サッカーコラム J3 Plus+　

J1・J2・J3・日本代表などを幅広くカバーするサッカーコラムです。基本的には毎日更新しています。よろしくお願いいたします。

最近のエントリー (20記事)

　2024/01/14 【J1：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：342名)
　2024/01/09 【J2：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：172名)
　2024/01/10 【J3：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：83名)

お勧めしたいエントリー (15記事)

【J2】京都サンガの補強ポイントについて考える。(2018年夏の移籍市場) | | |　

■　12節終了時点で監督交代を実施

大方の予想を裏切って布部監督の続投を決断した京都だったが開幕から低迷した。12節を終えた時点で2勝7敗3分けで勝ち点「9」。21位と降格圏に位置した。このタイミングで布部監督が退いてジュロヴスキーコーチが監督に就任したが監督交代後は2勝3敗。降格圏を抜け出して20位に浮上した。17節を終えた時点で21位の愛媛FCとの差は「4」。少し安心できるポジションまで浮上することができた。

コーチ時代から「ジュロヴスキー監督の影響力は強かった。」と言われているが、監督が代わっても戦い方や選手起用に大きな変化はなかった。主力の顔ぶれもほとんど変わらない。5試合で勝ち点「6」を稼いでいるので、「監督交代は一応は成功した。」と言える。19位の水戸との差も「4」まで縮まって上を走るチームの背中が見えてきた。当然のことながら、J2に残留するだけでは満足することはできないチームである。

布部監督に対する評価が非常に低かったので開幕前の京都に対する評価も非常に低かったが冷静に考えてみると優秀な選手は多い。「経験豊富な百戦錬磨のベテラン」と「経験値は乏しいがポテンシャルを秘めた若手」が中心なので働き盛りの年齢の選手が少ない点が今の京都の問題点になるが、言うまでもなく、20位に沈むような戦力ではない。ここからどこまで浮上できるのか？は興味深いところである。

■　シュートに関する数字が良くない。

表1は17節終了時点での京都の各種のスタッツになる。問題点は一目瞭然である。シュート数が20位、枠内シュート数が21位、枠内シュート率が22位。シュートに関する主要なスタッツが軒並み低調。J2で下位となる。ちなみにシュート数は20位が京都、21位が愛媛FC、22位が讃岐となる。枠内シュート数は20位が愛媛FC、21位が京都と讃岐になるので、やはり、シュートに関する項目が低調だと結果は出にくい。

チーム内得点王は4ゴールを記録しているFWレンゾ・ロペスになる。MF小屋松が3ゴール、MF重廣とFW大野耀が2ゴールを記録しているが複数得点を奪っているのはこの4人だけ。チャンスの数自体が少なくて、かつ、シュート精度も低い。布部監督時代の末期以降は昨シーズンと同様でDF闘莉王をフォワードの位置で起用する試合も増えてきたが「DF闘莉王をどのように起用するのか？」も注目点になる。

先のとおり、各ポジションにタレントを揃えているので「どこが補強ポイントなのか？」は意見が分かれるところだと思う。有望な若手のいるポジションに中途半端な即戦力を獲得して若手の出場機会を奪ってしまうのは得策ではない。得点力不足に苦しんでいるので「ストライカーを補強すべき」という声もあるがFWレンゾ・ロペスがいて、FW大野耀がいて、DF闘莉王もいる。決して悪くない顔ぶれである。

■　セットプレーからの失点数がJ2最多タイ

気になる要素を挙げると「セットプレーでの失点の多さ」になる。14失点は讃岐と並んでJ2最多タイ。J2平均は6.77失点なので大幅に上回っている。DF闘莉王をフォワードで起用する大きなメリットの1つは「セットプレーの守備で大きな貢献ができる点」になるが、体力的な問題もあって「常時スタメン」は難しい。空中戦においては圧倒的な強さを見せる選手なので彼が欠けるとセットプレーの守備は不安定になる。

MF仙頭、MF岩崎、MF小屋松、MF湯澤洋などは背の低い選手なので「空中戦でも勝負が出来るアタッカー系の選手」を獲得して跳ね返す能力を高めることはセットプレー対策の1つになる。ここに来て18才のGK若原を正キーパーとして起用しているが彼は185センチ。前任者のGK清水圭は183センチなので少しだけサイズアップに成功した。これだけセットプレーからの失点が多いのでキーパーの役割は大きくなる。

ということで、今の京都は監督が代わったばかりで、かつ、監督交代によってチーム状態はやや上向き。もともと能力の高い選手は多いので焦って補強に動くタイミングではない。10番のMFエスクデロなど力を出し切れていない実力者をどのようにして生かすのか？が最優先の課題になる。今年のJリーグの第2登録期間(ウインドー)は2018年7月20日(金)～8月17日(金)。なのでマーケットが閉まるまで2か月ある。

表1. 京都サンガの各種のスタッツ (17節終了時点)

項目	J2平均	自チーム	順位	相手チーム	順位
シュート	12.6	10.29	20	13.35	15
枠内シュート	3.9	2.59	21	4.41	16
枠内シュート率	31.0%	25.1%	22	33.0%	16
ドリブル	12.3	10.94	16	11.12	6
パス	444.7	429.82	14	474.88	14
ボール支配率	50.00%	49.0%	11	51.0%	11
クロス	14.9	15.82	7	14.65	11
直接FK	13.1	14.41	5	11.59	6
間接FK	2.2	2.18	9	2.06	6
CK	4.6	3.06	21	5.47	20
スローイン	26.1	24.41	16	23.59	7
タックル	22.0	19.00	20	21.00	8
クリア	25.7	21.53	21	26.47	12
インターセプト	2.1	2.12	9	1.59	3
オフサイド	2.0	1.94	14	1.94	10
警告	1.3	1.47	7	1.24	13
30ｍライン進入	37.1	35.94	12	37.88	15
ペナルティエリア進入	13.6	13.41	13	14.06	16
(%)	36.7%	37.3%	9	37.1%	13
攻撃回数	130.7	123.47	21	123.65	6