■ 北朝鮮を相手に4対0で勝利森保JAPANはタイで開催されているM-150カップ2017に出場している。この大会が森保JAPANの御披露目の大会となるがGLの初戦は地元のタイと対戦して1対2で敗れた。後半4分にGK大迫(広島ユース)のキャッチミスから先制ゴールを許したが直後にMF神谷(湘南)がミドルシュートを決めて1対1。すぐさま同点に追いついたが後半18分に縦パスから裏への飛び出しを許して失点。黒星スタートとなった。
迎えた北朝鮮戦は中1日とタイトな日程になった。苦戦が予想されたが前半5分に裏に飛び出した右WBのMF長沼(山形)がキーパーとの1対1を落ち着いて決めて先制に成功すると前半15分にはMF浦田樹(北九州)のクロスからFW上田(法政大)がヘディングで決めて2点目を奪った。さらに前半37分には左サイドの裏を取ったMF平戸(町田)の折り返しをMF井上潮(東京V)が決めて3点目。3対0とリードして折り返した。
後半はハーフタイム中に監督から活を入れられただろう北朝鮮がファール覚悟の激しい守備を見せるようになる。ラフプレーに悩まされるようになったが後半11分にボランチのMF針谷の素晴らしいスルーパスから抜け出したFW上田(法政大)が決めて4点目を奪った。1トップの位置で起用された大学1年生のFW上田は2ゴールの活躍で、MF針谷は2アシストの活躍だった。4対0で勝利した日本は1勝1敗となった。
■ 出色の出来だったMF針谷(磐田)2試合連続スタメンとなったのは左ストッパーのDF麻田(京都)のみ。メンバーを大きく入れ替えた日本が北朝鮮を攻守に圧倒した。男女ならびに年代を問わず北朝鮮との試合は苦労することがほとんど。特に男女とも「年代別代表に関しては北朝鮮はアジアの強豪国」なので北朝鮮に敗れるケースが多い。北朝鮮を相手に日本代表がここまでスコア的にも内容的にも圧倒する試合は記憶にないレベルである。
もちろん、暑さの影響は北朝鮮の動きが悪かった原因の1つと考えられるがここまで一方的な展開になるとは考えもしなかった。森保JAPANの初陣となったタイ戦はなかなかいい形を作れず。特に前半はセットプレーと左WBのMF菅大輝(札幌)の仕掛けくらいしか突破口が見当たらなかった。「さすがの森保監督でもチームが出来上がるまでにある程度の時間はかかるか・・・。」と思ったがいい流れになってきた。
広島の時と同様で「3-4-2-1」を採用しているが2戦目の北朝鮮戦はMF針谷(磐田)とMF井上潮(東京V)のWボランチが躍動した。特にMF針谷は2アシストの活躍。1点目と4点目はMF針谷の素晴らしいスルーパスから生まれている。2点目のFW上田のゴールにつながったサイドへの展開もMF針谷だったので攻撃の起点として申し分ない活躍を見せた。2ゴールを挙げたFW上田(法政大)よりもMF針谷が目立った。
Wボランチを組んだMF井上潮(東京V)も攻撃的なセンスに恵まれた選手である。テクニックは一級品でボールを受ける技術が高い選手なのでMF針谷とMF井上潮のWボランチに北朝鮮は手を焼いた。先のとおり、後半はファール覚悟で激しく前からボールを奪いに来たがこの2人に簡単にいなされてしまうので北朝鮮の守備は完全に空回りした。2アシストの活躍を見せたMF針谷がマン・オブ・ザ・マッチと言える。
■ 高評価できる無失点の守備陣MF針谷の活躍が目立ちに目立ったが、当然、2ゴールのFW上田の活躍も光った。鹿島学園高出身で法政大の1年生になる。180センチとサイズにも恵まれており、プレーはダイナミック。自身2点目のゴールはMF針谷のスルーパスを受けてキーパーと1対1の形に持ち込んだがスピードもある。タイ戦(A)で1トップで起用されたFW小松蓮(産業能率大)は良さを出せなかったがFW上田は大きなアピールが出来た。
無失点の守備陣も概ね高評価できる。193センチのGKオビ・パウエル・オビンナ(流通経済大)は前半にキャッチミスから大ピンチを招くシーンがあったが2度のシュートストップは見事。見るからに身体能力の高そうなキーパーである。現時点で「東京世代の1番手のキーパー」と目されているのはGK小島(早稲田大)であるがGKオビ・パウエル・オビンナのスケール感は桁外れである。非常に面白いキーパーである。
3バックは右がDF大南(磐田)、真ん中がDF立田(清水)、左がDF麻田(京都)という組み合わせになった。初戦は右がDF岡野(千葉)、中央がDF庄司(金沢)、左がDF麻田(京都)いう組み合わせだったので2人が入れ替わったが初スタメンの2人が非常にいいプレーを見せた。相手が異なるので単純に比較するのは難しいがDF大南ならびにDF立田は持ち味である高さや強さを生かして完全に制空権を握ることが出来た。
今後も「3-4-2-1」を採用するのであれば「後ろの3枚をどうするのか?」は注目点になる。幸いにしてこの世代は185センチを超える大型CBがたくさんいるので競争は極めて激しいがここまでの2試合を見る限りではDF大南ならびにDF立田の2人はアピールに成功している。北朝鮮戦では189センチのDF立田が3バックの中央に入ったがフィードも正確で攻撃の起点になる場面が多かった。素晴らしいプレーを見せた。
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