スタメンGK:川島永嗣 (リールセ) 6.0
→ 先制した直後の後半22分にFWバリオスがドフリーとなって1対1になったが、鋭い飛び出しでビッグセーブ。ここで追いつかれていたら悪い流れになっていただけに大きなセーブだったといえる。新天地のリールセでは結果は出ていないが、この試合はいつもの「川島のプレー」だった。また、南アフリカ大会で見せた正確なパント・キックがこの試合でも再三、見られたのも好印象。FW森本がうまくキープできなかったため、ビッグチャンスにはならなかったが、非常に精度が高かった。
DF:内田篤人 (シャルケ) 5.0
→ 前半は流れに乗り切れずにいたが、後半はいいタイミングで攻撃に参加して2度のビッグチャンスをつかんだが、クロスの精度が低くてゴールにはつながらず。特に完全にフリーの状態で中に味方がたくさんいたため、追加点の絶好のチャンスだったので悔やまれる。守備面では崩されるシーンは少なく無難に守ったといえるが、持ち味の攻撃面でアピールできなかった。
DF:中澤佑二 (横浜Fマリノス) 6.0
→ 南アフリカ大会でゲームキャプテンだったMF長谷部が欠場したこともあって、久々にキャプテンマークを巻いてプレー。チーム全体としてみると何度か危ないシーンもあったが、何とか守りきって完封勝利となった。気になるのはDF栗原とのコンビのときは良好だったディフェンスラインが、DF岩政に変わってからは揃わないシーンが増えていったこと。DF岩政の問題なのか、チーム全体の問題なのか。
DF:栗原勇蔵 (横浜Fマリノス) 5.5
→ 後半22分にパスの処理ミスとクリアミスが続き大ピンチを誘発。そのまま負傷交代となったため、最後のイメージは悪くなったが、それまでのプレーは悪くはなかった。前半はセットプレーから2度のシュートチャンスを作るなど、セットプレーのターゲットとして期待できることを証明。他のCBのレギュラー候補と比べるとスピードもあるので、スピード系への対応にもそれほど不安はない。第3センターバックの有力候補の一人に名乗り出た。
DF:長友佑都 (チェゼーナ) 6.5
→ ワールドカップとセリエAを経験したためか、自信あふれるプレーで左サイドを制した。裏のスペースを取られそうになっても高い身体で何とか対応してしまうので、日本の左サイドを崩されそうな予感はなかった。課題といえるクロスボールも、中の味方にピタリと合うシーンはなかったが、「質」的には悪くはなかった。日本のサイドバックの中では頭ひとつ抜け出た感はある。
MF:細貝萌 (浦和レッズ) 6.0
→ MF今野の怪我もあって代表初出場で初スタメン。上々のデビューとなった。浦和で見せているような運動量を生かした攻め上がりは見られなかったが、つなぎのプレーもスムーズで、攻守ともに良さを見せた。ユーティリティー性もあるので使い勝手もよくて、ベンチに置いておいても重宝するタイプ。岡田監督時代は、MF阿部勇樹やMF今野泰幸がユーティリティープレーヤーとして代表の常連となったが、MF細貝にもチャンスはある。
MF:中村憲剛 (川崎フロンターレ) 6.5
→ 前半に一度、危険な位置でボールを失って大ピンチを招いたシーンがあったが、それ以外はうまくボールを落ち着かせて中盤を仕切った。決勝アシストのシーンに象徴されるが、動きながらボールを受けられるMF香川とのコンビネーションがよくて、相手にとって中途半端な位置にポジションを取るMF香川がスペースを見つけた瞬間に的確にパスを送ってチャンスにつなげた。このポジションは、他にも、MF遠藤、MF小笠原、MF梶山といった選手が候補となるが、前線にスピードやテクニックのある選手が並ぶような布陣になるとしたら、「縦」への意識の強いMF中村憲剛がもっとも合うのではないか。
MF:松井大輔 (トムトムスク) 5.5
→ 体のキレはあって、巧みなキープからファールをゲットするシーンもあったが、ボールキープやテクニックがシュートシーンやゴールシーンに直結せず。人とはリズムを持つのはMF松井のよさの1つではあるが、チームとして効果的には働かなかった。「ボールをキープすること」がまず求められた南アフリカのチームでは彼のよさが存分に出たが、テンポ良くボールを回したいチームの中ではマイナスに作用し、複数が絡むの攻撃のシーンにはほとんど絡めなかった。代表で生き残るためには「得点力」が求められる。
MF:本田圭佑 (CSKAモスクワ) 6.0
