革命機ヴァルヴレイヴ
11話を視聴。今回も面白い。
物語のクライマックスは、ショーコが父親のリュージとモニター越しで再開する場面。




父親が殺されることをいきなり突けつけられるショーコ。
そして状況が刻々と変化する中、父は娘に話しかける。
この親子の再開/やり取りは、
元ジオール総理大臣「指南リュージ」。
新生ジオールの総理大臣「指南ショーコ」。
という新旧ジオールの総理大臣二人の対面でもあった。
政治家として、いや大人として、それ以上に親として、
父は娘に前を向くスタンスを伝え、娘は状況に狼狽する。
みんなが生きるために戦い続けるか、もしくはショーコが手を引くか
そんな選択肢を選ぶ時間も殆ど無い中、
結局、ヴァルヴレイヴの「ハラキリブレイド」の断裁により父は死ぬことになった。
父親の死とみんなが勝利を喜ぶシーンのかぶせ方。ショーコが選択を選ぶ時間の無さ。
状況が変化するスピードのめまぐるしさは過酷であり、戦いの無常さを突きつける。
革命機ヴァルヴレイヴの世界の苛烈さを思い知る展開でもあり、
「大人」を強調する会話劇は
大河内一楼さんらしい脚本だった。
参考:
「革命機ヴァルヴレイヴ」の大人と少年の描き方~大河内一楼・そしてキングゲイナー さて親子のモニター越しの場面。前にも似たようなシーンを見たと思っていたら、
それはオーバーマンキングゲイナー
11話の「涙は盗めない」の
アナ姫とその父メダイユ公の会話シーンだった。




メダイユ家が取り潰しになる事を知ったアナは、父親のメダイユ公の元へ連絡を入れる。
アナの安否を知らなかったメダイユ公は、娘との再開に喜ぶ。
しかしアナが取り潰しの話を聞き、自分が戻ると言い始めると
メダイユ公はアナを勘当するといい通信を遮断。
そしてアナは父の言葉に感動して泣く。
メダイユ家にアナが戻ってもアナの命の補償がない、家も潰されるだろう。
そして娘がいればお家の再興が叶うと信じ、メダイユ公はあえてアナを突き放す。
アナもまた父の優しさ、意を汲み、泣く姿には感動を覚える。
キングゲイナーの中でも屈指の名シーンだ。
ちなみにキングゲイナーのシリーズ構成は
ヴァルヴレイヴのシリーズ構成でもある
大河内一楼さん。
そしてこの
11話の脚本は
大河内一楼さん自身が担当。
ここで大河内一楼さんがシリーズ構成と脚本を担当する
「革命機ヴァルヴレイヴ」と「OVERMAN キングゲイナー」の11話という同じ話数で
同じ親子のモニター越しの会話劇をやっている共通点が見つかる。おそらくキングゲイナーのアナとメダイユ公のやり取りのシーンの評判が良かったのだろう。
そして大河内さんは、ヴァルヴレイヴの世界と物語に合わせた形で
再び親子のモニター越しの会話劇に挑戦したのかもしれない。
どちらにしても、キングゲイナーでは家の取り潰し、
ヴァルヴレイヴでは父親の死刑宣告というように、
子に過酷な状況を突きつける点で会話劇が始まる点も両作品は共通している。
そしてキングゲイナーでのアナ姫の傍で通信を聞いていたゲイナーと
ヴァルヴレイヴのショーコの傍で通信に付き添っていたエルエルフは、
このシーン単位でいえば同じ立場だったのかも。
戦争(エクソダス)の悲劇、親子の離別をモニター越しで描く事で生まれる物語。
ヤーパンへ向かうゲイナー達、モジュール77の学生達の独立は近いと踏まえると、
キングゲイナーのエクソダスとヴァルヴレイヴの革命は同義なのかもしれない。
いづれにせよ、大河内さんは「OVERMANキングゲイナー」で培った経験を
「革命機ヴァルヴレイヴ」に生かしてきたことがわかる11話だった。
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・ハルト、ショーコの父親ごとドルシア艦隊を撃退してしまった事を知ったら、やはりサキよりショーコを優先するのではと考えてしまう。元々1号機に乗ったのだって死んだと思っていたショーコの仇を討つためだったかなねぇ。
・それにショーコの父親の死に方、どことなくオーブ総帥=ウズミとフレイの父親の死に方が1つに重なったような感じである。
・もうそろそろ、ショーコがヴァルヴレイヴに乗ると言うフラグが立ってきているように思える。6号機はやはりショーコで決定か。