■ 東京五輪まであと4年あまり2020年の東京五輪まであと4年。「TOKYO」に決まったときは遠い先の出来事に思えたが日に日に迫ってきている。男子サッカーの場合は(現行のルールどおりならば)東京五輪に出場できる資格を持つのは1997年1月1日以降に生まれた選手となる。高卒ルーキーとしてJリーグのクラブと契約した選手(=大学1年生と同じ学年)は1997年4月2日から1998年4月1日に生まれた選手なので全員が東京世代となる。
五輪に出場することが確定している世代なので注目度はロンドン世代やリオ世代よりもはるかに上。選手にとっても大きなモチベーションになっていると思うが、今シーズン、Jリーグのクラブに加入した高卒ルーキーは粒ぞろいである。早くもJ1やJ2やJ3のリーグ戦で出場機会を得ている選手がたくさんいる。この時期にこれほど高卒ルーキーが出場機会を得ているのはMF宇佐美らのプラチナ世代以来ではないかと思う。
アタッカーの選手でもっとも目立っているのがMF遠藤渓(横浜FM)である。去年の夏に行われたクラブユース選手権で大活躍してMVPと得点王に輝いたことがプロ入りのきっかけになったと言われているが、1stステージの7節が終了した時点で早くも5試合に出場。3節の新潟戦(A)、4節の鳥栖戦(H)、6節の浦和戦(H)はいずれもスタメンで起用されており、それぞれの試合でのパフォーマンスはまずまず良かった。
ここに来てFWカイケとMFマルティノスが加入。特にMFマルティノスは同じ2列目が主戦場なので出場機会を奪われる可能性はあるがMF遠藤渓の突破力と運動量は魅力いっぱい。資料を見ると「右利き」になっているが左足もほとんど同じレベルで使うことができるので「左右両足を起用に使いこなすことができる点」も大きな武器となる。U-18日本代表にも選出されており、アジアユースでの活躍も期待される。
2015/11/03
【クラブユース選手権(U-18):横浜FMユース×大宮ユース】 昇格内定のMF遠藤渓太が3アシストで大会のMVPに・・・。
■ 早くもJリーグで出場機会を得ている高卒ルーキーたち現時点では途中出場ばかりでJ1のリーグ戦においてまだスタメンのチャンスは得られていないが甲府のMF森晃太も非常に楽しみな選手である。名古屋の下部組織出身で同学年となるMF杉森とともに小学生の頃から名前の知れた選手だったが、順調に成長してJリーグの舞台でも存在感を発揮している。ここまで3試合に途中出場しているが積極的なプレーで膠着した攻撃陣にカツを入れることができる。
公称は175センチ/69キロ。がっちりした体格で体つきはすでにプロ仕様のものになっている。縦への突破力があってサイドアタッカー系のMF遠藤渓と比べるとMF森晃太は1.5列目タイプのアタッカー。狭いスペースでボールを受けてチャンスを作ることが大きな仕事となるがシュートへの意欲が人一倍。プレーには力強さを感じさせる。「即戦力ルーキー」という評価どおりの見事な活躍を続けている。
J2では降格チームの松本山雅のFW前田大、山形のMF永藤の2人が存在感を発揮している。FW前田大は山梨学院大付属校出身。「坊主頭の風貌」と「大然という珍しい名前」の2点から『実家はお寺?父親は住職なのか?』と思ったが、今のところ、そういう情報は入っていない。武器は圧倒的なスピード。50メートルは5秒8と言われており、瞬間的なスピードに関してはJ2の中でも最上位クラスと言えるだろう。
一方のMF永藤は高校サッカーの名門の市立船橋高出身。市立船橋高では10番を背負ったが怪我もあってあまり活躍できなかったという。怪我人が続出しているチーム事情もあって早くからJ2の試合で出場機会を得ているが9節の岡山戦(A)は途中出場でFW林陵平の決勝ゴールをアシスト。リプレーを見るとFWディエゴから出てきたパスを肩のあたりで落として絶好のボールをストライカーに供給している。
