■ J1昇格の可能性は消滅・・・。J2に降格して10年目のジェフ千葉は35節を終えた時点で8勝15敗12分けで勝ち点「36」。17位に位置した。21位の栃木SCとの差が「7」なのでJ2の残留争いに巻き込まれていたが直近の36節はアウェイで長崎に勝利。勝ち点「39」となった。残りは6試合になるがここから鹿児島や栃木SCやFC岐阜といった下位クラブが急激に勝ち点を積み上げることは考えにくいことを踏まえると何とかJ2には残留できるだろう。
残り試合を全勝した場合の千葉の勝ち点は「57」。35節を終えた時点では6位の甲府、7位の水戸、8位の岡山がいずれも勝ち点「57」で並んでいる。千葉が全勝して、甲府・水戸・岡山の3チームがいずれも全敗した場合は勝ち点「57」で並ぶことが出来るが、勝ち点「55」で9位の徳島は38節が水戸戦(H)になる。水戸が全敗した場合は9位の徳島の勝ち点が少なくとも「58」になるので千葉よりも上になってしまう。
ということで35節を終えた時点で「千葉のプレーオフ出場の可能性」は消滅している。来シーズンもJ2で戦うのは濃厚な情勢になっているが早い段階で来シーズンの所属カテゴリーが(ほぼ)決まるとオフの動きは取りやすくなる。監督人事や選手補強の面ではアドバンテージになるがある韓国メディアが「尹晶煥監督がJ2のジェフ千葉の監督に就任することが確定した。」と報じて大きな話題になっている。
■ 鳥栖とC大阪を躍進された実績「交渉に合意した。」、「近日中に契約をする。」、「契約期間は2年と推測される。」と報じている。元・韓国代表の尹晶煥監督は2011年~2014年の途中まで鳥栖を率いている。就任1年目となる2011年にはクラブ史上初となるJ1昇格を達成しているが実質的にはその前年の2010年から監督の仕事を任されていた。ライセンスがなかったので形式上は松本育夫監督だったが実質的な監督は尹晶煥ヘッドコーチだった。
2017年と2018年はJ1のC大阪の監督を任されたが2017年は3位。ACLの出場権を獲得してルヴァン杯と天皇杯の2冠を達成した。C大阪にクラブ史上初タイトルをもたらした功績は大きい。就任2年目となる2018年はW杯の中断期間以降に失速して7位。2018年限りで契約満了でC大阪を離れて今年の4月にタイのムアントン・ユナイテッドの監督に就任しているが成績不振でわずか2か月で退任となっている。
韓国の蔚山現代でも2015年は7位、2016年は4位。まずまずの成績を残している。実績のある指導者であり、日本語も堪能なので尹晶煥監督の招聘を画策していたJリーグのクラブは少なくないと思うが韓国メディアの報道を信じると千葉が口説き落とすことに成功したようだ。J2のクラブを指揮するのは鳥栖が昇格を果たした2011年以来となる。ずっとJ2生活が続いている千葉にとっては久々の明るいニュースになる。
■ ハードワークできる選手が重宝される。韓国メディアはサッカーに関してはガセネタが多い。「確定と報じているが100%信用できる情報ではない。」と言えるが仮に事実であったならば千葉は大きく変わるだろう。現役時代はファンタジスタ系のパサーだったが監督としては厳格なタイプである。選手にはハードワークを求めるタイプで攻撃はシンプルにロングボールやクロスを多用する傾向が強い。運動量の多い選手や頑張れる選手が重宝されるだろう。
今、千葉でプレーしている選手の中では運動量が多いMF矢田やMF茶島のような選手は重宝される可能性が高い。また、鳥栖時代はFW豊田、C大阪時代はFW杉本健をフォワードの軸に据えて戦っている。尹サッカーにおいて「サイズのあるターゲット系のフォワード」は不可欠である。FWクレーベは187センチとサイズに恵まれており、空中戦に強い選手なので尹晶煥体制でもフォワードの軸になる可能性は高い。
クロッサーも必要になってくるが「秘蔵っ子」と言えのはMF水沼になる。鳥栖でもC大阪でも尹晶煥監督の信頼を勝ち取って不動の右サイドハーフとして活躍した。突破力のある選手ではないが運動量が豊富でクロスの精度が高いMF水沼は「尹サッカーの象徴」のような選手である。MF為田やMF堀米勇はサイドアタッカーとしてはかなり優秀な選手であるが尹サッカーのサイドハーフに適した選手とは言えないだろう。
■ 薫陶を受けた選手が必要「攻守両面でハードワーク出来る選手」がたくさん必要になるサッカーに取り組むタイプの指導者であることを考えると報道通りで千葉が尹晶煥監督を招聘するのであればメンバーは大きく変わる可能性が高い。C大阪での2年間で台頭して来た若手はDF木本くらい。若手を積極的に使うタイプではないことを考えると、なおさら、若い選手をたくさん使わざるえない状況にしておかないと、数年先、困ることになるだろう。
C大阪の監督を務めたときは鳥栖時代の教え子であるMF水沼がピッチ内外で大きな役割を果たした。尹晶煥監督のサッカーや考え方をチームメイトに伝える役割を見事にこなしていた。なので、「鳥栖や蔚山現代やC大阪で尹晶煥監督の指導を受けている選手」を獲得したい。獲得できる可能性があるのはMF山村和(川崎F)、MF福満(水戸)、MF高橋義(鳥栖)、DF山下(柏)、FWヤン・ドンヒョン(福岡)あたりだろう。
理想はやはりMF山村和になる。川崎Fで出場機会に恵まれているとは言えないので1年限りでチームを離れる可能性はある。どちらかというと「選手やフロントと衝突をすることをいとわないタイプの監督」なので意図や戦術をチームメイトに伝える通訳的な役割をこなせる選手がいないと難しいだろう。いずれにしてもJリーグで確固たる実績を持った指導者なので千葉にとっては「最適な監督の1人」と言える。
★ 現在の投票数 → 21票
→ 最大で20個まで選択して投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2019/09/17 【移籍市場】 2019年-2020年オフの補強ポイントについて考える。 (アルビレックス新潟編)
2019/09/18 【移籍市場】 2019年-2020年オフの補強ポイントについて考える。 (レノファ山口編)
2019/09/18 【移籍市場】 2019年-2020年オフの補強ポイントについて考える。 (愛媛FC編)
2019/09/18 【移籍市場】 2019年-2020年オフの補強ポイントについて考える。 (栃木SC編)
2019/09/19 【移籍市場】 2019年-2020年オフの補強ポイントについて考える。 (ツエーゲン金沢編)
2019/09/19 【移籍市場】 2019年-2020年オフの補強ポイントについて考える。 (ファジアーノ岡山編)
2019/09/19 【移籍市場】 2019年-2020年オフの補強ポイントについて考える。 (FC琉球編)
- 関連記事
-