はじめに
俺の妹がこんなに可愛いわけがない2話。
今回は劇中で話題になる劇中ゲーム「ラブタッチ」の使い方が面白かった。
それはゲームにハマり、さらに桐乃とあやせの問題を解決するために
ゲームのように振舞うキャラクター達が面白かったからである。
ふたりのあやせ~劇中のあやせとラブタッチのあやか
物語のスタートは、あやせが桐乃がゲームばかりをしていて、
自分を見てくれていないことを感じて京介に相談するところから始まる。
京介は問題解決のために桐乃にゲームについて聞いたら、
ラブプラスのような恋愛ゲームであり、
ゲームに登場するのがあやせに極めて似たキャラだった。
ラブタッチというゲーム。ここに出てくるあやかは、早見沙織さん声の少女。
容姿はあやせにそっくり、声も同じ人なので、
まるであやせ自身がゲーム化した錯覚を覚えさせられる。
ここで、劇中と劇中ゲームがシンクロしていく展開なのがわかる。
さらに、京介はゲームを進めるうちにあやかにハマったようであり
そしてゲームのように振舞うことが、桐乃を振り向かせる事につながると
京介はあやせを説得する。劇中がゲーム化(ラブタッチ化)していく展開だと言っても良い。
劇中の美少女ゲーム的画面作り
劇中がゲーム化していく予兆は、アバンからあった。
「お兄さん、ご相談があります」というあやせの映し方は
いわゆる美少女ゲームの立ち絵的な、バストショットともいえる。
つまり最初から「今回は美少女ゲームの話」ですと宣言していたともいえるのである。
他にも今回は、真正面のあやせのバストショットが多用されている。
こうしたのあやせの撮り方も、ゲームと劇中が混同させられるように作られている。
特に後半の京介の部屋で、あやせがゲームのように喋ることを訓練するシーンは
まさに本編(劇中)のゲーム化を推し進めた決定的シーンだと私は思う。
そんなこんながあって、翌日の登校する朝。
麻奈実は京介をまるで美少女ゲームの立ち絵のように、
そしてゲームのような言葉遣いで出迎え
さらにあやせも麻奈実と同じように桐乃を出迎える。
あやせと麻奈実の背景が同じ(使い回し)であることを考えると、
麻奈実を見ていた京介と、あやせを見ていた桐乃はほぼ同じアングルであるようだ。
まさにここで劇中が劇中ゲームに侵食、ゲーム化した瞬間だと私は感じた。
そして極めつけにあやせが
極めてヤンデレ的な記号(表情・目を含め)で描かれてオチをつけたのは面白かった。
あやせというキャラを記号的に表現すればヤンデレが相応しいのだから。
おまけ~あやせと京介の暴力的距離感
ちょっと、話を変えよう。あやせと京介の関係は面白い。
あやせは京介に対し何か思うと、暴力的な行為で距離を詰めてくる。
今回でいえば、胸ぐらを掴む→パンチする→回し蹴りをする、というように
暴力の方法がエスカレートし、攻撃性が高まっているといえるだろう。
あやせと京介の関係を見る際に、あやせの暴力性と暴力行為は押さえておきたい。
まとめ
「ラブタッチ」はゲームでありながら、
アニメのキャラクターや美術と馴染んだように描かれる。
つまりアニメ本編のあやせとラブタッチのあやかは等価なのだ。
等価であるがゆえに、劇中ゲームはアニメの俺妹世界を侵食することが可能なのである。
これができるのは、上記でも言ったようにあやせとあやかの容姿が酷似している面もあるが
声優:早見沙織さんがあやせとあやかを演じている点が大きいだろう。
かつて聖闘士星矢やルパン三世などでも、声優交代に対して大きな反響があったが
それだけ声はアニメのキャラのパーソナルに根本的に関わる要素なのだ。
声が同じなことで、アニメ(本編)とゲーム(劇中劇)を無理なく繋いでいる。
さらにいえば、このおしとやかでプレイヤーの京介に惚れている
ラブタッチのあやかというキャラは、
本編のあやせというキャラのもう一つの可能性として見ると面白い。
劇中ゲームの扱いに関して、俺妹2期2話は珠玉の出来栄えだったと思う。
さすが原作者の脚本を元にした展開だったと思う。
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