サンフレッチェ広島→ 前半戦は13勝2敗2分けで勝ち点「41」。圧倒的な成績で折り返した。序盤戦は僅差の勝負になることが多くて「勝負強さ」を発揮して勝ち点「3」を積み上げたが試合を重ねるごとに攻撃陣が成熟されてきて大量点を奪って勝利をする試合が増えてきた。17試合でわずか8失点という守備陣の頑張りが目立っているが、攻撃陣も17試合で26得点。十分な得点力を誇る。攻守が噛み合って首位を独走している。
前半戦だけでJ1残留のために必要な勝ち点とされる「38」を上回っている。これだけの成績を残しているので、当然のことながら、夏の補強で選手をたくさん獲得する必要は全くない。新戦力の補強が全くなかったとしても何の問題もなかったが、Aリーグで実績を残したコソボ代表のFWベサルト・ベリーシャ(メルボルン)を獲得。フォワードの層はさらに厚くなった。184センチとサイズに恵まれている選手である。
一方で出場機会に恵まれなかったDF丹羽大がFC東京に完全移籍となって、DF高橋壮はJ2の岡山に期限付き移籍となった。さらにら清水に期限付き移籍していたMF清水航は甲府に期限付き移籍となった。CBは長期離脱していたDF千葉が復帰してきたがもともと層の厚いポジションではないのでDF丹羽大が抜けると厚みという点では不安は大きくなる。今後、代わりになるようなCBの補強があってもおかしくない。
就任1年目の城福監督はメンバーを固定して戦っているのでサブ組の出場機会は限られる。FWベサルト・ベリーシャの加入によってフォワードの層が厚くなったのでさらに難しい立ち位置になるだろうFW渡を他クラブに貸し出す可能性が出てきた。また、中盤の選手では五輪代表候補のMF森島司やMF松本泰なども長時間プレーするのは難しい状況。期限付き移籍でJ2のクラブに貸し出すことも考えられる。
サガン鳥栖→ 前半戦は17位で折り返した。極度の決定力不足に陥って7連敗を喫した時期もあったが、今夏、世界的なスーパースターのFWフェルナンド・トーレス(Aマドリー)の獲得に成功した。大きな注目が集まっているがさらに元エースのFW豊田(蔚山現代)の復帰も決まった。当初は1年間の期限付き移籍だったが半年間で期限付き移籍の期間を切り上げて危機的な状況に陥っているチームを救うために戻ってきた。
「この2人だけでも十分」と言えたがさらにFW金崎(鹿島)の獲得に成功した。鹿島でエースとして活躍してきた代表クラスのストライカーを地方のクラブである鳥栖がシーズン途中で強奪するというのは一昔前であれば全く考えられない話である。Jリーグ史上でも屈指のサプライズ移籍と言える。FWフェルナンド・トーレスとFW豊田とFW金崎が加わったフォワード陣の豪華さはJリーグではあり得ないレベルである。
超・大型補強に成功して後半戦の巻き返しが大いに期待されるが、3人のストライカーをどのように起用するのか?は興味深い。「4-4-2」を採用するケースが多いチームなので「FWフェルナンド・トーレスとFW金崎の2トップで、FW豊田がスーパーサブとしてベンチに控える。」という形がもっともあり得る起用法になるが、前半戦は大きな弱点になったフォワード陣が一転して鳥栖の最大のストロングポイントになった。
気になるのは韓国代表としてロシアW杯に参加したDFチョン・スンヒョンが抜けた点になる。鹿島に移籍することになったが将来性が高くて大きな可能性を秘めた大型CBだったのでダメージは小さくない。DF乾大知(長崎)を獲得したが「さらに上のレベルのCBの補強」を画策していても何ら不思議はない。また、FWイバルボとMF安庸佑が怪我のため登録抹消。FWイバルボが使えなくなったのは結構な痛手である。
V・ファーレン長崎→ 17節を終えた時点では5勝10敗2分けで勝ち点「17」。残留圏ギリギリの15位に位置するが初昇格チームということを考えるとJ1の舞台で健闘している。目立つのは攻撃陣になる。FW鈴木武蔵とMF中村慶の2人がゴールを積み重ねており、左WBのMF翁長、ボランチのMF中原彰の活躍も目立っている。FWファンマのゴール数が伸びない点は誤算の1つと言えるが17試合で21得点というのはまずまずである。
よく頑張っているが勝負はこれからである。16位のG大阪、17位の鳥栖、18位の名古屋はいずれもJ1経験の豊富なチームである。しかも、降格圏の鳥栖と名古屋については今夏に大型補強に成功して戦力を大幅にアップさせている。地力のあるチームや歴史のあるチームが下から追いかけてくる状況は長崎にとってプレッシャーになるだろう。残りは17試合。前半戦以上に厳しい戦いが待っているのは確実である。
今夏の選手の入れ替えは激しい。まず目立つのは出場機会に恵まれなかった選手を期限付き移籍で大量にJ2のクラブなどに修行に出した点になる。MF吉岡とFW木村裕は富山、MF碓井は群馬、DF乾大知は鳥栖、DF田代真は横浜FC、DF北谷はFC岐阜、大卒ルーキーのDF本多琢はJFLのヴェルスパ大分で経験を積むことになったが極端なほどのスリム化を図った。選手層が一気に薄くなった点は気になるところである。
サッパリだったMFベン・ハロランも契約解除となったが、加入が決まったのはFWハイロ・モリージャス(エスパニョール)とDFヨルディ・バイス(シドニーFC)の2人になる。スペイン人のFWハイロ・モリージャスは187センチの長身。スペイン1部での実績は乏しい。対照的にオランダ人のDFヨルディ・バイスはオランダ1部のNACなどで主力として活躍したかなりの大物である。なかなかいい補強が出来たと考えられる。
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