■ 最終的には順当な顔ぶれ7月1日(金)にリオ五輪の本大会に出場する日本代表メンバー18名が発表された。すでにオーバーエイジの3人は日本サッカー協会から正式に「内定」が出ていたがMF遠藤航(浦和)やDF植田直(鹿島)やFW浅野拓(広島)など主力が順当に選ばれた。会見の席で手倉森監督は「(1次予選では3連勝、最終予選では6連勝しているので本大会で6連勝して)トータルで15連勝して金メダル獲得を目指す。」と力強く宣言した。
「トゥーロン国際大会のときに怪我をして離脱中のDF岩波(神戸)が選ばれるかどうか?」は注目ポイントの1つだったが無事にメンバーに選ばれた。予想以上に回復スピードが速いようだ。7月9日(土)に行われる2ndステージの第2節の鳥栖戦(H)から戦列に復帰できる可能性があるという。本大会の初戦まで約1か月の時点で復帰できる可能性が出てきているのでDF岩波に関しては問題なくプレーすることができそうだ。
発表されたメンバー18名を見ると「確実あるいは有力」と思われていたGK櫛引(鹿島)やGK中村航(柏)やDF植田直(鹿島)など13名は順当に選出された。当落線上と考えられていた選手の中ではMF原川(川崎F)とMF井手口(G大阪)が選ばれた。MF橋本拳(FC東京)、MF伊東純(柏)、MF豊川(岡山)、FW鈴木武蔵(新潟)、FWオナイウ阿道(千葉)などが落選となったが、手倉森監督はかなり悩んだだろうと思われる。
■ 順調に怪我から回復中のDF岩波(神戸)がメンバー入り意外だったのはボランチが本職の選手が4人選ばれた点である。過去の五輪代表のメンバー選考は「ボランチは3枠」というのがほとんど。「MF原川とMF井手口とMF橋本拳の中から誰か1人だけが選ばれるだろう。」という見方が一般的だったので若干のサプライズとなった。手倉森監督は会見の席で「後ろを固めたかった。」というコメントを残しており、ボランチを強化してアタッカーを1枚削ることになった。
煽りを受けたアタッカーはMF野津田(新潟)、MF豊川(岡山)、MF伊東純(柏)、FW鈴木武蔵(新潟)、FWオナイウ阿道(千葉)あたりにメンバー入りの可能性があったが全員が落選となった。MF大島僚やMF原川は2列目でもプレーできる選手なので試合展開や状況によっては彼らが2列目でプレーする機会が出てくる可能性はある。質問にも出ていたが「前線に高さのある選手がいない。」という点は不安要素の1つである。
ようやく18人のメンバーが決まったので「誰をどういう風に起用するのか?」が今後の注目ポイントとなるが、当面は「オーバーエイジのDF塩谷をどの位置で起用するのか?」が興味のあるところである。広島では3バックの右でプレーしているが、右SBでもプレーできる。能力を考えるとボランチでもプレーできるはず。DF岩波が順調に回復して試合に出場できる状態になればDF塩谷は右SBに回る可能性が高くなる。
そうなるとアフリカ戦で好プレーを見せたDF室屋と右SBのポジションを争うことになる。そしてDF室屋は右でも左でもプレーできるのでDF室屋が左SBに回ってもう1人のオーバーエイジのDF藤春との争いが勃発することも考えられる。さらにボランチのMF遠藤航についても「守備的なポジションであればどこでも可能」と手倉森監督が会見の席でわざわざコメントした。他のポジションでの起用がないとは言えない。