■ 宿敵の韓国を相手にまさかの大敗E-1 サッカー選手権は2勝1分けの韓国が頂点に立った。DFキム・ジンス、DFチャン・ヒョンス、MFチョン・ウヨン、MFイ・グノ、GKキム・ジンヒョンなどJリーグでプレーした選手 or 現役のJリーガーが多くいるので日本のサッカーファンにもお馴染みの選手が多かったが196センチのFWキム・シンウクが存在感を発揮した。圧倒的な高さを生かして同点ゴールをゲット。流れを引き寄せるゴールだった。
韓国はアジア最終予選で大苦戦して何とか最終節で2位を確保することが出来た。日本以上に危うい状況でロシア行きを決めたので今回の代表チームへの期待感は非常に低かったというが日本戦に限定すると「歴史的な大勝」なのでムードは一気に高まるだろう。選手にとってもサポーターにとっても監督にとっても大きな勝利&優勝と言えるが対照的に日本代表は重苦しいムードで年内の活動を終えることになった。
苦しみながらも初戦で北朝鮮、2戦目で中国に勝利して2連勝を飾ったことはすでに遠い過去のものになった。かつてほどバチバチやりあう相手ではなくなったが、やはり、韓国代表というのは日本にとっても「一番、負けてはいけない相手」である。その相手に1対4の大敗というのは極めて大きな失態である。ハリルホジッチ監督の選手起用や手腕や能力を疑問視する声が多くなるのは避けられない状況になった。
■ アピール出来たのはごくわずかロシアW杯の本大会まで半年を切ったが多くの選手にとって今大会はラストチャンスだった。「年齢的にもW杯を狙えるのは今回が最後」という選手も少なくないので死に物狂いで北朝鮮と中国と韓国に対峙するかに思えたが意外とクールだった。もちろん、何人かの選手はアピールに成功したがほとんど全ての選手は「及第点以下」に終わった。彼らはラストチャンスを生かせずにロシアW杯はかなり難しくなった。
数少ないアピールできた選手の名前を挙げるとFW小林悠(川崎F)、FW川又(磐田)、MF伊東純(柏)、GK中村航(柏)あたりになる。FW小林悠は代表初ゴールを含めて2ゴールと結果を残した。FW川又は3試合すべて途中出場だったが3試合とも存在感を発揮した。MF伊東純はスタメン出場した2試合は良さを出し切れなかったが絶対的なスピードはやはり魅力。活躍の機会は限定的だったが能力の高さは証明した。
GK中村航は韓国戦では4失点を喫したが初戦の北朝鮮戦は再三のファインセーブで完封勝利に大きく貢献した。最近はGK川島が正キーパーとして活躍しているが年齢のことを考えると盤石とはいえない状況である。キーパーのポジションは最も不安視されているポジションなので一気にGK中村航がポジションを確保しても不思議はない。腹をくくってGK中村航を正キーパーとして起用してもいい時期に入っている。
もちろん、常連のMF井手口とGK東口は来年3月の代表戦のときもメンバーに入ってくるだろう。また、MF阿部浩、DF谷口彰、MF倉田、MF三竿健あたりは悪い出来ではなかったので「評価自体は下がっていない。」と言えるが、その他の選手は軒並み低調。何人かの選手は評価を大きく下げてしまった。メンバー発表の時は「G大阪・鹿島・川崎Fの連合軍」と言われたが寄せ集めのチームで勝てるほど甘くなかった。
■ どういう選手は国際試合では使えないのか?代表チームになると「この選手が国際試合で使えるのか?使えないのか?を見極めること」も大事な作業の1つになる。ストレートに言うと「国際試合ではとても使えない。」という選手が何人か判明したことは収穫の1つに挙げられるが烙印を押された選手のほとんどはもともと「国際試合では厳しいのでは?」と言われていた選手になるのでハリルホジッチ監督の選手選考は批判の対象になっても仕方がない。
ハリルホジッチ監督が日本にやって来てからまだ2年半ほどしか経過していないので「まだよく分かっていない部分」は少なくないと思う。Jリーグで活躍している選手が代表戦でも活躍できるとは限らないし、Jリーグでそこまで目立った活躍を見せていないにも関わらず代表戦では意外と力を発揮できる選手もいる。今回のE-1 サッカー選手権の選考は「このあたりの見極め」が非常に甘かったように感じられる。
ずっと日本代表の試合を見てきたサポーターは「どういう選手が前者のタイプで、どういう選手が後者のタイプなのか?」は何となくは想像できるが、日本人あるいは日本サッカーのことを勉強し始めて2年半しか経過していないハリルホジッチ監督にとっては難しい作業だった可能性がある。その点は考慮しなければいけないが「テクニシャン系の選手」は前者に当てはまるケースがほとんどである。
もちろん、MF乾(エイバル)のようにテクニシャンで、かつ、突破力や俊敏性のある選手は大きな武器になるが、「フィジカル的にそこまで強くないテクニシャン系の選手」や「判断力や運動量も評価されるタイプのテクニシャン系の選手」は国際試合になるとフィジカルで圧倒されて潰されるケースが多い。こういうタイプの選手は「Jリーグでは存在感を発揮できるが日本代表で活躍するのは難しい。」と言える。
また、国際経験の乏しい選手をいきなり代表戦に呼んでも活躍するのは難しい。もちろん、Jリーグで突出したパフォーマンスを見せた選手や誰がどう考えてもポテンシャルを持っている事が明らかな選手は当然のことながら代表に呼ぶ価値はあるし、我慢して使い続ける価値があるがそのクラスではない選手を招集しても厳しい。30才前後の選手をいきなり代表に招集しても不幸な結末に終わる確率が高い。
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