■ ホームで連敗中・・・ホームのフクアリで4連敗中のジェフ千葉が、清水エスパルスと対戦した。試合は、前半4分に、清水が、枝村のパスを受けた市川のスーパーミドルで先制。直後に、千葉が佐藤勇人のゴールで追いつくも、後半10分にマルキーニョスが勝ち越しのゴール。後半26分には、矢島のシュートのこぼれ球を、藤本が押し込んでダメ押しのゴール。3対1で清水が勝利した。
■ 現れた新星若手の躍進が目覚しい清水エスパルス。昨シーズン後半から今シーズンの序盤にかけて、MF枝村・MF兵働・DF青山・MF藤本と4人の若手選手が一気にブレークしたが、その若手タレント軍団から、もう1人の逸材が現れた。FWの矢島卓郎。早稲田出身のルーキーである。(J1初ゴールは、4月1日のガンバ戦。シジクレイをぶち抜いて決めた衝撃的なゴールだった。その後怪我をしており、最近、ようやく復帰を果たした。)
182cm78kgという体格は、ポストプレーヤーと勘違いされそうだが、矢島の持ち味は高さではない。相手ディフェンダーに密着されてもものともしないパワーと、驚異的なスピードが武器のストライカーである。
清水の3点目は、矢島の仕掛けから生まれた。カウンターアタックから、相手ディフェンダーを外してシュートを放つと、ゴール前にいた藤本淳吾の仕事は、得意の左足でゴール前に流し込むだけだった。
球際に強くて、パワフルでダイナミックなプレーは、ひときわ目を引く。もしかしたら、この5人目の男が、もっとも将来性があって、もっとも大きな可能性を秘めた選手なのかもしれない。この試合では、チョ・ジェジンの出場停止に伴ってスタメン出場を果たしたが、チョ・ジェジンもうかうか出来ない。
■ サイドで存在感を発揮する市川大祐清水では、そのほかには、市川の充実振りが目を引いた。この選手は、若い頃から、オーバーラップのタイミングが抜群。1人で局面を打開できるわけではないが、チームの流れがいいときには、うまく中盤と絡んで素晴らしいプレーを見せる。
そして、なにより、先制点となったゴールは、グレートなゴールだった。まさか、市川がこんなシュートを持っているとは・・・。
■ 不可解な阿部のセンターバック千葉は、FW巻とMF羽生がベンチスタート。やろうとしているサッカーが極端に悪いわけではないが、何か雰囲気がよくない。FWハースは前線で奮闘したが、中盤の人数が過多で、ユーティリティな選手が多いためなのか、個々の役割分担が明確ではなくて、プレーエリアが重なっている選手が多く、どの選手も持ち味を十分に発揮でしきれていない印象が残る。
アマル監督になって、最も不可解なのは阿部の起用法。イビチャ監督も、ときどき阿部をセンターバックで起用していたが、アマル監督は、ずっと阿部をセンターバックで起用している。ディフェンダーの層の薄さとミッドフィールダーの層の厚さを考えての起用法だと思うが、残念ながら、ボランチとしての阿部は一級品だが、センターバックとしての阿部はそれほどでもない。この試合の決勝点となったマルキーニョスのゴールも、阿部の対応のまずさが原因だった。
アマル監督になって、千葉のサッカーに落ち着きが無いのは、阿部&佐藤という不動のボランチコンビを解消したからではないかと思うが・・・。
■ 試合の行方を変えたミスジャッジさて、この試合では、大きなミスジャッジがあった。後半3分、裏に飛び出したFWハースのシュートを、エリア外に飛び出した、GK西部が明らかに手でセーブしたシーンである。本来ならば、西部は退場で、千葉にフリーキックが与えられるはずであった。試合の行方を左右したジャッジといえる。
きわどいシーン(=リプレーで確認しなければ分からないようなシーン)で間違った判定を下すのは仕方ない面もあるが、誰がどう見ても分かるようなシーンで間違った判断を下すのは非常に問題である。好ゲームに水を差した形となった。
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