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【J1】残留を果すのは清水エスパルスか？ヴァンフォーレ甲府か？サンフレッチェ広島か？大宮アルディージャか？ | | |　

■　J1は残り3試合

ルヴァン杯の決勝ならびに代表戦の影響で中断していたJ1は11月18日(土)に再開する。ACLの日程の関係ですでに鹿島 vs 浦和は11月5日(日)に開催されており、首位の鹿島が勝ち点「3」を獲得しているので2位の川崎Fが敗れると鹿島のリーグ連覇が決定する。優勝争いは先が見えてきたがC大阪・柏・横浜FM・磐田の争いになっているACLの出場権争いならびに残留争いに関してはここからが本番である。

残留争いに目を向けると12位の仙台まではすでに「J1残留」が確定している。13位の札幌、14位の清水、15位の甲府、16位の広島、17位の大宮、18位の新潟の6チームで残りの「3枠」を争う形になっているが新潟は土俵際まで追い詰められている。ここ3試合は2勝1分けと調子を上げてきたが遅きに失した感は否めない。残り3試合で甲府が3連敗して、新潟が3連勝することが残留のための最低条件になる。

この場合のみ、勝ち点「28」で甲府と並ぶことができるが現時点で得失点差は甲府が「-16」、新潟が「-35」。幸いにして次節はホームの甲府戦なので得失点差を挽回する大きなチャンスが残されているが勝利はもちろんのこと、6点差や7点差で勝利することが求められる。その上で「広島が0勝2敗1分け以下に終えること」なども残留のための絶対条件になるのでさすがにここからJ1残留を果たすのは難しい。

■　実質的には4チームの争い

一方、13位の札幌は「悲願のJ1残留」に王手をかけている。すでに大宮ならびに新潟を上回ることは確定しており、16位の広島との差は「7」なので札幌は1つ勝てば残留が確定するが、広島が1つ負けた場合も残留が確定する極めて有利な状況になっている。2016年のJ2王者の札幌は11節から6連敗を喫するなど苦しい時期もあったが何とかここまで持ってくることが出来た。2001年以来の残留は濃厚と言える。

結局、札幌は残留濃厚で、新潟は降格濃厚。実質的には「清水・甲府・広島・大宮の4チームで残り2つの枠を争う形になっている。」と言える。14位の清水は勝ち点「31」、15位の甲府は勝ち点「28」、16位の広島は勝ち点「27」、17位の大宮は勝ち点「24」となるので次節にも「清水の残留」と「大宮の降格」が決定する可能性はあるがすんなりいかないのがJリーグの面白いところであり、不思議なところである。

14位の清水は6試合勝ちなしと苦しんでいるが、大雨の中、アウェイでFC東京(=31節)を相手にもぎ取った勝ち点「1」の意味は大きい。これで広島との差を「4」に広げることが出来た。次はホームで札幌と対戦するが、先のとおり、札幌は勝利すると「J1残留」が確定する。2016年のJ2で最後まで自動昇格の枠を争った2チームがここで激突することになるが激しい試合になるのは間違いないところである。

■　監督交代という賭けに出た大宮アルディージャ

広島が一気に勝ち点を積み上げた時期があったので甲府は非常に苦しい流れになっていたが27節はホームで横浜FMに勝利して、28節はアウェイで柏に勝利した。ここで2連勝できたのは大きかった。16位の広島との差は「1」なので予断を許さない状況になっているが甲府のシーズン終盤の勝負強さは侮りがたい。毎年、残留争いに巻き込まれているが瀬戸際の試合になると力を発揮して「J1残留」を勝ち取ってきた。

広島はここにきて3連敗。一時の勢いは無くなってきた。Jリーグの日程はシーズンの終盤の盛り上がる時期は「上位候補 vs 上位候補」、「下位候補 vs 下位候補」の顔合わせになることが多い。なので、開幕前は上位候補と言われていた広島は10月・11月は強豪との対戦が多く組まれている。残留争いを経験して「何とかJ1に踏みとどまった。」という経験がほとんどないクラブなのでナイーブになりやすい。

伊藤彰監督を解任して石井監督を招聘した大宮は追い込まれた状況ではあるが監督交代によって残留の可能性は少しだけアップした。伊藤彰監督は指導者として有望視されていたので「クラブの切り札」とも言われていた伊藤彰監督のキャリアにこういう形で傷をつけてしまったことは後々効いてくる可能性があるが二進も三進もいかない状況になっていたので伊藤彰監督のままならばノーチャンスだったはず。

■　日程に恵まれているのはヴァンフォーレ甲府

監督交代というフロントの判断は正しかったと言えるだろう。自力でのJ1残留の可能性は消滅しているが33節がホームの甲府戦なので自力で差を縮めるチャンスは残されている。「監督交代ブースト」と言われて一種のオカルト扱いされることもあるが過去を振り返ってみると監督交代を実施した直後は成績が良くなるチームの方が圧倒的に多い。15位の甲府との差は「4」なので逆転不可能な差ではない。

気になるのは残り3試合の対戦カードであるが、清水は札幌(H)→新潟(H)→神戸(A)なので対戦カード的には恵まれている。甲府も新潟(A)→大宮(A)→仙台(H)なので同様に恵まれている。もちろん、どちらも残留がかかったチームとの直接対決を2試合残しているので敗れると大変なことになるが鹿島や川崎FやC大阪や柏や横浜FMや磐田と対戦するよりも勝ち点「3」を計算しやすい相手なのは間違いないところである。

一方、広島は神戸(A)→FC東京(H)→柏(A)なので厄介な相手との試合が続いていく。神戸とFC東京は明確な目標は無くなりつつあるが最終節の柏はACLの出場権がかかっている。大宮は仙台(A)→甲府(H)→川崎F(A)なので中位・下位・上位と1つずつ満遍なく対戦することになる。当然、アウェイで川崎Fに勝つのは大変なことであるが川崎Fに関しては最終節を前にした段階で2位を確定させている可能性は高い。

この点は大宮にとってはポジティブな要素と言える。33節の甲府戦(H)は「Must winの試合」になるが32節の仙台戦(A)がヤマ場と言える。J1残留を確定させている12位の仙台は渡辺晋監督の続投が決定した。8位まで浮上するチャンスはあるが基本的にはノンプレッシャーの状態である。攻撃の中心となるMFマテウスを出場停止で欠くことになるが石井監督がどういう11人をチョイスするのか？は興味深い。

表1. 順位表 (31節終了時点)

順位	チーム	勝点	MAX	試合	勝	分	敗	得点	失点	得失点差
13	札幌	34	43	31	9	7	15	33	45	-12
14	清水	31	40	31	7	10	14	31	48	-17
15	甲府	28	37	31	6	10	15	22	38	-16
16	広島	27	36	31	6	9	16	28	46	-18
17	大宮	24	33	31	5	9	17	28	52	-24
18	新潟	19	28	31	4	7	20	23	58	-35