■ リオ世代の中で有望株を1人挙げるとしたら・・・。2つ前の北京五輪代表チームには国見高校時代に「怪物」と呼ばれて大フィーバーを巻き起こしたFW平山がいた。そして、1つ前のロンドン五輪代表チームにはすでにザックジャパンに召集されており、フル代表でも攻撃の切り札として存在感を発揮し始めていたMF清武弘がいたが、今回のリオ五輪代表チームにはそこまでのビッグネームはいない。「一般の人にも名前が知られている選手は少ない。」と言わざる得ない。
手倉森監督率いる五輪代表チームの試合がゴールデンタイムで中継されるとき、よくされる質問が『この世代の有望株は誰なのか?」、「将来的にフル代表で活躍できそうな選手はいるのか?」といったものである。『五輪代表に選ばれている選手は全員が有望株だよ。』、『どの選手にもフル代表で活躍できる可能性があると思うよ。』と答えるのが一番無難な回答だと思うが、無難すぎて全く面白みがない。
将来のことというのは予測しにくい。怪我であったり、移籍に関するトラブルなどで期待されたようなキャリアを歩むことが出来なかった選手をこれまでにたくさん見て来た。そういった事情も無難に答える人が多い一因と言えるが、敢えて私見を述べると、リオ世代の中でもっとも将来が嘱望される選手は鹿島のDF植田直だろう。「誰か1人だけ有望株を挙げてほしい。」と言われたら、迷わずにDF植田直をチョイスする。
ザックジャパンや関塚ジャパンはCBで苦労してきた。「CBは質も量も世界レベルとは程遠い。」という状態だったが、DF植田直は世界基準のCBになれる素材である。186センチと恵まれたサイズを持っており、パワーがあって、スピードがあって、闘争心があって、キックも安定している。「経験不足」は否めないが、CBの素材としては「日本サッカー史上でも屈指」と言える。これだけの逸材はなかなか出てこない。
■ リオ世代の中で有望株を2人挙げるとしたら・・・。「リオ世代の有望株を2人挙げてほしい。」と言われたときは、『鹿島のDF植田直と神戸のDF岩波の2人』と答えるだろう。DF植田直とDF岩波は同学年でアンダー世代の頃からずっとCBコンビを組んできた。DF植田直と比べるとスピードでは劣るが、フィード力はDF岩波の方が上で、CBに必要不可欠な要素と言える精神的に安定している点も彼の良さと言える。この2人の大型CBは本当に将来が楽しみな選手である。
「リオ世代の有望株を2人挙げてほしい。」と言われたときは話は簡単。『鹿島のDF植田直と神戸のDF岩波』と即答できるが、「リオ世代の有望株を3人挙げてほしい。」と言われるとちょっと迷うことになる。数名が「3人目の候補」に挙がってくるが、少し迷った末に『C大阪からザルツブルクに移籍したMF南野』と答えるだろう。もちろん、まだまだ発展途上ではあるが、アタッカーとしては理想的な選手と言える。
DF植田直とDF岩波とMF南野の3人はいずれも2011年のU-17W杯でベスト8に入った「94ジャパン」の主力。この世代は本当にタレントが豊富と言えるが、「リオ世代の有望株を5人挙げてほしい。」と言われたときはどうなるだろうか。1人目・2人目・3人目の回答は結構な部分で重なるのではないかと思うが、4人目や5人目となるといろいろな意見が出てくるだろう。これまでとは桁違いに頭を悩ませることになる。
■ リオ世代の中で有望株を5人挙げるとしたら・・・。今回も数分間は迷ったが、今の時点であれば、『鹿島のDF植田直、神戸のDF岩波、ザルツブルクのMF南野、広島のFW浅野拓、札幌のMF深井一』と答えるだろうか。広島のFW浅野拓は売り出し中の若手ストライカー。日本人の中ではトップクラスのスピードを持っており、しかも、日本人のスピード系の選手には珍しく馬力も備えている。トップスピードに乗った状態のFW浅野拓を止めるのは相当に難しい。
5人目に選んだMF深井一は怪我の多い選手である。怪我がサッカー人生を狂わせているところもあるが、これだけボール奪取力が高くて、かつ、これだけ組み立ての出来る日本人のボランチはなかなか出てこない。若手ボランチの中では最高級の素材である。これまでに見て来た日本人の若手ボランチの中ではMF稲本が突出した才能を持っていたが、当時のMF稲本と比較できる数少ない日本人のボランチと言える。
さらに人数が増えて「リオ世代の有望株を10人挙げてほしい。」と質問されるともっと迷うが、ここまでに挙げた5人にプラスして『広島のMF野津田、G大阪のMF井手口、FC東京のMF中島翔、ヤングボーイズのFW久保裕、福岡のGK中村航』の名前を挙げる。ただ、川崎FのMF大島僚であったり、湘南のMF遠藤航であったり、新潟のFW鈴木武蔵であったり、清水のGK櫛引の名前を挙げる人も少なくないだろう。
この中でG大阪のMF井手口は将来が嘱望されるボランチである。G大阪にはMF遠藤とMF今野がいるので出番はほとんど回ってこないが、攻守両面でチームに貢献できる万能型のボランチである。ボランチのポジションは「まあまあいい選手」は年に何人かは出てくるが、「これは凄い。」と思えるボランチはなかなか出てこない。G大阪ユース出身のMF井手口は久々に出て来た「これは凄い。」と思えるボランチである。
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