■ ACLの第5節アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の1次リーグの第5節。F組で首位に立つ鹿島アントラーズがホームでタイのクルンタイ銀行と対戦。
鹿島はJ1の第6節で浦和レッズに敗れたあとの5試合で2敗3分けと失速気味。一次リーグ突破のためには、勝利はもちろんのこと得失点差も稼ぎたい。
鹿島はDF内田とFWマルキーニョスが怪我のため欠場。GK曽ヶ端。DF伊野波・大岩・岩政・新井場。MF青木・小笠原・本山・野沢。FW興梠と田代。MFダニーロ、FW佐々木らがベンチスタート。
■ GL突破は目前試合は前半から鹿島が完全に試合を支配する。前半18分と前半20分にともにMF小笠原のセットプレーからDF岩政とFW興梠のヘディングシュートで2点をリードする。鹿島は、試合終了間際にも、MF野沢の突破からFW田代が決めて3点リードで前半を終える。
後半もMF野沢、MF小笠原らのゴールで5点を追加。試合終了間際に1点を許すが大勢に影響はなく、8対1で勝利。GL突破に大きく前進した。
■ グレードアップする青木剛 前回、対戦した時は9対1で勝利している相手であり、実力差のあるチーム相手だったとはいえ、鹿島はここ最近の嫌なムードを払しょくするほどのゴールラッシュを見せた。圧倒的な体格差を生かしたセットプレーも大きな威力を発揮したが、流れの中で完璧に崩したシーンも多く、今後に向けて、いいイメージトレーニングになるかもしれない。
その中でも、ボランチのMF青木剛の充実ぶりが目に付く。鹿島入団当時から大きな期待を背負ってプレーしてきたが、ユース代表やアテネ五輪代表チームではなかなか真価を見せられずに、やや伸び悩みの時期もあったが、昨シーズン後半からスケールが大きく安定感のあるプレーを続けている。
MF野沢、MF小笠原、MF本山という3人の攻撃的な中盤の選手とMF青木で構成するボックス型の中盤は、隙がない。
■ ロングボールの有効性この試合は相手チームとの身長さが大きかったという理由もあったのか、前半から対角線にロングボールを送ってサイドを起点に攻撃を仕掛け、いつものショートパスだけでないダイナミックなワイド攻撃を見せるシーンが目に付いた。
特に右サイドバックでプレーしたDF伊野波は積極的に強くて正確なロングボールを逆サイドに展開し、DF新井場らの攻撃参加を促した。ここ最近の結果をみると、レギュラーのDF内田の離脱は間違いなく影響が大きく、DF内田の代役として起用されているDF伊野波にDF内田と同じプレーを求めるのは酷である。ここまではなかなか思うようなプレーが出来ていないDF伊野波だが、彼の良さといえるロングキックや守備力といった部分でチームに貢献できれば、チームにとって少なからず助けになる。
■ マルキーニョス不在の影響課題はやはり2トップの不出来。FW田代もFW興梠もゴールをマークしたが、決定機を逃すシーンも目立ち、全幅の信頼を置くことはできない。途中出場のFW佐々木のチャンスはあったがノーゴールに終わり、期待の前線の選手は今一つだった。
いずれの選手も昨シーズンから見事な結果を残してきたが、その活躍もFWマルキーニョスというしっかりとした軸があったからともいえる。FWマルキーニョスが不在の間にどれだけの活躍が出来るか、プレーヤーとしての真価が問われる。
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