1人目 : FW ピーター・ウタカ (サンフレッチェ広島) 1984年2月12日生まれ 178センチ/79キロ→ J1のリーグ戦でスタメン出場した試合が50%を超えた選手限定の90分換算の走行距離がリーグワースト(=GK・CB・SB・WBを除く)となるのは19ゴールを挙げてJ1の得点王に輝いたFWピーター・ウタカで8.740キロ/90分だった。この数字は同時にCB・SB・WBを含めた全フィールドプレーヤーの中でワーストなので「J1の中でもっとも走行距離が少ない選手はFWピーター・ウタカである。」と言える。
2人目 : FW レアンドロ (ヴィッセル神戸) 1985年2月12日生まれ 176センチ/70キロ→ 興味深いのは同じ19ゴールを挙げてFWピーター・ウタカ(広島)とともに得点王に輝いたFWレアンドロも9.012キロ/90分で中盤から前目のポジションの選手の中でワースト3位だった点である。山形や(前に)神戸でプレーしていた頃は抜群のスピードを生かしたプレーでゴールを量産したがプレースタイルはやや変わってきている。運動量的にはかなり少なくなってきたが仕留める力は未だにJ1屈指と言える。
3人目 : FW 大久保嘉人 (川崎フロンターレ) 1982年6月9日生まれ 170センチ/73キロ→ 2013年から2015年まで3年連続J1の得点王に輝いたFW大久保が中盤から前目のポジションの選手の中でワースト7位となる9.711キロ/90分。日本人選手の中ではワーストとなる。C大阪や神戸でプレーしていた頃は運動量が多くてアグレッシブなプレースタイルを特徴にしていたが川崎Fに移籍してからは必要以上に動くことはなくなって大事なところにエネルギーを蓄えておくことが出来る選手になった。
4人目 : MF ニウトン (ヴィッセル神戸) 1987年4月21日生まれ 185センチ/88キロ → ボランチの選手では夏に神戸に加入したMFニウトンがワーストとなった。9.752キロ/90分なので10キロに満たなかった。ツボを押さえたプレーが特徴の選手で要所で試合に絡んでくるが状況を良く見て後方で待機している時間帯が長い選手だと数字からも推測できる。ボランチの選手だと1試合で12キロや13キロを超える選手も珍しくないことを考えると極めて走行距離が少ない選手であることが分かる。
5人目 : FW ジェイ (ジュビロ磐田) 1982年5月5日生まれ 190センチ/89キロ→ 2015年のJ2の得点王のFWジェイは8.986キロ/90分。中盤から前目のポジションの選手で9キロに届かなかったのはFWピーター・ウタカとFWジェイの2人だけ。「J1の中で屈指の走行距離が少ない選手」と言える。Jリーグで得点王に輝いた経験のある選手が多く名を連ねるが「そういう選手なので走らなくても許される。」とも言えるし、「必要以上に走らないから肝心なところで仕事が出来る。」とも言える。
6人目 : MF アダイウトン (ジュビロ磐田) 1990年12月6日生まれ 175センチ/75キロ→ 単純なスピードではJ1屈指なので「運動量が多い選手」と誤解されることが多いが、90分換算の数字は中盤から前目のポジションの選手の中でワースト4位となる9.018キロ/90分。今シーズンは2トップの一角でプレーすることも多かったが、基本ポジションが左サイドハーフであることを考えると異例の少なさと言える。相手ボールになったときに自陣まで戻ってこなくて攻め残りをするケースも多い。
7人目 : MF 永井謙佑 (名古屋グランパス) 1989年3月5日生まれ 177センチ/74キロ→ MFアダイウトンとよく似たパターンで「(突出したスピードがあるので)運動量も多い。」と勘違いされる選手の1人と言える。人間の体の構造上、スピードとスタミナは両立しにくいところがあるが、「スピードはあるがスタミナはない。」という典型的な選手である。後半の終盤に後方まで戻り切れずに彼のサイドで起点を作られるシーンが今シーズンは非常に多かった。日本人選手の中ではワースト4位となる。
8人目 : MF 山崎亮平 (アルビレックス新潟) 1989年3月14日生まれ 173センチ/73キロ→ キレ味鋭いドリブルと精力的なプレーがウリとなる選手なので「運動量が多い選手」と誤解されることは多いが、90分換算の走行距離は9.860キロ/90分。これは中盤から前目のポジションでプレーする日本人選手ではFW大久保(川崎F)とMF森崎和(広島)に次ぐワースト3位。数値的には非常に低いことが分かる。90分換算のスプリント回数は20.618回/90分なので「走力がない選手」と言うわけではない。
