■ 思い切った決断と言えるペトロヴィッチ監督の招聘11位になって「J1におけるクラブ最高成績」を残した札幌。「四方田監督の続投は濃厚」と思われていたが前・浦和のペトロヴィッチ監督の就任が確実な情勢になっている。就任3年目の四方田監督は着実に実績を積み上げてきたが四方田監督はどちらかというとバランス型のサッカーを志向するタイプで、ペトロヴィッチ監督は攻撃的なサッカーを志向するタイプの監督である。方向性が大きく変わるのは間違いない。
日本代表や五輪代表の監督を探すときも高確率で話題になるが「前監督と後任監督のスタイルの差」を気にしすぎる必要はない。「サカつく」のようなサッカーゲームとは違って現実のサッカーはかなり複雑である。守備型の監督から攻撃型の監督にスイッチした場合でも100%攻撃型の監督のカラーに染まるわけではない。主力が総入れ替えにでもならない限り、その間のどこかの地点に着地点が見つかるものである。
むしろ、似たスタイルの監督を見つけたり、探し出す作業というのはなかなか難しい。クラブでも代表でも監督を代えるときは「スタイルの違い」を指摘する人が必ず出てくるが「ナンセンスな指摘」になっていることがほとんど。今回の札幌のケースも問題視されるレベルではないが「ハイリスク・ハイリターンな監督人事」であることは確かである。ギャンブルとまでは言えないが思い切った選択であることは間違いない。
個人的には「もう一年、四方田監督に任せた方が良かった。」と思う。いい流れで来ていたので非常に勿体なく感じるが、一方で「1年後もペトロヴィッチ監督がフリーの立場とは限らない。」と言える。今回の監督交代が失敗する確率は決して低くないので難しいシーズンになる可能性もあるがそれでも2018年は札幌に大きな注目が集まるのは間違いない。ポジティブなトライだと思うので積極的な姿勢は高評価に値する。