■ 直近の13試合で13ゴール4アシスト大型ストライカーとして期待されながらプロ生活の大半の時期で「伸び悩み」を指摘されてきたFW杉本健(C大阪)の活躍が止まらない。18節終了時点では18試合に出場して1ゴール1アシストのみ。「期待ハズレ」、「やっぱりダメか」という声が多かったが、19節以降の12試合で8ゴール4アシストを記録。天皇杯の1回戦のアルヴェリオ高松戦(H)では1人で5ゴールを挙げる活躍で10対0の勝利の立役者となった。
天皇杯を含めると直近の13試合で13ゴール4アシストという目覚ましい活躍を見せているが「ようやく才能が開花した。」と言えるだろう。187センチの身長に加えて体幹が太くてタフな国際試合で屈強なCBと対峙した時も跳ね返すことが出来るだけの身体的なパワーを持っている。その上、テクニックがあってスピードもある。(※ 高校時代はCBでプレーすることも多かったので空中戦を含めた守備力も高い。)
未だに日本サッカー界は「優秀なCBがなかなか出てこない。」と言われるケースが多いがこれは一昔半くらいまでの話である。リオ世代あたりから急激に大型センターバックの逸材が出現するようになっており、DF植田直(鹿島)やDF岩波(神戸)はCBとしての素材は日本サッカー史上でも屈指のレベルである。他にもDF西野(G大阪)やDF中谷(柏)がいて、東京世代にはDF町田(鹿島)やDF冨安(福岡)などが控えている。
■ なかなか出てこないCFの逸材U-16世代にも186センチのDF監物(清水ユース)がいる。どの世代の年代別日本代表にも185センチを超える大型CBが何人かいて彼らのほとんどはフィード力も備わっている。「10代で将来を嘱望されるCBの有望株はたくさんいる。」という状況になって来たので「数年前とは比較にならないほどCBの逸材」が出てきており、『今後、五輪代表やフル代表がCBの人選で困ることは考えにくい。』という状況になってきた。
その一方で「大型ストライカーで期待できる選手はほとんどいない。」というのが悩みの種になっている。(※ 付け加えると大型ボランチの逸材も少ない。)東京世代では183センチのFW小川航(磐田)がエース候補として期待を受けているが、その他というと187センチのFW垣田(鹿島)、181センチのFW一美(G大阪)くらい。アジア制覇の期待がかかる「00ジャパン」にもサイズのあるCFの有望株は見当たらない。
J2で短い出場時間ながらゴールやアシストに頻繁に絡んでいる180センチのFW北川(清水)は「万能型のフォワード」として期待を受けているが、ここ5年ほどで考えると「CFの逸材」と言えるのは1992年生まれのFW杉本健(C大阪)、1996年生まれのFW北川(清水)、1997年生まれのFW小川航(磐田)の3人くらい。出現ペースとしては「2・3年に1人程度」。『CFの有望株は滅多に出てこない』というのが現状である。