■ J2とJ3とJFLで活躍したストライカー法政大出身のFW鈴木孝は2012年に町田に入団した。初めて町田がJ2昇格を果たした年にプロキャリアをスタートさせているが初年度の2012年はJ2で18試合に出場したもののゴールはなかった。アルディレス監督の元、パスサッカーを志向した町田は初のJ2で一定の存在感を発揮したものの結果は伴わず。7勝24敗11分けと大きく負け越して最下位の22位。当時はまだJ3リーグがなかったので「JFL降格」となった。
苦い経験になったが2013年はJFLで32試合で15ゴールと活躍した。2014年からJ3リーグがスタートしたのでプロ3年目はJ3が舞台になったが33試合で19ゴールと爆発。J3の初代の得点王に輝いた。2015年もJ3で31試合で12ゴールと活躍。2度目のJ2昇格に大きく貢献すると2016年はJ2で25試合に出場して12ゴールを記録したが8月7日に行われた山口戦で左アキレス腱を損傷して長期離脱。その後はプレーできなかった。
復活が期待された2017年だったが、再度、左アキレス腱を断裂して長期離脱。2017年は12試合で2ゴールに終わった。2018年はチームが好調。4位と好成績を残したが30試合で5ゴール。ゴール数は伸びずにこの年限りで契約満了。初年度から8年間を過ごした町田を離れてJ2初昇格を果たしたFC琉球に完全移籍となったが開幕から爆発。ゴールを量産して27節を終えた時点で15ゴールを記録する大活躍を見せている。
FWイ・ヨンジェ(岡山)などとともにJ3の得点王争いに絡んでいたがJ2でこれだけの活躍を見せていた選手をJ1のクラブが見逃すはずもなく、8月13日(火)にJ1のC大阪への完全移籍が発表された。町田もしくはFC琉球でプレーして来た選手なので「J1でプレーするのは初めて」になる。J2では34ゴール、J3では31ゴールを、JFLでは15ゴールを記録している生粋のストライカーがついにJ1の舞台にたどり着いたことになる。
■ 満を持してJ1に初挑戦する。町田ならびにFC琉球では大エースとして君臨して来た選手なので「苦労人」と表現するのが適当なのか?は微妙なところではあるが、つい先日、7月25日(木)に30才の誕生日を迎えた。30才を超えて初めてJ1の舞台でプレーするチャンスを得たことになるが「ゴールを決め続けることで自身のサッカー選手としての道を切り開くことが出来る。」というのはストライカーのポジションの選手ならではである。
改めて説明する必要はないと思うが万能型のストライカーである。179センチなのでCFとしては標準的なサイズになるがいろいろな形からゴールを奪うことが出来る選手である。右足でも、左足でも、ヘディングでも、精度の高いシュートを放つことが出来る選手で、かつ、嗅覚を持った選手である。裏への飛び出しも武器となる選手なので対峙する相手のCBにとってはマークしにくい厄介なストライカーである。
今シーズンのC大阪は守備が堅くて失点の数は少ないが得点数が不足している。上位争いに参加するためにはFWブルーノ・メンデス以外の選手がコンスタントにゴールを決める必要がある。FW奥埜のフォワード起用が上手くはまった時期もあったがそろそろ奇策が通用しなくなってきたので本格派のストライカーであるFW鈴木孝にかかる期待は大きい。エースのFWブルーノ・メンデスの負担を軽減できる選手である。
■ チーム内での競争は激しい。過去を振り返ってみてもC大阪は下部リーグで活躍していた選手を個人昇格させて戦力化するケースが多いクラブである。JFLのHonda FCで活躍していたFW古橋を引き抜いて彼が中心になってJ1制覇まであと数分まで近づいた2005年の戦いが記憶に新しい。最近では金沢で活躍していたMF清原、山口で活躍していたMF福満、岡山で活躍していたDF片山瑛を獲得するなどJ2で活躍していた選手を獲得するケースが多い。
MF清原やMF福満は実際にJ2時代にC大阪が対戦してやられた選手になる。MF清原は2015年、MF福満は2016年に実際に対戦してやられたことが獲得につながっていると思うが、FW鈴木孝も同じパターンと言える。町田時代の2016年にC大阪と対戦したときにキンチョウスタジアムで2ゴールを挙げる活躍を見せている。C大阪のサポーターにとってFW鈴木孝というと「この時のイメージが強い選手」になるだろう。
当然、C大阪での競争は激しい。FW奥埜とFW高木俊に加えてFW柿谷も競争相手になる。J3で結果を残しているFW山田寛やFW安藤瑞も控えており、怪我で長期離脱中のFW都倉も来シーズンの開幕には間に合うだろう。30才を超えてようやくJ1でプレーするチャンスを得たFW鈴木孝であるがFW都倉がいない残りの4か月ほどの期間でしっかりとした結果を残さないとC大阪の中で生き残ることは難しいだろう。
簡単な挑戦にはならないと思うが、過去の事例から考えると、FW鈴木孝のような万能型のストライカーであり、点の取り方をよく知っているストライカーは上のカテゴリーでも通用するケースが多い。逆に高さや強さを武器に活躍して来たストライカーは上のカテゴリーで苦労するケースが多かった。まずは途中出場が多くなると思うが彼のような下部リーグで実績を積んできたストライカーがJ1でも活躍できると面白い。
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