■ 初の決勝進出を果たしたU-22日本代表フランスで開催されているトゥーロン国際大会の決勝戦。史上初となる決勝進出を果たしたU-22日本代表はサッカー王国のブラジルと対戦した。B組のブラジルは3戦全勝でGLを突破すると準決勝もアイルランドに2対0で勝利している。4試合を戦って15得点/0失点。グアテマラならびにフランスには4対0で勝利しており、カタール戦は5対0で大勝。図抜けた強さを誇る今大会の優勝候補の筆頭になる。
日本は「3-4-2-1」。GKオビ・パウエル・オビンナ(流通経済大)。DF大南(磐田)、DF岡崎慎(FC東京)、DF田中駿(大阪体育大)。MF高宇洋(G大阪)、MF田中碧(川崎F)、MF長沼(愛媛FC)、MF舩木翔(C大阪)、MF岩崎(札幌)、MF旗手(順天堂大)。FW小川航(磐田)。準決勝のメキシコ戦から4人の選手が変更になった。DF田中駿、MF長沼、MF舩木翔、FW小川航の4人がスタメンに戻って来た。
ベンチスタートになったのはGK波多野(FC東京)、GK山口(エストレマドゥーラ)、DF椎橋(仙台)、MF松岡大(鳥栖)、MF川井(山口)、MF相馬(名古屋)、MF三笘(筑波大)、MF神谷(愛媛FC)、FW小松蓮(金沢)の9名。コパ・アメリカのメンバーに招集されたMF伊藤達(ハンブルガーSV)と怪我のDF古賀(柏)はすでにチームを離れている。チーム最年少となるMF松岡大は2001年生まれなのでパリ世代の選手になる。
■ MF旗手が失敗して準優勝に終わる。試合の立ち上がりは日本が積極的な守備を見せる。前半5分には高い位置でボールを奪ってドリブルからMF旗手がミドルシュートを放ったが枠を捉えることは出来なかった。その後はブラジルが主導権を握る展開になった。ブロックを作って守るようになった日本はなかなかボールを奪えない展開になった。押し込まれる中、前半19分に上手くパスをつながれて失点。中途半端にボールを奪いに行ってかわされた。
またしても1点を追う展開になった日本だったが前半39分にロングボールから相手CBの処理ミスを誘うとFW小川航が左足でダイレクトシュートを決めて1対1の同点に追いついた。FW小川航はこれで2試合連続ゴールとなった。前半は1対1で終了する。後半開始から日本は左WBのMF舩木翔に代えてMF相馬を投入。するとドリブラーのMF相馬の仕掛けから何度かチャンスを作るようになった。
後半の中盤以降はブラジルの足が止まり始めて日本が中盤でボールを持つ時間も長くなる。後半14分にはFW小川航にチャンスが訪れたがキーパーにセーブされた。試合は1対1で終了。PK戦に突入する。5人全員が成功したブラジルに対して日本は5人目のキッカーのMF旗手が失敗。MF旗手のシュートがキーパーにキャッチされた瞬間、ブラジルの9度目の優勝が決定した。日本は惜しくも準優勝に終わった。
■ 日本にとって収穫の多い大会ここまでの4試合で15得点/0失点。圧倒的な強さを見せていたサッカー王国のブラジルを相手に日本は健闘したが惜しくもPK戦で敗れて初優勝は逃した。ブラジルは5人全員がしっかりと決めたのに対して日本は5人目のMF旗手が失敗。日本は2試合連続のPK戦だったが「相手チームのPKに関する情報」を持っているチームの方がPK戦では有利である。最後のMF旗手のキックはコースが正直すぎた。
初優勝まであと少しに迫ったので残念な結果になったがブラジルを相手によく頑張ったと言える。日本のシュート数は3本のみ。なかなかシュートチャンスを作れなかったがブラジルのシュートも8本のみ。ブラジルの運動量が低下した後半に関しては互角に近い展開になった。技術面や戦術面でのブラジルとの差は小さくはないが「ある程度は自分たちでもやれる。」という手ごたえをつかむことが出来ただろう。
殊勲の同点ゴールを決めたのはFW小川航だったがこれで2試合連発。準決勝のメキシコ戦でも大事なところで同点ゴールを決めてチームを救ったが2試合連続で価値ある同点ゴールをゲットした。フォワードの序列ではコパ・アメリカに選出されているFW上田(法政大)やFW前田大(松本山雅)よりも下になるが今大会でいいアピールが出来た。所属クラブでもアピールをしてメンバー争いに絡んでいきたい。
中盤の要として活躍した川崎FのMF田中碧は「大会のMVPの3位」に相当する個人賞を受賞した。「3rd Best Player」と紹介されていたが今大会で評価を劇的に高めた選手と言える。MVPなどの個人賞は攻撃的なポジションの選手が選ばれやすい中、MF田中碧が選出されたというのは「それほど目立った証拠」と言える。今回が初招集だったが五輪代表のボランチのレギュラー争いの中心になりつつある。
森保監督がいない中、今大会は結果と内容を両立させることができた。極めて収穫の多い大会になったがコパ・アメリカのメンバーに選出された五輪世代の選手にとっては刺激になっただろう。FW小川航、MF田中碧、MF相馬、DF岡崎慎などは今大会で大きなアピールが出来た。2020年の東京五輪まであと1年ちょっとになったがトゥーロン国際大会がこれほど日本にとって意味のある大会になるとは思わなかった。
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