■ 地元の中国戦4カ国対抗戦の第2戦。日本は、地元の中国と対戦。
日本は、<3-5-2>。GK西川、DF河本、福元、田中。MFは、谷口、上田、菅沼、青山、安田。FW平山、李。
試合は、前半から、中国がレフェリーの判定を味方に付けて、ボールを支配するが、どうにもこうにも、ラストの局面での精度が低く、日本のゴールネットを揺らせない。
後半に入ると、日本も偏ったジャッジに対応し、チャンスをつかむようになるが、決定機は作れずスコアレスのドロー。優勝争いは、第3戦に持ち込まれた。
■ 醜いジャッジ事前に予想されたこととはいえ、ひどい試合だった。試合終了後に、反町監督もあきれていたが、確かに、大会の意義自体にクエスチョンマークを付けざる得ない。日本としては、大怪我をする選手が出なかったことは、幸いだった。
特に、後半終了間際に、ペナルティエリア内でDF安田が相手選手にアフターから蹴りあげられてボールを失って、決定的なシュートを放たれたシーン(ノーファール)は、サッカーを冒涜するシーン以外の何物でもない。
アタッキングエリアで、中国の選手が倒れたら、日本の選手と接触していなかったとしても、必ず、日本のファールが取られた。これでは、安田の言うとおり、サッカーにはならない。こんな偏ったジャッジを見たのは、ここ5年では初めてである。
■ 得られた収穫ただ、冷静に振り返ってみると、日本は、おかしなジャッジに悩まされながらも、収穫は多かった。
まずは、これだけ、相手にセットプレーのチャンスを作られながらも、ほとんど危ないシーンを作られずに、無失点で乗り切ったことである。中国のキッカーのキックの精度が恐ろしく低かったこともあったが、GK西川を中心に、DF陣もマークを外すことはなかった。
また、最終予選でも、アウェーでは理不尽なジャッジを下されることもあるだろうが、この試合のレフェリーほどの醜いジャッジは、まず無いだろう。ジャッジに対する耐性がついたことも、収穫だった。
■ 得られなかった収穫逆に、中国代表にとっては、何も収穫は無かっただろう。北京五輪に向けて、日本クラスの強国とホームで対戦する機会はめったに無いと思われるが、せっかくの機会をレフェリー(中国サッカー協会?)の計らいで台無しになってしまった。
本大会まで、一年余り。イーブンの状態で、日本と対戦できれば、勝ったにせよ、負けたにせよ、中国代表も、たくさんの収穫が得られたと想像できる。このような行為が、めぐり巡って、中国代表の強化につながっていないことを、中国の人たちは、理解できているのだろうか?
■ 谷口のトップ下川崎ではボランチでしかプレーしていないMF谷口だが、反町監督は、五輪代表チームでは、ボランチではなくトップ下で起用することが多い。
これは、ボランチのポジションが激戦区であることに加えて、谷口を平山の近くでプレーさせることで、自陣からのロングボールに対するターゲットを2枚にすることで平山の負担を軽減する狙いと、前線から相手のボランチに対してもプレッシャーをかけられるようにする狙いがあるよう見える。
機動力という意味では、梅崎や柏木、菅沼らよりは劣るが、このアイディアは悪くない。まだ、完全にはチームにフィットしていないが、谷口の潜在能力をうまくチームに還元できるようになれば、このチームは、パワーアップするだろう。
■ 進歩の跡がうかがえる平山FC東京では出場機会を失っている平山については、コンディションが良くないという報道がされているが、北朝鮮戦も動きは良く、この試合も出来は良かった。
特に、課題とされていたDF面での貢献度が高くなっており、日々のトレーニングの成果が現れているのではないだろうか。彼の高さは、攻撃面だけでなく、セットプレーでの守備でも貴重であり、この試合も、中国のセットプレーのチャンスをことごとく封じた。
また、攻撃面でも、前線で、懐の深さを生かしたキープと圧倒的な高さで、攻撃の核となった。ゴールはなかったが、成長を感じさせるプレーだった。
■ ベストの中盤の組み合わせは?日本は、梶山、家長、水野、本田圭、本田拓といったレギュラー核の選手がそろって、大会に参加していない。彼ら以外にも、谷口、上田、青山敏、菅沼ら、所属チームでレギュラーポジションを確保している選手がいて、さらには、U20世代の梅崎、柏木らも、代表入りを狙っていて、非常に層が厚くなっている。
このチームは、FWやDFの人材は豊富ではないが、MFはタレントに溢れている。これだけのタレントをどう組み合わせてチームを作っていくかは、反町監督の腕にかかっている。
