■ 五輪代表 韓国戦五輪代表の韓国戦。日本は、平山・梶山・青山・西川・本田ら、前回の中国戦でスタメン出場した選手は選考外。
序盤は、韓国が日本を圧倒。パク・チュヨンが3度決定的なチャンスをつかむと、3度目の正直で、先制ゴールを決めた。日本は、セットプレーでのマークが甘く、ルーズな守備をつかれて先制を許した。先制点を奪われた日本は、この後も、終始劣勢で前半を終えた。
後半に入ると、韓国のプレスが弱まって、日本がようやく中盤を支配できるようになった。後半20分に、左サイドを崩してクロス。そのボールが韓国のオウンゴールを誘って同点に追いついた。その後は、韓国もチャンスを作るが、両チーム勝ち越し点は奪えず、1対1で引き分けた。
■ 異質なプレーを見せたMF乾貴士ぶっつけ本番となった日本は、前半こそ、韓国の猛攻にさらされたが、後半にはいると落ち着きを取り戻した。
最初に触れたいのは、何と言っても、高校生MF乾貴士。ボールタッチは、5度ほどだったが、全てのタッチで印象に残るプレーをした。繊細なボールタッチと、誰にも想像できない創造的なプレーは、このメンバーに入っても異質。カテゴリーが上になっても、輝いている選手は輝いて見える。
ちょうど、先週の土曜日に滋賀大会準決勝でプレーした姿を見たが、このときも思ったが、彼は、ドリブラーなのか?パサーなのか?ということ。ドリブラーという冠がつくことが多いが、ボクは、パサーだと思う。それも、極上のパサー。彼のドリブルは、相手の急所をえぐるスルーパスを出すための前準備である。乾のスルーパスのセンスは、平塚時代の中田を思い起こさせる。乾がボールをもつと、フィールド上に一本の線が描かれる。
滋賀県大会 準決勝 野洲×膳所 試合レポート■ 面白い左サイドバックバックの上田康太水野・谷口に関しては、良くもなく、悪くもなくというプレーだった。Jで、存在感を示している選手なら、このくらいは当然で、もっといいプレーを見せてもいい。
面白かったのは、左サイドの上田。最近は、ジュビロ磐田でも左サイドバックで起用されているが、田中・千葉・柳楽・上田と4バックを組むと、必然的に上田にボールが集まって、上田のところでは、とりあえず、落ち着くことができる。守備面では不安もあるが、左サイドでの器用も面白い。(ただし、左サイドバックでは、上田の能力がフルに生かされてはいない。このメンバーなら、ボランチでプレーしているところも見たかった。)
■ 不本意なプレーだった千葉と柳楽不安定だった千葉と柳楽のセンターバックだが、まだ、コンビネーションが出来ていないので、チーム全体で組織的な守備が出来ていなかったのも考慮すべきである。だが、あれほど、韓国のCFに基点を作られると、苦しい試合になってしまう。特に、柳楽の出来はよくなかった。
それ以外の選手で印象に残ったのは、名古屋の左MFの渡邊がそれなりのプレーを見せたと思う。前半は、うまい具合にボールをキープして、チームにリズムを作ろうと懸命にプレーしたように思う。
■ 韓国は黄金世代なの?相手の韓国は、黄金世代と言われているらしいが、旧来の韓国代表と比べても、それほど変わっているようには思えなかった。先日のアジアユースでもそうだったが、試合中に、これほど決定機を外すと、勝利するのは難しくなるだろう。
黄金世代というのは、実績を残してはじめて、そう呼ばれるようになる。チーム発足前から、”黄金世代”と呼ぶのは、どうかと思う。むしろ、自分達に、無駄なプレッシャーをかけているだけだと思う。
■ 収穫のあった韓国遠征今回は、B代表ともいえる、反町監督の選手選考だが、この時期にしか、出来ないチャレンジだったので、悪くないアイディアだと思うし、これまで、代表での経験が少ほとんどなかった、上田や谷口らに出場機会を与えて、さらには、渡邊や乾、松井といった新たに戦力になりそうな選手を発掘することも出来た。収穫は多かった。
明らかに韓国のほうが、決定機は多かったので、課題は多いが、フルメンバーではないので、仕方ない。とりあえず、早く、フルメンバーで試合をしているところを見たい。話はそれから。
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