■ 孤軍奮闘するMFマテウス(大宮)大宮は30節を終えた時点で17位。残留争いから抜け出せずにいる。残りは4試合。15位の甲府との差は「5」なのでまだ諦める必要はないが徐々に厳しくなってきた。前回、J2に降格したときはFWズラタンやDF高橋祥などが流出したが2度目の降格となると同じように主力の流出は避けられない。選手をチームに留めるためにも「J1残留」を果たさなければいけないが要警戒すべきはMFマテウスの動向である。
2016年は22試合で2ゴール。途中出場がほとんどで676分の出場時間にとどまったが今シーズンの途中から主力に定着。苦しい戦いが続く中、MFマテウスの孤軍奮闘ぶりは目立つ。打開力に関してはJ1でもトップクラス。左足のシュートも強烈である。まだ23才と若いのも魅力で、なおかつ、守備のときも頑張れる選手なので大宮がJ2に降格した場合、MFマテウスは多くのクラブのターゲットになるだろう。
山口の躍進を支えたMF福満(C大阪)はJ1の舞台ではなかなか出場機会を得られなかった。J1では3試合の出場のみ。厳しいシーズンになっているがカップ戦では主力として活躍中。天皇杯のベスト4入りとルヴァン杯の決勝進出に大きく貢献したのでクラブ側の評価は決して低くないと思うがMF清武の電撃復帰とMF山村和のコンバートによってC大阪の2列目は一気に激戦区になった。立場は厳しいままである。
攻撃的な能力は相当に高い選手なので層の厚いC大阪の中で埋もれてしまうのは勿体ない。J2の上位クラブや古巣の山口のみならず、J1の中規模以下のクラブもMF福満には関心を寄せるだろう。隙間でボールを受ける技術が高くて決定的な仕事ができる選手なので攻撃の中心となってプレーできるチームに移籍するのは選択肢の1つになる。カップ戦で能力の高さは示しているので争奪戦に発展する可能性はある。
■ J2で注目すべきアタッカーと言うと・・・。サイドアタッカー系の選手としてはMF村田和(清水)の動向が注目される。昨シーズンまでは「清水の切り札」として大きな存在感を発揮したが今シーズンはケガの影響もあってノーインパクトに近い。不本意なシーズンになっているが途中出場のときに高確率で試合の流れを変えることができる選手はやはり貴重。1人で決定機を生み出すことができる選手の価値は高い。ジョーカー役としてはJ1屈指の選手である。
J2でプレーする選手の中ではMF青木亮(名古屋)は大飛躍のシーズンになった。右WBなど本職のポジションではない位置で起用されるケースも多かったが高度なテクニックを駆使して多くのチャンスを演出。夏場には5試合連続ゴールを記録するなどMFガブリエル・シャビエルに次ぐ攻撃の中心になりつつある。21才と年齢的にも若くてノビシロが大きい選手なので目を付けているクラブはたくさんあると推測される。
期限付き移籍中の選手ではMF杉本太(徳島)とMF中美(金沢)の2人は要注目プレーヤーと言える。J1の鹿島から期限付きしたMF杉本太はリカルド・ロドリゲス監督の信頼を勝ち取ってレギュラーに定着。鹿島時代は伸び悩んでいたが才能開花のシーズンになった。レンタル元の鹿島は言うまでもなくアタッカーの駒は豊富なので期間延長で徳島に残る可能性もあるし、他のクラブに完全移籍する可能性もある。
MF中美はJ1の鳥栖からの期限付き移籍となる。昨夏に金沢にやって来たが攻撃の中心として素晴らしい活躍を見せている。今シーズンもここまで36試合で11ゴール。アタッカー系の選手としては十分すぎるほどの数字を残している。来シーズンも続投となる可能性が高まっているフィッカデンティ監督のサッカーとの相性は良さそうではないのでJ1の下位クラブやJ2の上位クラブにとっては狙い目と言える。
■ J3から「個人昇格」がありそうな選手は・・・。ステップアップの移籍がありそうな選手としてMF清武功(千葉)とMF高井(群馬)の2人の名前を挙げたい。熊本のエースだったMF清武功は規模の大きい千葉でも主軸として活躍して評価はうなぎ登り。「J2でも屈指のアタッカー」と認識されるようになった。ロングスローやプレイスキックという武器を持っている点も大きな魅力と言える。千葉は全力で引き留めると思うがJ1でもやれそうな実力を身に付けつつある。
大卒ルーキーのMF高井(群馬)はここまで36試合で9ゴール。春先にゴールを量産して得点王争いに絡んできたが6月あたりからなかなかゴールを奪えなくなった。尻すぼみのシーズンになっているがチームとして結果を残せずに非常に難しい環境でプレーし続けた点は考慮する必要がある。一個人としては群馬の先輩のFW江坂(大宮)やMF瀬川祐(大宮)よりも上だと思うので「流出は不可避」と言えるだろう。
J3でプレーする選手の中で「個人昇格」がありそうな選手というとMF枝本(藤枝MYFC)とMF中村亮(沼津)の2人である。MF枝本は24試合で11ゴール。2年連続で2桁ゴールを記録している「J3を代表するアタッカー」である。ドリブルを武器とするが下半身がしっかりしていてテクニック系というよりはパワフル系のドリブラーである。MF中村亮も24試合で7ゴールを挙げている。タフなサイドプレーヤーである。
今オフの動向が注目される選手 (20人) ・MF マテウス (大宮アルディージャ) → 評価急上昇中
・MF 福満隆貴 (セレッソ大阪) → 出場機会
・MF 村田和哉 (清水エスパルス) → 出場機会
・MF 青木亮太 (名古屋グランパス) → 評価急上昇中
・MF 杉本太郎 (徳島ヴォルティス) → 期限付き移籍
・MF 中美慶哉 (ツエーゲン金沢) → 期限付き移籍
・MF 清武功暉 (ジェフ千葉) → ステップアップ
・MF 高井和馬 (ザスパクサツ群馬) → ステップアップ
・MF 枝本雄一郎 (藤枝MYFC ) → 個人昇格
・MF 中村亮太 (アスルクラロ沼津) → 個人昇格
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2017/10/30
【J1・J2・J3】 オフの移籍市場で動向が注目される選手・20人 (上) (アタッカー編) 2017/10/30
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