他には湘南のMF神谷もJ1で出場機会を得ている。J1のデビュー戦は4節の浦和戦だったが、0対2とリードされている状況で果敢にゴールを狙って2本のシュートを放った。そのうちの1本は日本代表のGK西川を慌てさせるようなシュートだったが、難しいシチュエーションでも堂々とプレーできるメンタリティは大きな武器となる。ここまで0勝5敗2分けと苦しむ湘南は救世主を必要としている。若い選手の台頭は不可欠。
■ 逸材をたくさん抱えているガンバ大阪MF遠藤渓やMF森晃太などを上回るインパクトを残しているのはガンバ大阪のDF初瀬である。「最終ラインに怪我人が続出する。」という苦しい台所事情も絡んで早くもJ1のリーグ戦は2試合にスタメンで起用されており、途中出場でも1試合の出場機会を得ている。大きなインパクトを残したのは2節の甲府戦(A)。左SBで起用されて左足のクロスでFW長沢駿の決勝ゴールをアシスト。鮮烈なJ1デビューを飾った。
選手名鑑を見ると「両利き」と記載されている。「両利き」と記載されているJリーガーをカウントするとJ1とJ2とJ3を含めて15人ほど。珍しいわけではないが、DF初瀬ほど左右両足をほぼ同レベルで使いこなす選手はほぼいない。どちらかというと左SBの方が得意だと言われているが、これだけ高精度の右足を持っていると右SBでも問題なくプレーできる。東京五輪のSBのレギュラー候補に一気に名乗りを上げた。
今シーズンはG大阪とFC東京とC大阪の3チームが「U-23」を編成してJ3リーグに参加しているが、3チームとも19歳前後の若手中心のメンバー構成になっており、貴重な実戦経験が与えられている。DF初瀬もトップチームのベンチ入りを果たせなかったときはG大阪U-23でプレーしているが、高卒ルーキーのFW一美とDF野田裕、ユース出身で1年目のMF市丸とFW高木彰はG大阪U-23で出場機会を得ている。
この中では大津高出身のDF野田裕がCBの位置で頑張っている。大津高の2年生だった2014年には地元のクラブであるロアッソ熊本に特別指定選手として登録されてJリーグデビューを飾った。高校2年生の選手がJリーグの試合に登場するのは珍しいので大きな注目を集めたがCBとして均整の取れた体つきで当たりに強い。サイズは181センチ。「現代のCBとしてやや小柄」と言えるが、タフに戦えるところは魅力。
ボランチのMF市丸は「ポスト・遠藤」と期待する人もいる。パスの精度が高くてフィールド全体を見渡すことができる。G大阪U-23と同じJ3のカテゴリーでは大分のFW吉平翼とDF岩田の2人も開幕からチャンスを与えられている。ともにU-19日本代表。FW吉平翼はストライカーとして大きな可能性を秘めている。172センチ/72キロとサイズには恵まれていないがゴールへ向かう意欲が強くてゴール前で勝負できる。
DF岩田はここまではSBの位置で起用されているがボランチや2列目でもプレー可能。複数のポジションをこなすユーティリティー性が武器となる。まさかのJ3降格となった大分は今シーズンは3部リーグが主戦場となるがFW吉平翼やDF岩田のような若い選手にとっては逆に大きなチャンスである。プロ1年目から監督から一定以上の評価を得てタフな試合に出場できると飛躍的な成長につながる可能性がある。
MF 遠藤渓太 (横浜Fマリノス)
MF 森晃太 (ヴァンフォーレ甲府)
FW 前田大然 (松本山雅)
MF 永藤歩 (モンテディオ山形)
MF 神谷優太 (湘南ベルマーレ)
DF 初瀬亮 (ガンバ大阪)
DF 野田裕喜 (ガンバ大阪)
MF 市丸瑞希 (ガンバ大阪)
FW 吉平翼 (大分トリニータ)
DF 岩田智輝 (大分トリニータ)
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