■ 注目が集まる東京世代の2人アタッカーの選手は注目度の高い選手が多いので「オフの移籍市場で動向が注目される選手」をあと10人だけ選んでみた。(上)ではMFマテウス(大宮)、MF福満(C大阪)、MF清武功(千葉)、MF青木亮(名古屋)、MF杉本太(徳島)、MF高井(群馬)、MF枝本(藤枝MYFC)などをピックアップしたが(下)でピックアップしたのは以下の10人である。どちらかというと若手選手が多くて東京世代の選手も何人か含まれる。
最初にピックアップするのはU-20日本代表としてU-20W杯の本大会を経験したMF遠藤渓(横浜FM)とMF三好(川崎F)の2人である。今シーズンの境遇はよく似ている。5月のU-20W杯の本大会では存在感を発揮したがなかなか所属クラブでは出場機会が与えられなかった。それでも天皇杯やルヴァン杯などカップ戦で存在感を発揮してようやくここに来てJ1のリーグ戦にも絡めるようになってきた。上り調子と言える。
秋になってからやっと所属クラブで存在感を発揮できるようになってきたが横浜FMも川崎Fも2列目の層は厚いので「スタメンでプレーする。」というのはなかなか大変である。当然、途中出場でもインパクトを残せる選手なので貴重な戦力であることは間違いないが20才前後の年代というのは「たくさん試合に出場しなければいけない年代」である。長時間プレーしていろいろなことにチャレンジしたい年代である。
過去を振り返ってみてもJ1の中で規模の大きいクラブの有望な若手が層の厚い選手層に阻まれて出場機会を増やせずに「期待の若手のまま」で伸び悩むケースはたくさんあった。五輪代表のみならずフル代表に選出されて活躍するレベルまで羽ばたこうとするならば彼らにとっての2018年や2019年は非常に大事である。主力としてプレーできそうなJ2のクラブに貸し出して経験を積ませるのも選択肢の1つになる。
■ J1の甲府では活躍するのは難しいMF堀米勇(甲府)同じようなことはMF中坂(神戸)にも言える。今夏に行われたU-23アジア選手権の予選のU-20日本代表メンバーに選出されているが神戸で安定して出場機会を得ることはなかなか難しい状況である。攻撃的なセンスを持った選手なので控えという立場であっても長いシーズンのどこかで大きな貢献をしてくれる可能性は高いが大きく育てようとするならば目先の1年は我慢して修行に出した方がいいのでは?と思われる。
4人目に取り上げるMF堀米勇(甲府)はやや特殊な状況である。「甲府の下部組織が生んだ最高傑作」と言われてサポーターから絶大な支持を集めているがなかなか甲府では活躍できずにいる。京都から甲府に戻ってきた今シーズンも難しいシーズンになっているがJ1において甲府は「守備を重視したサッカー」を選択せざる得ないので今後も甲府がJ1に居続けるならばMF堀米勇が輝くことは難しいと思われる。
「愛媛FCや京都では活躍できたのに、何故、甲府では活躍できないのか?」と不思議に思う人は多いと思うが単純な話である。仮に甲府がJ2に降格したとしたら「J2の中で上の規模のクラブ」になるので甲府でも力を発揮できるはず。FWドゥドゥやFWウイルソンのような1人でフィニッシュに持ち込める選手が(J1在籍時の)甲府には必要。周りの選手とのコンビネーションからチャンスを作るMF堀米勇には難しい環境である。
■ 不本意なシーズンになったMF井出(G大阪)とMF押谷(名古屋)昨オフに移籍を決断しながら難しいシーズンを過ごしているMF井出(G大阪)やMF押谷(名古屋)の動向も注目される。MF井出は千葉からG大阪にステップアップしたがなかなかチャンスをつかめなかった。トリプルボランチ気味の布陣を採用するときはMF井出のポジションがなくなるのでアピールはしにくかった。岡山でエースとして活躍したMF押谷は層の厚い選手層に阻まれてほとんど活躍できていない。
どちらにとっても不本意なシーズンになってしまったが力があるのは明らか。監督が交代するG大阪のMF井出には巻き返しのチャンスが残っているが(どういう結果になろうとも)風間監督が1年限りでチームを去ることは考えにくい名古屋のMF押谷の場合はチームに残ってもポジティブな未来になることは予測しにくい。昨今のJリーグは出戻りの選手が非常に多いので古巣の岡山あたりは動向を注視しているだろう。
期限付き移籍の選手では夏にC大阪から徳島に移ったMF清原(徳島)、昨オフに清水から岡山に移ったMF石毛(岡山)の2人の動向が注目される。C大阪で出番を失っていたMF清原はJ1昇格を目指す徳島に移ったがうまくチームに馴染めなかった。尹晶煥監督は右サイドハーフの選手にはMF水沼のようなクロッサーか、MF関口のような突破型の選手を配置するのでC大阪に戻ってもチャンスを得るのは難しい。
■ MF山岸祐(群馬)の動向にも注目が集まる。J2では実績を残してきた選手なので古巣の金沢を筆頭に興味を持っているクラブは多いと思われる。伸び悩みが指摘され続けているMF石毛は初めて清水を飛び出して岡山に移ったが出場機会に恵まれなかった。今シーズンも殻を破ることはできなかったが清水に戻るのか?岡山に残るのか?他クラブに移籍するのか?の予想は難しい。ユース出身で大事な選手なので清水が手放すことはないと思うが・・・。
21位以下が確定して「J3降格」の可能性が高まっている群馬は大卒ルーキーのMF高井の動向に注目が集まっているが大卒2年目のMF山岸祐も去就が注目される選手の1人である。183センチとサイズに恵まれたテクニシャンで潜在能力は高く評価されている。群馬の森下仁志監督は「フル代表を狙える素材」と高い評価を下している。J2の中規模以下のクラブの間で争奪戦に発展する可能性がある。
J3でプレーする選手ではMF枝本(藤枝MYFC)やMF中村亮(沼津)は即戦力としてJ2の中規模以下のクラブで活躍できる可能性を秘めているが若手ではMF富樫(FC琉球)が有望株である。今シーズンは低調。思うような活躍ができずにベンチスタートになる機会が多かったがテクニックは一級品である。21才という年齢も魅力の1つになる。評価が高まらないうちに「青田買い」で狙うクラブが出てきても不思議はない。
今オフの動向が注目される選手 (20人) ・???
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・MF 遠藤渓太 (横浜Fマリノス) → 出場機会
・MF 三好康児 (川崎フロンターレ) → 出場機会
・MF 中坂勇哉 (ヴィッセル神戸) → 出場機会
・MF 堀米勇輝 (ヴァンフォーレ甲府) → 至宝
・MF 井出遥也 (ガンバ大阪) → 期待外れ
・MF 押谷祐樹 (名古屋グランパス) → 期待外れ
・MF 清原翔平 (徳島ヴォルティス) → 期限付き移籍中
・MF 石毛秀樹 (ファジアーノ岡山) → 期限付き移籍中
・MF 山岸祐也 (ザスパクサツ群馬) → ステップアップ
・MF 富樫佑太 (FC琉球) → 青田買い
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