■ 初代表は4人オシムジャパンの代表候補合宿のメンバーが発表された。今回の初代表は、DF近藤(柏)、DF小宮山(横浜FM)、FW杉本(名古屋)、FW黒津(川崎)の4人で、また、磐田のDF村井が、オシムジャパンになって初めて代表に選ばれた。
GK
川口 能活
西部 洋平
川島 永嗣
DF
中澤 佑二
坪井 慶介
村井 慎二
森 勇介
駒野 友一
近藤 直也
小宮山 尊信
MF
橋本 英郎
羽生 直剛
遠藤 保仁
中村 憲剛
鈴木 啓太
阿部 勇樹
今野 泰幸
太田 吉彰
藤本 淳吾
FW
播戸 竜二
巻 誠一郎
佐藤 寿人
矢野 貴章
杉本 恵太
黒津 勝
■ スピードスターの杉本が初代表名古屋のFW杉本が、初めて代表に選ばれた。昨シーズンも8得点で、ドイツW杯の日本代表メンバーであるFW玉田とのレギュラー争いに勝利して、ポジションを確保している25歳である。
持ち味は、圧倒的なスピードである。同じような実績を残していた、大分のFW松橋章太が、先日、日本代表に呼ばれており、杉本の代表選出も、時間の問題だと思われていたが、ようやくの選出となった。
■ 柏の躍進を支えるDF近藤直也先日、マスコミ報道で、柏のDF古賀が代表に呼ばれるのではないか?という記事があったが、実際に代表に呼ばれたのは、古賀とセンターバックコンビを組む、近藤の方だった。
DFとしてのキャパシティでは、現時点では、古賀の方が上ではないかと思われるが、若さと将来性を見越して近藤を選んだのだろう。
■ 高い可能性を秘めるFW黒津我那覇が開幕から不調が続き、また、ドーピング問題もあって出場停止の状況で、地位を固めつつあるのが、川崎のFW黒津。こちらも、杉本と同様、代表に推す声は高かったので、ようやくの選出といった感じである。
川崎Fでも、我那覇とポジションを争い黒津は、ポストプレーでは我那覇に劣るが、スピードやシュート力では上を行く。思い切りのいいプレーは、国際舞台でも通用する可能性をもつ。
■ サプライズは横浜FMの小宮山今回のサプライズは、横浜FMの小宮山。今シーズン、大学から横浜FMに入団した左サイドバックで、チームでも、レギュラーポジションをつかんだのは、ここ最近のことであり、異例の大抜擢となった。
ただ、召集のフラグは立っていた。事前の代表監督会議で、「左利きの左サイドバックが不足している。」という発言がオシム監督から出ていた。そして、小宮山は、数少ない、正真正銘の左サイドバックである。
ほとんどJリーグでの実績のない小宮山の招集に対しては、時期尚早として、批判する声も上がるかもしれないが、今回は、単なる代表候補の合宿であり、オシム監督が直に見て確かめたい選手を招集するのは、全く問題ないのではないかと思う。彼が、今後も代表に呼ばれ続けるのか、今回だけの召集に終わるのかは、今後の小宮山次第である。
■ 約1年ぶりの復帰となった村井復帰組では、磐田の村井。大怪我から、今シーズン、復帰をした村井だが、正直、試合での印象は、良かったり、悪かったりの状態が続いており、磐田でも、完全にポジションをつかんだわけではない。
ただ、村井は、ジェフ時代からのオシム監督の秘蔵っ子であり、早くから、村井を呼ぶのではないかという報道は出ていた。したがって、ようやく、代表に呼ばれたか、という感想をもつ。人材不足の左サイドなので、村井に対して、オシム監督は、かなり期待しているのではないだろうか?
■ 名誉ある代表入りオシムジャパンになって、多くの選手が、日本代表に抜擢された。今では、欠かせない戦力となった、MF中村憲剛やDF闘莉王らも、オシムジャパンになってから、初めて代表に選考された選手である。
日本代表がすべてではないが、多くの選手が、子供の頃から、日本代表で活躍することを夢見て育ってきており、日本代表入りは、サッカー人生における1つの目標である。
Jリーグを見る楽しみの1つは、まだ、全国的には知られていないが、才能ある選手を、自分なりに発掘すること。これまでも、多くの選手が代表に呼ばれたが、まだまだ、オシム監督によって代表に呼ばれる可能性を持ったJリーガーは、多くいる。
例えば、
■ 藤田健(ヴァンフォーレ甲府)「動けるファンタジスタ」として、サンフレッチェ広島の柏木が脚光を浴びているが、甲府のMF藤田も同タイプで、もっとスポットライトを浴びてもいい選手である。
好調を続ける甲府のなかで、一番多くボールを触って、試合を作るゲームメーカーの要素と、左右両足から繰り出される正確なキックを武器に多くのチャンスを演出するアタッカーの要素を併せ持つ。藤田のワンタッチコントロールの巧さは、小野伸二にひけをとらない。
■ 茂原岳人 (ヴァンフォーレ甲府)藤田と並んで甲府の攻撃をリードするアタッカーで、中盤より前のポジションであれば、どのポジションでもプレー可能な、オールラウンド性も秘める。
昨シーズンは、CFであったが、今シーズンは、左ウイングのポジションを与えられており、すでに5得点を挙げている。左サイドでボールを受けてから、相手DFを次々にかわしてゴール前に切れ込むドリブルと高い決定力で、リーグ前半のサプライズとなった。
ここ最近は、一時期よりは調子は落としているが、代表に呼ばれても何ら不思議はない。
■ 根本裕一(大分トリニータ)ここ最近は、やや調子を落としているが、正真正銘の左サイドのスペシャリストで、サイドバックでもウイングバックでもプレー可能。独特の軌道を描く精度の高い左足のクロスは、大分の大きな武器となっている。
身体能力にはそれほど恵まれていないが、一発の左足を秘める点は魅力であり、絶対的な存在のいない左サイドで、代表に呼ばれたとしても、全くおかしくない。
■ 菅野孝憲(横浜FC)苦戦が続く横浜FCの中で、大健闘を見せているGK。横浜FCの試合を見た人は、決まって、「菅野がいなかったら、もっと点を取られていた。」と口にする。
身長には恵まれていないが、圧倒的な身体能力の高さと抜群の反射神経は、若き日の川口能活を思い起こさせる。確かに、横浜FCの失点数は多いが、それは、ほとんどが、菅野の責任ではない。フィードも正確で、早い時期の代表抜擢の可能性も十分。
■ 初代表へのハードル先ほど、選手にとって、代表入りは、1つの目標であると記述したが、そして、もちろん、一度、代表に呼ばれたからといって、それで満足する選手はいないだろう。
「初代表入り」に対して、ハードルを高くするか、低くするかは、監督の考え方次第である。ジーコ監督は、高めに設定してあったし、ファルカン監督やトルシエ監督やオシム監督は、比較的、低めに設定している。それは、どちらがいいとか、そういう問題ではなく、監督自身の考え方によるだろう。たいした問題ではない。
世界中を見渡しても、「一度だけ、代表に呼ばれた経験はあるが、それっきり。」という選手は、非常に多い。選手にとって重要なのは、いかにして、代表に生き残っていくかである。そして、それは、各選手がどれだけ、代表の練習でアピールできるかにかかっている。
今回、初めて代表に呼ばれた選手は、思う存分、自分のよさをアピールして欲しい。もしかしたら、それが、最後の代表合宿になるかもしれないのだから。
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