■ まもなく五輪代表チームが始動北京五輪代表チームは、1985年1月1日以降に生まれた選手たちで構成される。2008年の北京五輪に向けての活動が、まもなく始まろうとしている。
五輪代表チームの位置づけは、今の日本サッカー界では非常に高い位置にある。「欧州スタンダードでは、五輪代表チームの活動なんかほとんどメディアに取り上げられない。フル代表に期待できないから、若年層にサポーターの興味が集まっているんだ。」という苦言を呈する専門家もいるが、五輪代表チームに注目が集まること自体何ら問題はなく、選手強化の意味でも非常に大きな役割がある。
■ 議論すべき問題しばしば議論の対象になるのは、以下の点だ。
① フル代表と五輪代表の監督は兼任すべきか?
② フル代表と五輪代表は、同じシステム・戦術で行くべきか?
これに関しては、フル代表と五輪代表の監督は絶対に兼任すべきではないと思うし、別に同じシステム・戦術で徹底する必要もないと思う。
トルシエは、ユース、五輪、フル代表と3つのカテゴリーすべてで監督を兼任していたが、これは若年層にタレントが揃っていた時代の特殊なケースだった。全てを一人の監督に任せてしまうのは、非常にリスクが大きいし、そこまでリスクをかけて任せられるほど日本サッカーに精通している人材が、現時点でいるとは思えない。
■ 大切な監督の選考システムや戦術に関してだが、これは、どんなビジョンをもつ監督を選ぶのか、全て日本サッカー協会の意思による。アルゼンチンやブラジル、イタリア、オランダといった歴史のある国は、どんな監督を連れてきても、代表候補選手はその国のサッカー・カラーに添った選手しかいないので、必然的に、ユース代表も五輪代表もフル代表も同じようなサッカーになるが、(そして、サポーターも伝統のシステムと戦術で代表チームがプレーしなければ納得しない。)日本サッカーには、まだまだコレといったものがなく、よくいうと柔軟なところがあるので、監督のビジョンに影響を受ける部分が大きい。
北京五輪代表チームには、シドニー五輪代表チームをしのぐだけのポテンシャルをもった選手が多くいて、非常に楽しみなチームに仕上がる可能性が高い。ユーティリティな選手も多く、監督次第では、大熊のような縦ポンサッカーもできるし、ジーコジャパンのようなポッゼションサッカーもできるし、もっと現代的なプレッシングサッカーもできると思う。安易に監督を決めずに、納得いく選考をしてほしい。
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