9人目 : MF 遠藤康 (鹿島アントラーズ) 1988年4月7日生まれ 168センチ/69キロ→ 中盤から前目のポジションでプレーする日本人選手の中ではワースト5位となる9.935キロ/90分。大半の試合が右サイドハーフでプレーすることを考えると「必要以上に動き回らないタイプの選手」と言える。同条件の日本人選手で10キロを超えていないのはFW大久保(川崎F)、MF森崎和(広島)、MF山崎亮(新潟)、MF永井謙(名古屋)、MF遠藤康(鹿島)の5人だけ。オン・ザ・ボールの時に威力を発揮する選手と言える。
10人目 : MF 家長昭博 (大宮アルディージャ) 1986年6月13日生まれ 173センチ/70キロ→ 若い頃から「運動量の少なさ」や「守備意識の低さ」を指摘されるケースが多かった。特大のポテンシャルを持ちながらフル代表とほとんど縁がないサッカー人生になっている一因と言えるが、90分換算の走行距離は10.152キロ/90分。中盤から前目のポジションでプレーする日本人選手の中ではワースト7位。相変わらず、走行距離があまり多くないことは一目瞭然である。チームメイトのMF泉澤も同程度の数字。
2016/11/22 【J1】 数字が示す「走行距離がリーグ最高レベル」なJリーガー・10人 (2016年)
2016/11/23 【J1】 数字が示す「走行距離がリーグ最低レベル」なJリーガー・10人 (2016年)表1. 90分換算の走行距離のワースト30 (GK・CB・SB・WBを除く)
ポジション | 名前 | 所属 | 走行距離(km)/90分 | スプリント回数/90分 |
1 | ピーター ウタカ | 広島 | 8.740 | 16.494 |
2 | ジェイ | 磐田 | 8.986 | 11.677 |
3 | レアンドロ | 神戸 | 9.012 | 17.263 |
4 | アダイウトン | 磐田 | 9.018 | 18.934 |
5 | エル・カビル | 鳥栖 | 9.665 | 21.614 |
6 | ウェリントン | 福岡 | 9.677 | 19.468 |
7 | 大久保 嘉人 | 川崎F | 9.711 | 15.068 |
8 | ニウトン | 神戸 | 9.752 | 5.978 |
9 | ラファエル シルバ | 新潟 | 9.789 | 19.674 |
10 | 森﨑 和幸 | 広島 | 9.792 | 5.528 |
11 | 山崎 亮平 | 新潟 | 9.860 | 20.618 |
12 | ムリキ | FC東京 | 9.906 | 19.060 |
13 | 永井 謙佑 | 名古屋 | 9.919 | 29.944 |
14 | 遠藤 康 | 鹿島 | 9.935 | 18.086 |
15 | ダヴィ | 甲府 | 10.016 | 13.606 |
16 | アデミウソン | G大阪 | 10.030 | 13.115 |
17 | 新井 涼平 | 甲府 | 10.031 | 10.528 |
18 | シモビッチ | 名古屋 | 10.076 | 9.363 |
19 | ウイルソン | 仙台 | 10.138 | 17.767 |
20 | ハモン ロペス | 仙台 | 10.146 | 23.002 |
21 | 家長 昭博 | 大宮 | 10.152 | 19.533 |
22 | 泉澤 仁 | 大宮 | 10.160 | 19.496 |
23 | カイケ | 横浜FM | 10.171 | 19.525 |
24 | 中村 憲剛 | 川崎F | 10.227 | 7.077 |
25 | 宇佐美 貴史 | G大阪 | 10.228 | 20.168 |
26 | ニウソン | 甲府 | 10.283 | 19.673 |
27 | 渡邉 千真 | 神戸 | 10.289 | 17.522 |
28 | マルキーニョス パラナ | 甲府 | 10.292 | 6.938 |
29 | ディエゴ オリヴェイラ | 柏 | 10.328 | 18.602 |
30 | ダニルソン | 福岡 | 10.335 | 10.528 |
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