■ ドーハ以来続く伝統日本にプロサッカーリーグが誕生したのは、1993年。そして、それ以降、A代表(年齢制限なし)・五輪代表(23歳以下)・ユース代表(20歳以下)の3つのカテゴリーの日本代表チームが、世界大会の切符を逃したことは、唯の一度しかない。つまり、ドーハの悲劇といわれた1993年のアメリカ大会のアジア最終予選だけである。
W杯の切符を2枚、五輪の切符を3枚、そして、ワールドユースの切符を7枚。足掛け14年間に渡る記録である。これは、おそらく、現在進行形の記録としては、世界最長記録であろう。日本のサッカーは、14年間、予選敗退を経験していない。
その日本が、危機を迎えている。
北京五輪を目指す代表チームは、予選の4試合を終えて現在、2位。まだまだ、十分に通過の可能性は残すが、全く、予断は許さない。
■ 見えてこない方向性若年層の代表チームは、勝利よりも大事なものがあるのは事実である。したがって、素晴らしい内容の試合をして、それでも、予選敗退に終わってしまったら、それはあきらめもつく。しかしながら、残念ながら、このチームは、内容もいまひとつである。
百戦錬磨のオシム監督と若い反町監督を比較するのはフェアではない。とはいえ、現時点での両チームの完成度の差は歴然としている。強化にかけた時間はほぼ同じであり、相対的なタレント力は、間違いなく五輪代表チームの方が上にも関わらずである。
このチームの船出は悪くなかった。格下ではあるが中国代表に連勝し、アウェーの韓国代表戦でも引き分けた。昨シーズンの戦い方はそれほど大きな問題はなかった。歯車は、2007年になって狂い始めた。
最大の誤算は、選手たちの成長に反町監督の成長が追いつけなかったことである。MF水野、DF水本、DF伊野波らはすでにA代表の常連であり、DF青山、MF本田圭、MF家長、DF内田、MF柏木らも、フル代表に呼ばれた経験をもつ。五輪代表の発足時には1人もいなかったこの世代のA代表戦士は10人を越えている。
1年という歳月は、若く期待の星だった選手たちを、立派なプロのサッカー選手へと成熟させた。若者たちは、短期間で、見違えるような成長を遂げる。したがって、昨日の戦術が、今日も正しいかというと、そうではない。五輪代表チームの監督には、何よりも、臨機応変さが必要だったのだ。
■ 反町氏は解任やむなし。ボクは、このタイミングで反町氏を解任することが、日本サッカー界ならびに反町氏にとって、ベストの選択であると思う。アウェーのベトナム戦で勝利できるのか?ホームのサウジアラビア戦で勝利できるのか?現時点では、あまりにも不透明といえる。
チームを好転させるだけのアイディア、引き出しを、反町氏は持っているのだろうか?現時点では、そうとは思えない。負けてしまったあとに、全責任を反町氏にかぶせて事を済ますことは不可能である。
続投はあまりにもリスクが大きい。そして、探そうと思えば、反町氏よりも適任の監督が、見つからないわけはないだろう。
■ 必要な勝者のメンタリティこのチームの潜在能力は、黄金世代にも引けを取らないと思う。事実、FW平山、MF家長、MF水野、MF柏木、DF水本、GK西川ら、タレントは数知れない。守備的なポジションの人材に乏しかった黄金世代と比べると、総合力という意味では上なのかも知れない。
しかしながら、1つだけ、決定的に違うものがある。それは、勝者のメンタリティを持つか、持たないかである。
MF小野、MF稲本、FW高原らの世代は、もちろん実力もあったが、若年層の時代から勝ち続けてきた経験から生まれる不敵なまでの自信を備えていた。「自分たちのサッカーをすれば世界大会でも負けるわけはない。」というプライドが、プレーの1つ1つから感じられた。
残念ながら、現在の反町氏のサッカーは相手のよさを消すことに集中しすぎていて、選手たちの良さがほとんど見えてこないし、たとえ、勝利することができても、予選を勝ち抜いたとしても、得るものは多くない。
ユース代表を率いた大熊氏も同様であるが、不運にも、この世代は指導者に恵まれなかったのかもしれない。
■ 切り札はオシムだが・・・反町氏の後任を考えると、もはや、オシム氏に頼るしかないだろう。大熊氏、吉田氏も候補として名前が挙がるかもしれないが、軌道を修正して北京五輪で好成績を残すには、オシム監督が最適である。
もちろん、オシム監督が要請を受けるかどうかは分からないし、受諾する可能性は高くないだろう。しかしながら、五輪代表の活動が次の次のサウジアラビア戦で終わってしまうとしたら、A代表の監督であるオシム監督にとっても大誤算である。
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このチームのレビューを考えたらエースは?精神的支柱は誰?と思いました。(CBコンビは良いと思う。)
一番イキイキしてるのが新加入の柏木という点でこのチームの閉塞感が感じられる。
どのみち反町監督は次試合終わるまで解任はされないと思う。私はこのピンチで選手が誰か覚醒する事を祈る。点を取らないと予選落ちなんだから監督の戦術を無視してでも自分の武器でアタックしてほしい。大丈夫、点取れば世論がスタメンを保障する。
<<< shinさん
どうも、コメントありがとうございます。
shinさんと同じで反町氏の監督としての能力自体は低くはないと思いますが、このチームを率いることができるだけの経験値はなかったということでしょう。
合う・合わないはありますので、やってみなければわからない部分はありますので、反町氏を任命したこと自体は問題ないと思いますが、無理だと分かったところで、取り返しのつかない状況になる前に、軌道修正をして欲しいものです。
>>> 埼玉の水色さん
どうも、コメントありがとうございます。
引き分けでよかったと思うのですが、どうも、意思統一がなされていなかったようで、ピッチ上は混乱していましたね。カイザースラウテルンでのオーストラリア戦を思い出してしまいました・・・。
>>> おけんさん
どうも、こんにちは。
反町ジャパンに関しては、これまでは好意的に見てきたのですが、今のままでは、非常にまずいと思います。だから、解任やむなしと考えます。
カタールはアウェーでのサウジ戦が残っていますので、日本としては残り試合で2連勝すればおそらく問題ないでしょうし、危機感を感じた選手たちはやってくれると思いますが、これで北京に行って上位進出できるのかという疑問はあります。仮に予選を突破できたとしても、予選終了後に新監督を探すべきでしょう。
>>> 乾電池さん
内容が改善されてればいいのですが、新しい選手(U20の選手)が入って、いっそうチームは混乱したように思います。
反町監督は…長年新潟という中小クラブを率いて結果を出してはいましたが、逆にいうとそういうチームでの戦い方が染み付いてしまっているのかもしれませんね。反町監督の能力に自分は疑問はありませんが、これからの事を考えると解任したほうが、反町監督の今後のためにもなると自分も思います。
なんていうか消極的過ぎるんですよね。観ていてわくわくしない。じじさんの言うとおり人はいるんだけど・・・
昨日の上田康太を出した交代など不可解なメンバー交代も多いし・・・
潮時でしょう。
まさかじじさんの口から反町解任の話が出るとは思いませんでした。
私も今が時期だと思います。恐らくこのまま反町で行けばなんの起動修正も無しに行きそうです…。
わかりますわかりますその気持ち。
やっぱどうゆう角度から見てもいいとは
思いません。
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