→ 1トップではなくてトップ下でプレー。最大の見せ場だった前半9分の直接フリーキックは惜しくもGKにセーブされてゴールはならなかったが、中盤でしっかりと起点になった。もっとも相手のマークが集中するので周囲の味方はプレーしやすくなる。また、MF本田がトップ下に入ると、後方からのロングキックのターゲット役が2つになるのは大きい。MF香川とMF本田を併用するならば、MF本田がトップ下で、MF香川をサイドとするのがベターだろうか。
MF:香川真司 (ボルシア・ドルトムント) 7.0
→ 前半30分過ぎまでは、なかなかボールに触れなかったが、その後はボールも集まってきて何度もチャンスを作った。ドルトムントではドリブルで仕掛けていくシーンは少なくて、ドイツではまだドリブル突破は封印気味であるが、この日は持ち味の積極的なドリブルを随所に披露し、ビッグチャンスを作った。特にMF中村憲とのコンビネーションが良かった。左右のどちらの足でも遜色なく打てるシュート技術は日本でもトップクラスといえる。
FW:森本貴幸 (カターニャ) 5.0
→ フォワード陣でメンバーに入ったのがFW岡崎とFW森本のみ。FW岡崎を押しのけてスタメンに起用されたが、うまくボールをおさめられずに基点になれなかった。クロスに対してゴール前に飛び込む迫力は感じさせたが、自らの力で打開する「力強さ」は感じられず。以前と比べると、「ゴール前に特化したストライカー」になりすぎているような感じは受ける。タフなセリエAで生き残っていくためには仕方がないのかもしれないが・・・。
途中出場FW:岡崎慎司 (清水エスパルス) 5.5
→ 後半15分からFW森本に代わって出場。おとりの動きでMF香川のゴールに絡んだ。真ん中に構えるFW森本とは違って「動きの量」のあるFW岡崎のよさが見えたシーンといえる。全体的に動きは悪くはなかったが、後半30分にゴール前で受けたMF香川からのパスはしっかりとコントロールしてシュートにつなげなくてはならない。結果、MF本田→DF内田とつながってビッグチャンスになったが、ゴール前では正確なプレーが求められる。
MF:藤本淳吾 (清水エスパルス) 5.0
→ 先制ゴールの直後の後半21分から出場。アピールする時間は多く与えられたが、ポジティブな印象は与えられなかった。久々の代表復帰で、周りのとのコンビネーションという意味では難しい面もあったと思うが、持ち味である攻撃センスを発揮できなかった。中央で絡もうとはせずに、清水のときと同じようにもっと右サイドに張ってボールを呼び込んでもよかったかもしれない。後半29分の決定機は得意の左足のシュートに持ち込めたので、最低でも枠内には飛ばしたかった。
DF:岩政大樹 (鹿島アントラーズ) 5.5
→ A代表は3試合目。後半23分から負傷したDF栗原に代わって出場。ラインコントロールで何度かミスしたシーンがあって不安視されたが、パラグアイがクロスを放り込んできた終盤はしっかりと跳ね返すことができた。代表では出場機会に恵まれず、鹿島で見せているようなプレーは見せられず、なかなかスタメンの機会もめぐってこないが、辛抱して待つしかない。
MF:橋本英郎 (ガンバ大阪) なし
→ J1で6試合連続ゴールを記録し、久々に代表に復帰。後半33分からMF本田に代わって出場したが、ポジショニングが中途半端でうまく試合を落ち着けられなかった。FW岡崎の1トップで、MF橋本がトップ下ポジションに入ったと思われるが、両者のポジションが逆転していることも多く、相当に高いポジションを取っていたことが意外だった。
DF:槙野智章 (サンフレッチェ広島) なし
→ 負傷したDF内田に代わって後半44分から出場。アピール機会はほとんどなかったが試合に出られたことが収穫といえる。今度のグアテマラ戦は、余裕があれば左サイドバックでのプレーも見てみたいところ。さすがにボランチはないと思うが・・・。
DF:駒野友一 (ジュビロ磐田) なし
→ 後半45分から出場。3分ほどのプレーにとどまったが、本人にとっては区切りを付けるための貴重な時間になったのではないだろうか?4年後のレギュラーとして期待されているDF内田がイマイチだったため、当分は、DF駒野の力は必要となるだろう。
関連エントリー2100 2010/08/24
新・日本代表に呼ばれそうな選手を考える。 (GK・DF)2101 2010/08/27
ハラ・ジャパン メンバー発表について2105 2010/08/30
ザッケローニ・ジャパン 誕生 2106 2010/09/01
【シュツットガルト×ドルトムント】 香川真司がドイツで評価される理由は?2109 2010/09/03
リベンジのパラグアイ戦のみどころ 2110 2010/09/04
【日本×パラグアイ】 香川真司のゴールでリベンジ達成
- 関連記事
-