■ プレシーズンマッチ第17回となったシーズン前の恒例のちばぎんカップ。今年は柏の葉で対戦。
ホームの柏は<4-2-2-2>。GK菅野。DF村上、パク・ドンヒョク、近藤、橋本和。MF大谷、栗澤、レアンドロ・ドミンゲス、ジョルジ・ワグネル。FWホジェル、林。DF増嶋、MF茨田、MF安英学らがベンチスタート。MF大谷とMF栗澤のダブルボランチ。FWホジェルとFW林の2トップ。
対する千葉は<4-2-3-1>。GK岡本。DF山口、竹内、青木良、坂本。MF佐藤勇、伊藤、青木孝、米倉、深井。FWオーロイ。FWオーロイの1トップで、その下にMF深井、MF米倉、MF青木孝。フィールドプレイヤーとしては世界で最も身長の高い選手とされる204㎝のFWオーロイに注目が集まる。
■ 深井が決勝のPK試合の序盤は柏がチャンスを作るが、時間が経つにつれて千葉のFWオーロイの高さが生き始めて千葉が優勢となる。柏がブラジル人トリオとFW林の前線4人のコンビネーションが今一つで、なかなかいい形を作れない。千葉はMF伊藤のミドルシュートがクロスバーをたたくシーンなど、何度か柏の守備陣を脅かして前半を終える。
すると後半8分に千葉は左サイドからふんわりとしたクロスをゴール前に送ると、クリアしようとした柏のDF近藤がFWオーロイの肩に手をかけてジャンプしたとしてPKを献上。MF深井が左足で決めて千葉が先制する。
柏はMF茨田、MF大津、FW工藤ら若手を投入して同点ゴールを狙うが、MFレアンドロ・ドミンゲスのシュートがポスを直撃するなど、シュートチャンスを生かせない。結局、1対0で千葉が勝利した。
■ 204cmのオーロイ登場①千葉はドワイト監督が就任し、さらに204㎝のFWオーロイが加わったことで「サッカースタイル」が大きく変化した。これまではしっかりと中盤でパスをつないで崩すサッカーを目指していたが、パスの射程距離が長くなって、FWオーロイの高さを生かすサッカーに様変わりした。
FWオーロイは204㎝であるが、大きな割には動ける選手であり、足元も下手ではない。この試合は、「サイドからクロスが上がってFWオーロイがヘディングシュート」を狙うというシーンはほとんどなかったが、少し下がってきてボールを受けてさばくプレーは上手で、センターフォワードとして十分すぎるほどの存在感を示した。
シュートシーンは前半に左コーナーキックをヘディングで狙ったプレーだけだったので、どのくらいシュートセンスがあるのかは分からないが、「フリック」のときの落としの精度は抜群に高く、ヘッドは当てるだけなくて、精度も高そうである。
■ 204cmのオーロイ登場②フィールドプレーヤーとしては世界でもっとも背が高い選手ということであるが、確かに背が高い。マッチアップしたのはDFパク・ドンヒョクで「186㎝」とJ1の中で高さでは上位のCBであるが、204㎝のFWオーロイと比べると「18㎝」の身長差がある。186㎝の選手とマッチアップしてもミスマッチになってしまう状況である。
この試合のPKのシーンはDF近藤がジャンプしようとしたときにFWオーロイの肩に手をかけていたのでファールを取られてしまったが、普通に空中戦で勝負しようとしても難しい。ノルウェーリーグでの成績を見ると、そこまでゴール数の多い選手ではないので、J2でどのくらいゴールできるか分からないが、相手にとっては非常に厄介な選手であり、相当の対策を立てないと、やられてしまう可能性は高い。J2の各クラブがどういう対応をするのか見ものである。
■ 2列目の人選千葉はFWオーロイの1トップはほぼ決まりで、2列目にどういう選手を並べるのかが注目される。
この試合は、右にMF青木孝、トップ下にMF米倉、左にMF深井という並びであり、得点力のあるアタッカータイプを並べてきた。ベンチにはMF太田やMF村井というサイドアタッカーもおり、FWオーロイを生かすのであれば、サイドアタッカーを起用するのも効果的なので、彼らをどう使い分けるのかは悩みどころである。
トップ下はMF米倉になる可能性は高いが、仮に、右にMF太田、左にMF村井とすると、FWオーロイへのクロス一辺倒になってしまって、あまり有効でない可能性もある。まだ、FWオーロイ自体の得点力は未知数なので、2列目にも得点力が求められる状況であり、2列目の組み合わせは大注目である。
■ かみ合わなかった攻撃陣一方の柏は、攻撃陣が機能しなかった。FWホジェルとFW林の2トップで、MFレアンドロ・ドミンゲスとMFジョルジ・ワグネルが攻撃的MFに入ったが、バランスが悪くて、大黒柱のMFレアンドロ・ドミンゲスの力を引き出せなかった。
後半途中にMF大津が入ってMFジョルジ・ワグネルが左サイドバックに回ってから、攻撃が良くなってきたが、MFレアンドロ・ドミンゲスとMFジョルジ・ワグネルを並べていた時間帯は、MFレアンドロ・ドミンゲスが生きなかった。J2ではMFレアンドロ・ドミンゲスを中心にチームを作っていたが、サポート役としてMF茨田やFW北島あたりを入れた方が、スムーズにいきそうな感じはある。
■ 新外国人のジョルジ・ワグネル新戦力のMFジョルジ・ワグネルは左サイドハーフと左サイドバックでプレーした。まだ、あまりフィットしておらず、流れの中ではいいシーンは少なかったが、左足のキックは正確でセットプレーは脅威で、セットプレーではチャンスを作った。
柏には、MFレアンドロ・ドミンゲスもいて、右足がMFレアンドロ・ドミンゲス、左足がMFジョルジ・ワグネルとなると、J1でも屈指のレベルになる。DFパク・ドンヒョク、FWホジェル、FW林と背の高い選手は多いので、セットプレーは大きな武器となりそうである。
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