■ クレバーでフィードが出来るCB今シーズンのJリーグは「高い位置でボールを奪ってカウンターを狙うクラブ」が増えている。2019年にリーグ制覇を達成した横浜FMのサッカーのインパクトが強烈だったので「横浜FMのサッカーにインスパイアされてスタイルを大きく変化させたチーム」もいくつかある。同県のライバルクラブである川崎F、「ポステコグルー監督の右腕」と言われたクラモフスキーコーチを監督に招聘した清水は典型例に挙げられる。
後方からパスをつなぐサッカーに取り組んでいるクラブも多いのでキーパーやサイドバックやセンターバックの選手に高いフィード力が求められる時代に突入した。元・日本代表でフランスW杯に出場したDF秋田やDF小村などが代表格に挙げられる「相手フォワードとバチバチやりあうファイター系のCB」は絶滅危惧種になっており、「クレバーで判断力が高くてフィードが出来るCB」が重宝される時代になった。
JリーグでプレーするCBの中で「フィード力の高い選手」というとまずはDF森重(FC東京)の名前を挙げることが出来る。完全復活を果たした2019年は4年ぶりにベストイレブンに選出されたが通算で5回目。9回のDF闘莉王(名古屋など)、6回のDF中澤(横浜FMなど)に次いで歴代3位タイなので「Jリーグ史に残るCB」と言える。大分時代はボランチでプレーする機会も多かったがテクニックがあってパスは正確である。
日本代表に定着しているDF畠中(横浜FM)もフィード力に定評がある。昨シーズンはDFチアゴ・マルチンスとCBを組んで躍動。「日本トップクラスのCB」と評価される選手に成長したが最終ラインで攻撃の起点になることが出来る。2018年の夏に東京Vから横浜FMに完全移籍しているが東京Vで育った選手なのでCBのポジションでありながらテクニックがある。技術の高い選手はどの位置でもどのクラブでも重宝される。