■ DFラインのバックアップメンバーは?五輪代表はCBは、日本代表の青山と水本が頭2つ抜けた存在になっているが、そのバックアップというと、非常に層が薄く、バックアップが見つかっていない状態である。
この試合では、河本、福元、田中が起用されたが、攻守に安定感を欠き、十分な信頼は置けない状態である。特に、奪ったボールを展開するときのイージーなミスが今大会では目立ち、カウンターを食らう要因になっている。
日本代表選手・採点
GK 西川 7.5
前半の始めは、ややボールが手につかなかったが、それ以後は、パーフェクトなプレー。安定感とキックの精度の高さは際立つ。
DF 河本 5.5
人に対する強さは見せたが、不用意なミスも目立つ。能力の高さを、まだ、チームに還元できていない。
DF 福元 6.0
落ち着いたプレーを見せたが、相手FWとの1対1で振り切られるシーンも目立った。個のレベルアップを図りたい。
DF 田中 5.5
1対1の対応で、ことごとくファールを取られた。不運だったとしかいいようが無い。
MF 青山 5.0
当たりの強さは見せたが、ロングフィードの精度を欠いた。だが、狙いは悪くない。
MF 上田 5.5
中盤で落ち着いてボールを回してリズムを作ったが、やや精度を欠いた。
MF 谷口 5.5
アグレッシブに動いて、チームにダイナミズムを与えたが、熱くなり過ぎるきらいもあった。
MF 菅沼 5.5
ゴール前に飛び込んで決定機をつかむなど、センスの良さを見せ付けたが、サイドでの1対1で突破できず。ウイングバックでの起用は難しいか。
MF 安田 5.0
粘り強い1対1の守備の対応を見せたが、攻撃では、なかなか見せ場を作れずに不完全な出来。自陣でのパスミスには気をつけたい。
FW 李 4.5
ほとんど仕事が出来ず、不完全燃焼に終わった。
FW 平山 6。5
攻守に存在感を発揮した、前線でのボールキープも巧みだった。惜しいヘディングシュートもあった。
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>>> ギジェさん
コメントどうもありがとうございます。
安田、谷口、河本らのメンタリティーは頼もしくもありますが、退場にならないか、冷や冷やでしたね。そういう意味では、西川、平山らは、平常心でいつもどおり、プレーできていたのではないでしょうか。
民放のテレビ中継に関しては、普段、ほとんど、見る機会がないので、逆に新鮮でした。日テレ・テレ朝・フジあたりは、普段、Jリーグの試合を中継することがないので、数年前に比べても、あらゆる面で、技術レベルが上がっていないな、という印象を持ちます。(Jリーグの中継権を持っているのは、NHKとTBSのみ。)実践の機会が少ないので、技術が上がらないのは、当然のことです。
視聴率と放送権料の問題で、Jリーグの中継を切り捨てたツケが回ってきていると考えると、自業自得ですがね。
確かに中国よりのジャッジだったかも知れないけど、それは事前にある程度はわかっていたことだし、それを踏まえた上で平山なんかはすごいよかったですね。
若さからなのかかもしれないが、安田のあのすぐ熱くなってしまう性格は少々危険ですね。いらないイエローをもらってしまってるし、どんなに偏ったジャッジであったとしても審判は絶対だし、判定に不服や、露骨にアクションで反応するのも駄目ですね。報復行為なんてもってのほか【それが例えどんなに軽く押しただけに見えたとしても】もし、それが嫌なら試合に出ること自体を辞退しちゃった方がいいと思います。
といっても中国もファールの後にちょこちょこと日本選手を突き飛ばしたりしてたんですけどね。(そこら辺は普通に流されるのは流石だなーとは思いましたが)
逆に安田の熱さの良さなのかもしれませんが後半の右サイドから真ん中どこにでもスペースがあれば顔を出すのはすごいよかったです。後はシュートセンスを磨いてもらえれば言うこと無しです。
まぁ、解説の都並の『蹴ってる蹴ってる蹴ってるよ!』には笑わしてもらいましたが。後、実況が何度も何度も『完全なアウェー・不平な判定・半日感情がうんたら~』と言ってるのは確かにそうなんだけど、あまりにもアピールしすぎて多少うざかったですね。もっと他に言うことないのかと、そんなん言ってる暇あったら選手の紹介でもしてくれと、なんか『福元はU20の時のキャプテンです』しか選手に関してのコメントは印象に残ってないです。
安田理大の採点を追加!!!
採点に安田がないよ
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