎ましく思っている人も少なくないだろう。
それ故に「日ハムと関係が深いC大阪のこと」も疎ましく思っているサポーターは少なくないと思うが両チーム間での選手の行き来は少なくない。札幌の守護神のGKク・ソンユンはC大阪でプロキャリアをスタートさせた選手になる。昨オフにFW都倉が札幌からC大阪に移籍したのは驚きだったがDFブルーノ・クアドロスやMF西谷やFWデリー・バルデスやFW播戸など「C大阪でも札幌でも活躍した選手」は意外と多い。
■ 最大の遺恨を残したのはDF山下昨オフのFW都倉の移籍も遺恨を残したが過去最大の遺恨移籍はDF山下の件(C大阪→札幌→C大阪→柏)になる。2006年にC大阪に高卒で入団したがほとんど試合に絡めなかった。2010年のオフにC大阪から札幌に完全移籍して2011年は札幌の主力として活躍。CBとしてJ1昇格に大きく貢献したがわずか1年でC大阪に戻った。「期限付き移籍だった。」と勘違いしている人も多いが完全移籍での札幌入団だった。
その後、C大阪に戻って2014年には日本代表候補にも選出されている。長きに渡ってC大阪の守備の要として活躍したが「残留はほぼ確実」と言われた中、急転直下のC大阪移籍だったので札幌側は困惑した。C大阪への完全移籍が発表されたのは2011年12月27日になるが守備の要として期待していたDF山下を失った札幌は翌2012年のJ1で4勝28敗2分けで勝ち点「14」のみ。ダントツの最下位でJ2降格となった。
15位の新潟の勝ち点は「40」。その差は「26」もある。C大阪に復帰して1年目となる2012年のDF山下はJ1で9試合の出場のみ。当時の実績や実力を考えると「DF山下が札幌に残っていたとしても札幌の成績はほとんど変わらなかった可能性が高い。」と言えるが計算が大きく狂ったのは間違いない。2011年のJ1昇格に大貢献して人気者になっていた反動もあって札幌のサポーターからヘイトを集めることになった。
■ 執拗にブーイングをされる選手「当時の札幌は経営的にかなり苦しかったのでDF山下の完全移籍によってC大阪側から支払われた数千万円(?)の移籍金は大きかった。」とも言われているので当時のDF山下の選択を擁護する意見もあるが、やはり、ごく少数である。2015年・2016年・2017年・2018年・2019年と5年連続で札幌とC大阪は同じカテゴリーに所属しているが「DF山下へのブーイング」というのはこのカードの恒例行事になっている。
昨オフにC大阪から神戸に移籍したMF山口蛍のように「移籍初年度の選手が元クラブのサポーターから試合中にボールを持ったときにブーイングをされるケース」はJリーグでもそれなりの頻度で見られるがDF山下のように移籍して7・8年が経過している選手がブーイングを浴び続けるというのはかなり珍しい。これほど元クラブのサポーターから執拗にブーイングをされる選手というのはJリーグでは相当に珍しい。
「それほど当時の札幌にとってDF山下は重要な選手だった。」と言えるがさすがに7・8年前の出来事を引きずってしまうというのはどうかと思う。「試合中のブーイング」はあっても良いと思うが傍から見たときにみっともなく感じずに済むのは「移籍1年目の選手へのブーイングのみ」である。例えば、C大阪のサポーターが来シーズンもMF山口蛍に対して試合中にブーイングをするようだとみっともなく感じるだろう。
7・8年前の出来事になると「そもそもとしてDF山下が札幌にいたことすら知らない。」という人も少なくないだろう。ポリシーがあって一部のサポーターはDF山下へのブーイングを続けているのだと思うが「ふられた女のことをいつまでも引きずる男(ふられた男のことをいつまでも引きずる女)」とイメージが重なる。今夏、DF山下はC大阪を離れて柏に移籍したが、来シーズンの柏戦はどういう反応になるのだろうか?
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